タピオカができるまで

タピオカの原料は「ツキノコの卵」である。
節足生物のようで、軟体生物のようでもある。
ツキノコは本来マレーシア深海の過酷な環境に生息する生き物だったが、環境汚染の影響で近海でも見られるようになった。
ツキノコは満月の夜に交配し、短時間で産卵に至る。これが名前の由来である。
これを採取し、特殊な薬品で卵の中の幼生を溶かし、卵殻と同化させ、添加物を加えたものがいわゆるタピオカである。

人間の生活圏に現れたことで、ツキノコはタピオカの原料として利用されるようになる。現在では養殖や品種改良も進められている。日本のタピオカミルクティーに使われているのは主に「ヒトスジクロタピオカ」である。ツキノコは電流によるストレスを与えることでより短期間に産卵する(生存本能によるものと思われる)。
ツキノコの卵の形には個体差があり、形がいびつなものは製品としてあまり利用されない(加工にコストがかかるからである)。

ツキノコは一生に一度しか産卵できない。一度産卵したツキノコはミンチにして、ツキノコの存在する水域に蒔くと、仲間の臭いを察知したツキノコが集まり、採取が容易になる(もっとも養殖が進められているため、この方法はあまり行われない。産卵を終えた養殖ツキノコはほとんどの場合廃棄される)。

数年に一度、大漁のタピオカが近海に挙がることがある。この時期には近隣に住む女性が情緒不安定になり、体調不良で病院に搬送されるケースや家族に暴力を振るい警察沙汰となるケースが見られる。

タピオカはもともと月に住む生き物で、月にはタピオカの「女王」がいるという都市伝説がある。満月の夜になると、タピオカが人間に殺されることに怒った「女王」の力で、女性が精神に以上をきたすと、現地ではまことしやかにささやかれている。現地人の一部はタピオカの乱獲や養殖に反対するものもいる。

ツキノコ漁・養殖業には8歳から14歳の児童が従事しているが、彼らが生涯にタピオカを食べることはない。

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