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二〇三号室のあの娘は一人が好き ドアの向こうはサンクチュアリ 夜中に帰ってくる 明るくて…
濁流の中で見たものは 過ぎ去っていく方舟 命をつなぐことを許された 選ばれしものと 獣たち…
子供でいたい ずっと トイザらスきっず 大好きなおもちゃにかこまれて 大人になんかなりた…
蜘蛛になって お前の夢に入りたい 木張りの床に金縁のソファ その上に横たわるお前は オル…
古本屋に並ぶ無名の詩集 裏庭に佇む松の木 シャンプーの匂い 色の剥げた仮面ライダーの人形…
蜜柑の枝に 丸々と肥えた芋虫 肉厚の葉を短い歩脚で抱きかかえて 一心不乱に貪っている …
むせ返る花の匂いに包まれた 幻惑庭園 血のように赤いチューリップ 小さな葉が輪を描くガーベラ はにかむようなマーガレット 物言わぬコスモス その頭上には 濃度の高い空が 嫌というほど広がっている 極彩色の蝶が羽ばたく その複眼は色を知らない 森の中で息を潜める池では 人魚が自分の鱗を剥がしている 巨大な屋敷の一室で 少女が人形と戯れている テーブルにはケーキと 甘いミルクが湯気を立てている 陽の光が部屋に差し込み 陶器のウサギが白く輝く 水差しに活
赤銅の棺 開かれて 吹き上がるinsane ghost 白骨に宝石ぶら下げて 乾いた音が響き渡る バ…
幻惑遊星 螺旋を越えて 深紅の風は 原子を焦がす 森羅万象 一切流転 宇宙の悲鳴 細胞乱舞 …
ファンシー・ピンキーのスカートを履いた少女は スーツケースにクッキーを詰めて 地方都市を…
部屋を染める夕陽が死ねというので 外套を羽織って街に出た ビルの向こうで空が燃えているの…