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「共感して聞く」と「話を聞いて、怒ったり、喜んだりする」の違い

赤羽雄二さん『自己満足でない徹底的に聞く技術』で書かれている
アクティブリスニングを実践中の畑中です。

毎朝5:30~のClubhouse『親子のクオリティタイム』で、子育てママ・パパのお話を聞く機会がありますが、子育てのイライラポイントや気になるポイントは、ほんとうに人それぞれだなと感じる今日このごろ。

子育てのイライラポイントや気になるポイントを深掘りしてみると、色々な発見があります。

例えば、子どもが、甘えてきたときに「それくらい自分で、できるでしょ!」とイラっとしてしまう方、特に、上の子に甘えられると、怒りや拒否したくなる方は、ご自身が、下に妹や弟がいたり、自分の親が病気だったり、幼少期に「おねぇちゃんなんだから」と言われて育っていたり、「しっかりしている」と褒められたりしているケースが多いです。

もし、あなたが、思い当たるところがあるなぁと思ったのでしたら、子どもが甘えてきたときに、子どもが甘えていると思わずに、幼少期のころに甘えられなかった自分自身が甘えていると思ってみてください。

親に甘えたかった幼少期の自分と目の前の子どもを重ね合わせ、自分がして欲しかったように、たっぷりを甘えさせてあげると、子どもの頃、甘えたかったけれど、甘えられなかった満たされない思いを抱えた自分が、ケアされていきます。

自分が子どもの話に反応しがちなポイントを深掘りしてみると、自分の古傷が刺激されていることが多いはずです。それに気づくだけでも、子育てのイラッ!が解消されていきます。

今回は、子どもの話に反応をせずに、アクティブリスニングができるようになるために大切な「共感して聞く」と「話を聞いて、怒ったり、喜んだりする」の違いについて、書いてみます。

毎朝5:30~のClubhouse『親子のクオリティタイム』での話

先日、ルームの常連ママさんが、珍しくご立腹で、こんな話をシェアしてくれました。

現在、テスト期間中の中学1年生の息子が、「廊下ですれ違った先生に、『〇〇くん、点数少ないよ』と言われた」と話してくれたんです。

その話を聞いて、テストを頑張っている息子にそんなこという先生に、怒りが湧いて、「先生が、そんなこと言うなんてひどくない?」って、話を聞いたんですよね。

clubhouse「親子のクオリティタイム」でのママさんの話

そのママさんの話を聞き終わったあと、「先生に、そう言われた息子さんは、どう思ったって言ってました?」と質問すると、「あ、それは聞いてませんね。あ、聞いているつもりだったけど、聞けていませんでしたね」とおっしゃっていました。

このママさんも、気づかれたように、

廊下ですれ違ったときに「〇〇くん、点数少ないよ」と言われて、どう感じたかは、本人に聞いてみないとわからないのです。

もしかすると、

ショックだったのかも知れないし、
何くそ!と思ったかも知れないし、
そんなこと言われなくてもわかっていると思ったかも知れないし、
だから、なんだよ!と思ったかも知れないし、
親にテスト結果を期待しないでほしいことの伏線かも知れない。

だから、まずは、「先生から、そんな風に言われたんだ」とボールをキャッチして、次に出てくる言葉をリラックスして待ってみる。

そこで出てくる気持ちが、
「ショックだった」のであれば、「ショックな気持ち」を聞けばいいし、
「何くそ!と思った」のあれば、「悔しかったね」と聞けばいいし、
「わかっているよと思っている」のであれば、「わかっていること言われるとうざいよね」と聞けばいいし、
「だから、なんだよ!と」思ったのであれば、「先生、何が言いたかったんだろうね」と聞けばいいし、
「先生から結果がよくないと言われたことを、親に伝えたかった」のであれば、「結果がよくなさそうなんだね」と聞けばいいわけです。

こうやって、話をしている人が感じたこと考えたことをそのまま受け取って、気持ちを共にすることを「共感する」と言います。

相手の話を聞いて、怒りが湧いて「先生が、そんなこと言うなんてひどくない?」と自分の感じたことを伝えるのとは、似て非なるものです。

こんな風に子どもの話を聞きながら、自分が反応してしまうときは、言わないようにガマンするのではなく、なぜ、それが自分が気になるのか?と深掘りしてみると色々な発見があったりします。

例えば、

・幼少期にがんばっているのに、「できない子ね」と言われた
・学童期にテストの点数が低いときに、「あなたはダメね」と言われた
・先生は、子どもが前向きになる言葉かけをするべき(幼少期に、先生に、やる気をそがれることを言われた経験がある)

など、ご自身の中の古傷が見つかったり、自分の経験から築かれた「〇〇すべき」に気づけます。それに気づくと、自分の思考癖がわかり、自分の考えをいったん脇において、目の前の子どもが話すことを、そのままリラックスして聞きやすくなります。

病院の悪口をいう患者さんの話の聞き方

こんな話をしていると、私が以前、調剤薬局の薬剤師をしていたときの患者さんとのやりとりで、注意していたことを思い出しました。

患者さんは、「病院が混んでて、すごい待った。ほんと嫌になっちゃうわよね」など、病院での嫌な体験を口にされることがありました。

そんなときに、「ほんと嫌ですよね」と相づちを打ってしまうと、「薬局の薬剤師も、病院が混んでてひどい」と言っていたというメッセージになり問題が起こるので、「体調の優れない中、待たされたら、そんな気持ちになりますよね」と、共感はするけど、話を聞いて自分の気持ちや考えを織り交ぜないような対話を心掛けていました。

相手の気持ちと自分の気持ちは違うもの

仕事上で出会う方やある程度距離のある人間関係であれば、こういった対話はしやすいですが、わが子となるとそれがなかなか難しかったりします。

赤ちゃんの頃から見守ってきたわが子なので、なんとなく、彼、彼女の考えそうなことや感じそうなことはわかっている気になるからです。

そこに「子どものことが心配だ!」という気持ちがのると、子どもの話を聞いているつもりが、自分の考えを良かれと思って子どもに話し出し、子どもの気持ちはどこへやらの状態になりがちです。

これが、母子密着(母子カプセル)と言われる、心理的距離が近く、その関係が悪影響を及ぼす親子関係の原因のひとつになっていくのです。

その原因を家庭から取り除くためにも、アクティブリスニングは有効です。

アクティブリスニングをしていると、「へー、それを見て、そう感じるんだ」とか、「へー、そこをそう考えるんだ!」と発見があって、わが子であっても、もうすっかり別の人間なんだなと、こんな当たり前のことに自然と気づけるからです。

まずは、自分が子どもの話を徹底的にアクティブリスニングして、家庭を安全基地にしておくためにも、「共感して聞く」と「話を聞いて、怒ったり、喜んだりする」の違いを意識してみましょう。

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