どうやって、日々のできごとをアクティブリスニングのブログにしているか。
赤羽雄二さん『自己満足でない徹底的に聞く技術』で書かれている
アクティブリスニングを実践中の畑中です。
自分の考え方・感じ方・記憶・判断などの認知活動を客観的にとらえる「メタ認知」ができるように、考えをめぐらせている今日このごろです。
Clubhouseつながりの仲間からのメッセージ
前回のブログ『「聞く」を楽しむ』を読んでくれた、音声メディア Clubhouseでつながっている仲間が、こんなメッセージをくれました。
「記憶・観察・コネクト」と整理された3点を、自分の思考に当てはめてみたら、いくつも思い当たることがありました。
そこで今回は、「記憶・観察・コネクト」に整理し、私がどうやってブログを書いているかをご紹介します。
観察
Clubhouse 毎朝5:30~「親子のクオリティタイム」のルームで、参加者からの「バイト2日目三女の心情に寄り添い耳を傾けることに集中しました」というチャットを見る。
記憶
そのチャットを見て、Clubhouseで聞いた赤羽さんの話を思い出す。
女性の社長さん:「教育実習で実家に帰省していた息子の話を、アクティリスニングしようとしたけど、自分がしゃべってしまって、上手くいかなかった」
赤羽さん:「非常にもったいないことをしているのに気づいていますか?息子さんだけでなく、息子さんが、これから関わる子どもたちにも影響がある。目の前の息子さんへのアクティブリスニングに、真剣に取り組んだほうがいい」
観察
その日の朝食に、NHKで、若者の早期離職のNEWSを見る。
定年まで働くつもりで入社した社員8000人以上の一部上場企業を、1年目で退職した方が取材されていた。退職理由は、他の会社で役立つスキルが身につかないこと。
コネクト
これらは「アクティブリスニング」で問題解決できると思う。
これらを題材にして、ブログを書くとこんな感じです。
親子のクオリティタイムのルーム
Clubhouseで毎朝 5:30~5:50
『親子のクオリティタイム』
を開催中です。
このルームで、25歳の長男を筆頭に6人の子育てをしているパパさんから、こんなチャットが入りました。
このパパさん。飲食店を経営されており、実際に、アルバイトを使う経験もされています。
こういった経験は、アクティブリスニングの第1ステップ「徹底的に、真剣に聞いて信頼される(余計なことを考えない)」を邪魔しがちです。
そこをクリアして、「寄り添い耳を傾けることに集中」したなんて、素晴らしいですね。
きっと娘さんは、小さい頃からお父さんのアルバイトへの関わり方を見ているはずです。だから、親に言われなくも、わかっていること、感じていることはたくさんあるはずです。
親から「お説教交じりのアドバイス」を聞かされるのではなく、自分がアルバイトで経験して感じたこと、考えたこと、わかっちゃいるけど、こぼしたい愚痴を評価もアドバイスもせずに聞いてもらえるだけで、元気になったことでしょう。アルバイト先で味わった自分の至らない部分も全部、受け止めてくれる人がいるだけで、子どもは安心して、また外の世界へ出ていくことができるんです。
よくありがちな聞き方は、こんなパターンです。
例えば、
娘が、「先輩が、やり方をきちんと教えてくれないだよね」とぼやいたとします。
このぼやきに対して、
「忙しいと、教えてもらえないこともあるよ。他のスタッフの動きをよく観察するといいよ。仕事のすべてを先輩に教えてもらおうと思っていたら、いつまでも仕事は、覚えられないからね」
こんな風に、つい娘のために「説教まがいのアドバイス」をしてしまいがちです。
娘さんは、
お店が忙しかった
とも、
すべての仕事を教えてほしい
とも、
他のスタッフを見ていない
とも、何も言っていないのに、聞き手である親は、経験と照らし合わせて、余計なことをいってしまいがちです。
このメッセージから娘さんが受け取ることは、
「自分は甘いんだ」とか、
「観察力が足りないんだ」とか
「「教えてもらえない」とか言ったらいけないんだ」とか、
「私のアルバイトの状況もわからないのに、自分の言いたいことばかりいって、ちっとも私の話は聞いてもくれない」
など、自分の存在・気持ち・考えを否定することにつながるものばかりです。こうなると、娘さんは、一気に話す気を失いますし、元気も出ません。
だから、まずは、
「ふーん、先輩が、きちんと教えてくれないんだ」
とそのまま、話を聞くだけでいいのです。
評価もアドバイスもいりません。
こうすると、
どんな状況だったのか、そのときにどんな気持ちになり、何を考えたのかを話してくれます。
それらを聞き出そうと、「え?どんな教え方をするの?」と、自分が知りたいことを質問したりもしません。
言葉では「きちんと教えてくれない」といっても、教え方に不満があるわけではなく、「質問しにくい職場の雰囲気に働きにくさを感じている」のかもしれません。だから、まずは、ステップ2の質問よりも、ステップ1のそのまま聞くことが、問題の本質を把握するための近道なのです。
若者の早期退職
近年、大企業で、若手の早期離職が加速するニュースをよく目にします。
先日もNHKのTV番組で、定年まで働くつもりで入社した社員8000人以上の一部上場企業を、「自分のスキルが身に付かず、世の中で生き残れないことを不安」に思い、転職した入社1年目の方が取材されていました。
その方は、入社して1年で教えてもらったことは、
・社内の他部署の上役の電話対応で気を付けること
・社内会議の会場設営の仕方
「今は、電話ではなくchatworkでのやりとりが主流なのに、社内の上司の電話応対を習うことや、社内会議のリハーサルのために、前日に会場設営をして、当日にまた同じ会場設営をする非効率なことに自分の時間を使っていてはダメだと感じた」と話されていました。
もし、この職場の上司がアクティブリスニングを実践し、1週間に1回30分の個人面談をする仕組みがあれば、企業も若者もお互いにWIN-WINの関係になれたのではないか?と思うのです。
若者の新しい仕事の仕方や非効率と気づいたことを、組織に提案することができれば、社内に小さな変化を起こすことができます。
若者も、アクティブリスニングしてもらえる上司がいれば、成長できない、自分のスキルが身に付かないという不安を払拭できたり、何か役に立てている感覚があれば、安定した会社を1年目で退職するという選択をしなかったのではないかと思うのです。
転職して、どこの会社で働いても、起業したとしても、お客さんとして相手にする方は、その会社にいる癖のある上司のような方の可能性もありますし、chatworkだけでは物事は進まないので、電話応対のスキルはどこにいっても、使えます。
若者が、それが社内にしか通用しないスキルと思っているのも、もったいないですし、退職理由を「自分のスキルが身に付かない」と言ってはいても、閉塞感のある組織風土や激動の時代に変化を望まない既存従業員の存在に将来性を感じずに、離職しているのかもしれません。
何が問題の本質なのかを聞くことができずに、新たな人材を企業が手放してしまう、人材を活用できないというのは、日本全体を停滞させます。
相手の話を聞くという「アクティブリスニング」はこういった社会問題を解決させることにもつながるのです。
せめて、家庭ではアクティブリスニングしてあげたい
残念ながら、ブラック企業、パワハラ上司、長時間労働、虐待という言葉を聞かない日はありません。
なかなか、そういった問題を仕組みから変えることは難しいと感じたりもしますが、そんなニュースを聞くたびに、せめて、自分の大切な子どもたちには、私がアクティブリスニングをしてあげたいと思うのです。
学校や職場など、家の外で頑張って過ごしている子どもたちが、何か話し出したときには、冒頭のパパさんのように、「説教まがいのアドバイス」をせずに、寄り添ってあげたいです。
そういう家庭が一つ、一つと増えることが、社会問題を解決する小さな一歩につながると感じます。
苦しくつらい子育てから抜け出し、家庭を安全基地にしたい方へ、情報を更新しています。
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