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子育ては「心配」を「信頼」に変える旅-『高学歴親という病』

赤羽雄二さん『自己満足でない徹底的に聞く技術』で書かれている
アクティブリスニングを実践中の畑中です。

今回は、『高学歴親という病』を読んだ気づきをシェアします。

「高学歴親」という切り口に驚く


本のタイトル、インパクトありました。一度、聞いたら、忘れません。

著者の成田奈緒子さんは、このタイトルに当初は、抵抗があったそうです。

出版社から提案された『高学歴親という病』というタイトルは、かなり刺激的で当初は抵抗がありました。
ただし、高学歴の親たちは、日本の「学歴偏重主義という病」に冒されていると考えることができます。実際に高学歴な親御さんも、ご自身がいわゆる高学歴ではなく、それゆえに「学歴偏重主義」に陥っている親御さんも、同じように子育てに悩んでいるケースが多いのです。タイトルの「高学歴親」という言葉は、その両方の意味を含んでいるとご理解ください。

『高学歴親の病』P.5-6


勉強してきた親も、勉強をあまりしてこなかった親も、子どもに「学歴」をつけてあげたいと思う方が、多数派ではないかと思います。

ベネッセコーポレーションは業績好調ですし、首都圏の私立・国立中学受験者数は、過去最多を記録しています。

私は、生まれてから30歳で結婚するまで、東京で過ごしました。結婚してから10年間は福岡で過ごし、2年前に東京に戻ってきました。
なので、学生時代からの友だちの多くは、東京近郊で暮らしています。首都圏に住む友人のほとんどは、子どもを中学受験させています。

わが子が通う都内の公立小学校は、毎年クラスの半分ほどが中学受験をするようです。そのため、学習塾に通っていない小5長男でも、偏差値や有名私立の中学校名、塾のクラス分けや中高一貫、大学附属のメリットなどの情報を同級生から聞くようで、私にも聞かせてくれます。

土日は、朝から晩まで父親が子どもの横で、塾の宿題のサポートをする家庭もあるようで、中学受験をしない人は、勉強をしない人・勉強できない人といったイメージすらあるようです。

私の数名の友人は、中学受験の経験や状況を惜しみなく教えてくれます。

受験直前期は、「死ぬほど勉強してた」、「塾弁」、「塾から帰宅し、寝るのは12時少し前」、「睡眠不足の成績への悪影響」、「受験の当日、品のいい親子の会話を聞いて、自分のいる場所じゃないといって子どもが泣き出した」、「4年生から遊びをガマンして、勉強に絞らせた」、「一人っ子だから、人間関係を学ばせるために、塾とサッカー、プールの習いごとは続けさせた」「同じ塾や学校に通っているママさんたちとは、一切受験の話はしない」、「サ〇ック〇の入塾の準備で、く〇んの教材の〇まで進めておいた」「小学3年の冬期講習の入塾テストからがスタート」など。

第一希望の中学校には、1/3の子どもしか合格できず、2/3は第一希望以外の学校に行くのが現実です。受験日が1日違えば、合格者の半分が総入れ替えになるくらい合否が変わるとも言われる戦いを制するまでの苦労と努力は、並大抵ではありません。

第一志望の私立中学校に入学させて、勉強のサポートはもう終わったので、正社員で仕事を始めた友人もいますし、不合格体験記より、合格体験記があふれているため、誰でも、頑張れば第一希望に受かるような錯覚を持ち、子どもに自分の夢を託して、期待ばかりしていたと語っていた友人もいます。

リアル世界で見聞きしていることが、『高学歴親の病』でも事例として紹介されており、これまでなんとなく感じていた違和感をデータや研究結果を用いて、問題点を明確にし、解決方法をわかりやすく解説してくれています。

脳には育つ順番がある

人間が生きてゆく機能の大部分は、脳が担っています。ですから子育てイコール「脳育て」と表現していいくらいです。
(中略)

3段階で脳は育つのですが、多くの親たちが「からだの脳」を育てずに、「おりこうさんの脳」と「こころの脳」の機能を求めています。それが、高学歴親が子育てでつまずく大きな要因です。

『高学歴親の病』P.119~120

「からだの脳」が育つよりも先に、「おりこうさんの脳」を育ててしまうことで引き起こされるこころの問題もいくつも紹介されています。

器械体操で全国大会出場を決めた。
水泳の記録会でいつもトップを飾る。
塾での成績別席順は常に最前列で、名門中学の模試でA判定。
そんな子どもたちが、朝はなかなか起きられない、家で暴力的な態度になる。理由がわからない頭痛や腹痛があるといった問題があっても、親子はエリート街道を走り続けます。
優秀なわが子が放つ光は、その影を覆い隠すのです。脳育ての価値がわからない人は、先のことを考えるのが苦手なのかもしれません。
目の前の些末なことよりも、対局をみることができれば変れるのに。それを私はひしひしと感じます。

『高学歴親の病』P.148-149

一見、まぶしい光を放っているお子さんを持つ親御さんにも、人には言えない悩みがあるようです。身近な友人にも、アクティリスニングして話を聞かせてもらっていると、こういった話もしてくれますので、これらも特別な話ではないと感じます。

私がやった大失敗が、書かれていた

「学校に行きたくない」と言った中学生に対し、「そうやって怠け癖」をつけると、人間は堕落するんだ。引きこもりになって社会に出られなくなって、しまうぞ」と怒鳴りつけたお父さんがいました。

『高学歴親の病』P.173-174

アクティブリスニング(※)に出会う前、学校に行きたがらない長男に、今日休んだら、このまま不登校になってしまうのはないか?という不安から、同じような言葉で、なんとか行かせようとしていた時期がありました。

(※)アクティブリスニングとは

アクティブリスニングの4つのステップ

『高学歴親の病』では、

「何か不安があるんだね。行きたくなるまで行かなくてもいいよ。大丈夫。言いたくなったら理由を聞かせて」と笑顔で対応してほしいと思います。

『高学歴親の病』P.173-174

と対応が書かれています。

アクティブリスニングでは、「行かなくていいよ」という判断を、子どもの話を聞ききる前にすることはありませんし、「言いたくなったら理由を聞かせて」と、あえて言ったりはせず、リラックスした状態で見守ることで、子どもが自ら話し出すのを、寄り添いながら待ちます。

どちらも、子どもが安心し、どんなことでも、子どもの考えていること、思っていることをそのまま受け止めて、信頼をするという点は共通しており、人を健やかに育てるためには、欠かせないことです。

高学歴親家庭では、子育ての「軸」が勉強になっており、この「軸」はブレやすく、子どもからするとダブルスタンダードになってしまうことも、指摘しています。

まずは、「早寝早起き朝ごはん」は、絶対軸としておすすめされていました。確かに、心身ともに健やかに生きるためにも、大切な軸であると思います。

ここに「アクティブリスニング」という、子どもの話を徹底的に聞くというスキルと親としてのあり方がプラスされることで、子育ての極太の軸をもつことができ、育児の不安を信頼に変えていけると感じています。

あゆみの表紙を見て思うこと

先日、小5長男が通信簿(あゆみ)を持って帰ってきました。

彼は、表紙をじっと眺め、

「俺にあるのは、たくましさだな。俺なら大丈夫だろ!」

あゆみの中身の評価については、色々思うことはありますが、本人が「たくましさがある!」と思えていることだけで、十分です。

その子のそのままをつぶさないように、アクティブリスニングを徹底していきたいです。

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