毎日杯最終追い切り診断
新種牡馬キズナ産駒の勢いが止まらない。
チューリップ賞優勝馬マルタ―ズディオサを筆頭に、先週のフラワーCを制したアブレイズ、若葉S2着馬キメラヴェリエなど、牡馬・牝馬とそれぞれの路線で存在感を示していることが凄い。
エピファネイア産駒もそれなりに結果を残しているが、とはいえキズナ産駒のそれと比べたらお話にならないレベルで、父の産駒同様、温かくなってきたこの時期にグングン力をつけるのかもしれない。
そんなキズナ産駒ブームが巻き起こる中、今年の毎日杯にはキズナ産駒のアーヴィンドが出走を予定している。
半兄にはスプリント路線で頭角を現したプレイズエターナル(父アドマイヤムーン)を有する血統馬で、高松宮記念にはタワーオブロンドンを擁立するゴドルフィンの生産馬という点がなんとも匂う。
一昔前のゴドルフィン(旧ダーレー・ジャパン)であれば、スプリント路線とダート路線だけマークしていればよかったものの、近年はマイル路線まではしっかりカバーしてきた印象で、察するに血統配合だけでなく、育成力に磨きがかかってきた印象を受ける。
当のアーヴィンドの初戦を振り返れば、まず512キロの馬体重については、率直に言ってかなり太目残りの印象を受けた。
胴周りの恰幅もよく、それ相応の心肺機能を秘めている可能性が高い。
ただし、瞬発力に直結する「繋(つなぎ)」というパーツを見るに、やや太すぎる印象で、ビュンと切れるような脚を使うタイプでないことは見て取れる。
事実、レースでも発馬センスは決して褒められるものではなかったが、それなりに二の脚は使えており、1角までに2番手のポジションメイク。
結局最後の直線走路でも逃げるタイセイチアーズを完全に子供扱いする内容で、搭載エンジンの差をまざまざと見せつけてみせた。
1着 アーヴィンド(和田竜二騎手) ※レース後コメント
「乗り込みが豊富でしたし、2番手からいつでも抜けられる手応えでした。大型馬ですが、血統もスピードタイプですし、短い距離の方がよくなってくるかもしれませんが、良い馬ですし、良いとびをしているので、色々な可能性がありそうです」
週末の天気予報が怪しいだけに、先週とはうって変わって時計を要する馬場というのも歓迎材料。
一流血統馬が揃ったなか、またしてもキズナ産駒にしてやられるなんてシーンも十分念頭に置ておきたい。
さて、そんなキズナトークを展開した上で、再度今年の毎日杯に目を向ければ、池江厩舎、藤原英厩舎、矢作厩舎といわゆる一流厩舎の出走馬が集っていることもあり、追い切り内容としては馬の行く気に任せて、L1だけ意識的に負荷をかけるお決まりのパターンが散見された。
ただし、似通った時計やラップ構成とは対照的に、今回の追い切り映像を通じては、各馬のエンジン性能やギアの程度、使える脚そのものの長さを的確にキャッチアップできた自信がある。
同じトップギアといっても、アクセルをある程度踏み込んだ状態での12秒台なのか、単に足をアクセルペダルに乗っけた状態での12秒台なのか、このあたりの差を掴むためには馬の重心、騎乗者の重心がどこにあるのか、またハミ掛かりの程度を騎乗者のグリップの位置や動きから想像する必要がある。
以下、追い切り診断の内容については、マニアックな表現にならないよう十分言葉を選んで記載したつもりだ。
本日更新のマーチS最終追い切り診断同様、週末を迎える上で、微力ながら参考にしてもらえれば嬉しい限り。
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