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業界・企業研究のゴールとやり方【ただの元人事@コミュニティ質問箱シリーズ#0016】

こんにちは。ただの元人事@裏垢です。

2022年1月から開始している24卒向けコミュニティ内で『23卒内定者が回答する質問箱』を始めました。

質問に回答してくれる23卒のみなさんは、僕の勉強会や23卒コミュニティをフル活用してくれて、大手難関企業からの内定者ですので、これから就活に取り組む24卒の内定率に少しでも貢献できると考えて協力してもらいました。

業界や企業によって違いはあると思いますが、内定者の考え方を少しでもヒントにしていただけると嬉しいです。

ただの元人事 コミュニティ質問箱 シリーズ (28)

この質問にはタイプ別に3人の回答者、補足で1名の回答者の計4名が回答しました。

A1.幅広い業界×業界研究しっかりタイプ

回答者:文系学部/商社・海運・金融

タイプ:業界を絞らず、本選考も10業界ぐらい受けていた。

◯具体的な状況
継続的にインターンに参加しており、本選考はほぼ全てインターンorワークショップに参加した企業のみエントリーしました。ただ、みている業界が多すぎて全てをじっくり見ることは出来なかったです。志望度の高い3業界のみ、業界研究・企業研究がしっかりできていました。

〇ゴール(面接用)
・その業界、その企業でなければならない理由を他業界・他社比較しながら言える
・希望する部署、職種の業務理解をして、自分の強みと掛け合わせて活躍理由を言える
会社の強みと今後の方向性を説明できる

上記の3点は志望理由またはその深掘り質問に必要な要素なので、ぜひ押さえておいてください!

◯ゴール(企業選択)
勤務地、配属、どんなキャリアが歩めるのか、社風などを把握して志望度の基準にする。

企業によっては希望の部署に配属される可能性が非常に低い場合もあります。初期配属はどれくらいの割合でどこに配属されるのか、希望部署には何年後に行ける可能性がでてくるのか、事前にしっかり確認しておきましょう。

〇方法
(1)OB訪問、座談会

私は座談会には必ず参加し、3業界のみOB訪問をしていました。
事業理解だけに留まらず、どんな相手にどう関わってどう事業を進めていくのか、業務理解をしっかりすることが大切です。

・具体的な質問内容

競合他社の名前をだし、「〇社との違いはどういった点にあると思われますか?」という質問をしておけば、面接で他社比較を聞かれても社員の方がおっしゃったことをそのまま伝えれば大丈夫です。
仮説を持って「御社は〇が強くて、〇社は〇が強い印象を持っていますが、〇〇様は業務の中でどのように感じることが多いでしょうか。」と質問すると、より深い情報を得られるかと思います。

また、3人目の回答者の方もおっしゃっていますが、「大変さ」を聞き、「OB訪問で〇〇様から〇〇が大変だと伺ったのですが、そういった場面でも〇〇で培った〇〇(強み)を活かして御社に貢献できると考えます。」と面接で伝えていました。

キャリアイメージを持つために、「入社時の希望部署と現在描いているキャリア」もよく聞いていました。
OB訪問であれば自分のキャリアプランを伝えて現実的なものなのか確認してもらったり、志望動機を見てもらうことも可能です。

(2)インターンに参加する

インターンでは、業務体感ワークをすることが多いですが、このワークの中で感じた難しさや楽しさを志望動機に活用していました。

具体的には以下の通りです。

インターンで〇〇を体験し、御社の営業の難しさを実感しました。その中で顧客のニーズを捉える〇〇(能力)が必要であると感じ、自身の〇〇の経験を活かして貢献したいと考えています。

単純に業務理解を深められる場でもあるので、1dayでもいいのでエントリーしてみることをおすすめします。

(3)中期経営計画を見る

中期経営計画はあまり企業理解が深められておらず、ESが書けない/面接対策が不十分な場合と、志望度の高い場合に見ていました。

見ていたポイントや理由についてはこちらの記事で詳しく書いていますので、ご覧ください。

(4)ニュースリリースを読む

最新の企業の取り組みを知る上で、面接前にニュースリリースを読んでおくと逆質問や志望動機で役に立ちます!

NewsPicksなどのアプリを活用して日頃から最新情報を確認する方法もおすすめです。志望企業や業界をキーワードで検索して、フォローしておくと便利です。

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A2.業界絞って×業界研究しっかりタイプ

回答者:大学院卒/内定先:大手飲料メーカー

タイプ:業界を絞って、選考を受けていた。

〇具体的な状況
私は夏インターンごろから就職活動を始めました。本選考では28社ほどエントリーしました。業界としては食品業界を川上から、川下まで幅広く受けました。その中でもメーカー志望で就職活動をしていました。
食品業界の内容になってしまうのですが、他業界にも応用していただければと思います!

〇ゴール
・なぜその会社がいいのかという質問にしっかりと答えられるようにする。
・社員の業務と、将来自分がその役職に就けたときに活かせる強み、今足りない弱みなどを明確にする

〇方法
(1)企業の説明会に参加する(食品商社から小売りまで全体的に参加しました。)
食品に関わる業界全体として、なぜメーカーがいいのかということを言語化するにあたって社会で「メーカー」がどのような立ち位置であるのかということを理解する必要があると感じました。
なのでメーカーは何をしているのかということを深掘って
・商品をつくるにあたっての商材は?=商社・食品商社は素材を仕入れたりしている(企業によって商品開発していたりもしますが、、、)
・作った商品はどう市場に回るか=小売りに卸して消費者に商品が届く
などどうやって、商品が作られ、販売されるのかを理解することを意識しました。
このことによって、なぜ商社なのか、なぜメーカーなのか、なぜ小売りなのか、という質問に対して「他の業界もわかってるけど、その中でここがいいんです」という答え方ができるようになり、納得感のある返答をできるようになります。
(ちなみにこの方法で業界研究をしようと思ったのが、このコミュニティ内で商社希望の方と面接練習したときに、なぜ商社ではなくメーカーなのですかと聞かれたときに答えられなかったことがきっかけでした。なので、いろんな業界の人と面接練習するのとてもおすすめです笑)


(2)CSRや中長期計画、研究論文、企業HPを読み込む
主にこの企業が目指したい姿であったり、大切にしている理念と合致している人間っぽくないですか??という言い回しを面接でできるように読み込んでいました。

それぞれの活かし方
・CSR:企業の社会的責任についての内容なので、社会的責任として何を提供したいかを理解することで、将来会社がしたいことと自分がしたいことをマッチさせて、志望動機に落とし込むことが出来ます。

・中長期経営計画:ここには今の企業としての課題について書いてあるのでそれを確認します。そこから社会に提供したい価値・経営課題の詳細について確認し、自身が関わって成長に関わりたいなどの内容を確認します。

・研究論文:この内容は「御社だからこそ!」の内容に生かします。その企業しか持っていない研究技術などもあるので、その技術が生まれた背景・そこでの研究員のこだわりなどを知ることが出来ます。またこれの内容の活かし方としては、逆質問などで、研究所ベースなのか・マーケベースなのか聞いたりするのもありです。

・企業HP:その企業がどのような人材を欲しがっているのか、またどのような人がいるのかについて知ることができるので、自分との共通点、それに気づいた実体験などの自己分析などに使うことができました。
上記から企業研究をしていくとESや面接で使えるような内容を練ることもできます!

(3)OBOG訪問をする
競合他社との違いなどは、OBOGの方にお聞きすると確実な情報のように思います。表面上の情報を確認してから、これってあってますか?といったようなすり合わせを行うことおすすめします。
また面接で話す内容のネタ作りにもなるのでぜひ!

(4)インターンシップに参加する
インターンシップへの参加では、実際に社員がどのような業務をしているかに加えて、研究職・事務職ではどのようなバックグラウンドを持った人がいるのかについて把握することが出来ます。
私は理系だったので、そこで出す職種を企業によって変えていたりしました。
また業務について理解できるとそこで活かせる自分の強みなどもわかってきたりします。
また志望度の高い企業は、どの職種が、どのような仕事をしているか自分が志望していない職種(研究職希望の人は事務系もなど)の話も聞くと各職種の連携も見えてきたりするので時間があるときには確認してみるのもいいと思います。

〇その他
私は企業研究をしていたら、最終的に業界研究になっていた感じで情報収集をしていました。調べたいと思う企業はきっと志望度が高かったり、そうでない企業は調べる気が起きなかったりなどします(私はそうでした笑)。
なので、エントリーする企業が多すぎて少なくしたい人はそこから判断するのもありだと思います。
これから企業・業界研究を進めると、調べれば調べるほど、知らない情報が出てきて不安になることも多いと思います。
でも自分で調べた情報は、自分の身になりますし、面接での自信にもつながると思います!大変だと思いますが、時には休みつつ頑張ってくださいね!

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A3.幅広い業界×選考受けながら業界研究タイプ

回答者:文系学部/金融・インフラ・IT・公的機関など計8社

タイプ:幅広く業界をみており、選考しながら深ぼっていった
〇具体的な状況
私は、秋冬から本格的に就活を始めたこと、本選考では70社程度エントリーしていたため、業界・会社研究に重点はおかず、必要な分は直前・選考中に対応していました。(志望度が高い企業・インターンに参加した企業は選考前に出来ていた部分もあります)

〇ゴール
・過去質問された業界・会社関連の理解や志望度を問う質問に無難に答えられるようにする
・業界・会社の全体観については答えられないが、業務レベル、1社員の働きレベルでは具体的に自分の強みと絡めて答えられる

(・その会社の新しい取り組みに着目し、それを言えるようにしておく)

〇方法
(1)座談会に参加する
インターンのプログラムの一部や、本選考の途中でも(ES締め切りの1-2週間前で少人数座談会の開催、1次面接突破者のみの座談会など)社員の方からお話を聞ける沢山の機会があります。それを複数人から話が聞ける効率が良いOB訪問として活用し、そこで聞いた話を面接で話していました。座談会をうまく活用できず、福利厚生ややりがいだけを聞いて終わってしまう人が多くいると思いますが、私は下の記事にあるように、「1番大変だったエピソード」、「達成感を感じた仕事」などを具体的にお聞きし、それを自分の体験や強みに絡めて話せるようにしておきました。実際に面接で「○○さんから伺ったのですが」とお話しすると、熱意も伝わりやすいと思います。インターンに参加できる場合は、これらを意識して、座談会で情報をためておきましょう。必ず本選考で活きます。

(2)採用HPのインタビューを読み込む
(1)が難しい場合に実行していました。自分が目指すキャリアプランを進んでいる人をHP内で見つけ、その人がどのようなキャラクターか・仕事に関するエピソードはどのようなことを話しているかをなんとなく理解し、「○○さんという方のインタビューを読んだのですが、私も・・・・なところが共通しており、この方のようなキャリアプラン(働き)を目指そうと思っています。」と話していました。文字で書いてあるので何度も読み返せますし、面接の回答も作りやすいのでおすすめです。

また、(1)、(2)の不足部分として、ゴールの2つ目にも書いたように、いわゆる「業界のこの先」「会社の強み・弱み」にはダイレクトに答えられない、という点があります。それに関してですが、ダイレクトに「うちの会社の強みは何だと思いますか?」という聞かれ方より、志望理由やガクチカで話した原体験などから深ぼられる中でそのようなニュアンスの質問をされることが多いので、「こういう仕事がこの会社でやりたいし、自分の強みがあればできるし、その熱意が湧き出るような原体験もあります」という方向にもっていっていました。(例えば、なんでこの業界?と聞かれたときに、原体験ベースで回答したり、なんでこの会社?と聞かれたときに、こういう強みがいいと思った、ではなく、こういう仕事があるということを知っていてそれをやりたいから、と回答していました)

ダイレクトに聞かれてしまったときは、最低限回答し、自分の知っている話に持っていってごまかしていました。(代表的な事業はこの事業で、それは今後も強みかと思いますが、今後私は海外事業に強くかかわりたいとおもっており、それを強みにしていきたいです。具体的にどう関わりたいかというと……)実際にごまかせていたかどうかは半々くらいなので、志望度が高い企業、かつ今の時期(回答時8月)から就活に集中しているのであれば、無難にやっておいた方がいいです。これは他の回答者の回答を参考にしてください。

(3)面接の逆質問で聞く
短時間OB訪問として活用していました。逆質問の際、質問を考えるためにお聞きしたいのですが、とその方の今までのキャリアをお聞きし、その中で関心ある業務や部署について質問していました。2次面接のとき「1次面接の面接官だった○○さんに伺ったのですが…」とお聞きすると受けも良かったです。逆質問は、皆似たり寄ったりな質問を聞きがちなので、そこで面接官の方の話を深く聞きコミュニケーションが取れると、有効な時間の使い方ができたとお互い思えると思います。

(4)データ活用・オープンイノベーションについての取り組みだけHPから確認する
(※こちらの方法は、当てはまらない会社も多いと思います。)
同じ業界内での各会社の違いは探すのが難しいですよね。そこで、私は「会社の挑戦性」に着目しました。自分としても古いやり方に囚われず、新しいことを取り入れている会社に行きたいと思いますし、会社側もそう思ってもらえるようなアピールをしていると考えました。そこで、具体的に挑戦性の中でも「データ活用」と「オープンイノベーション(ベンチャーとの協業など)」をどのように行っているかを見て、それらに惹かれた、と回答していました。(逆質問でこれらの取り組みについて具体的に聞くのも有用でした)実際にデータ活用には興味があったのと、長期インターンでベンチャー企業で働いていたので、それを話すことができたのも面接官に響いた要因だと思います。少し決め打ちの会社研究ですが、自分はとても効果がありました。

〇その他
幅広く受けたい人は、過去面接で何を聞かれているか・求められているかを情報収集し、業界・企業理解が深く求められている企業はそもそも受けないという方法をとるのも良いと思います。(総合商社はかなり求められると聞いていたので、勿論仕事内容への関心自体の薄さもありましたが、実際に私は受けませんでした)就活は時間との勝負なので、自分の中で優先順位を立て、行きたいと思える企業に行ける最短の戦略は何かを考えてみて下さい。
また、業界研究のゴールを決めるのは難しいと思いますが、【過去聞かれた質問・頻出質問に答えられるか】で考えてみると一つわかりやすい指標になると思います。

コミュニティ内では、業界別の研究会や、色々な業界から内定をもらった先輩の話が聞ける機会が多くあるので、それも活用しながら戦略を立てていってください。

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A4.他にも取り組んでおいたほうがいい研究内容

回答者:文系学部/内定先:IT·コンサル

面接に向けてやっておくべき業界研究、企業研究の内容を補足的に二つ紹介します。

(1)事例研究
実際に面接をするうえで、その企業や業界を志望した理由は、他社との比較や過去の行動との関連性で示すことができます。志望動機の論理性が高いほど内定は近づきますし、さらに「企業のどんな取り組みに興味があるのか、どんなことがしてみたいか」といった部分まで言及し、志望理由や興味をもっている範囲の具体性を上げることが非常に大切です。採用HPやOBOG訪問をした方が担当している事例を調べ、自分が携わりたい仕事の内容の解像度を高めましょう。

面接でやりたいことの具体性が上がるほど、「企業に入って何をやりたいか、どんなところにひかれているのか」を事例ベースで話すことができるようになり、就職後に描いているビジョンを鮮明にすることができます。具体的な事例に目を輝かせる学生の方が企業側の印象は間違いなく良いですし、志望動機の論理性や整合性をさらに高めることができます。
 面接の深堀りで「具体的にどんなことをしてみたい?」と言われることは非常に多いので、返答もより具体的になり評価も高まります。
 
(2)業界、企業内トレンド
各会社には社内報のようなものが配られています。社内報自体は基本的に部外者が閲覧できるものではないですが、会社の方向性や注力している内容が確認できます。そのため、OBOG訪問をした社員の方が当該事業に関わっていなくても、トレンドを理解できるようになっています。中期経営計画が作成されていない企業であっても確認できますし、より簡潔かつ簡単な言葉でトレンドを理解できるため、おすすめです。
(例・某総合コンサルであればスマートシティ、某ITコンサル企業であれば量子コンピュータやAI、ブロックチェーンなど)

これらの対策は有形商材以外の企業でも大切になってくるので、採用HPやニュースを追う以外にもOBOG訪問を通じて情報を取得しておくといいと思います。

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24卒コミュニティに質問箱を設置しているので、興味がある方は、ただの元人事のインスタグラムからコミュニティ参加してみてください。



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