「ランダム・ウォーク」では語れない規則性のはなし
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僕の近しい関係である
男性がいる。
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彼は、株は「読むことはむつかしい」と
極端に否定的に眺めている。
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それは、
自分にとって
株式市場への警戒心を増し
積読する本を5冊ほど積み上げることになる。
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株式市場を
大局的に大胆に捉えて言うならば
「ランダム・ウォーク」である。
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つまり、
酔っ払いの千鳥足のように
どこへ行くのか読むことがむつかしい。
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ただ、
市場の長い歴史と同様に、
程遠いほどの研究の歴史もある。
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そこで、
わかっている
確かな事実がある。
それが
「モメンタム」と「リバージョン」である。
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ざっくり言うと
「モメンタム」は「勢い」のこと。
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「リバージョン」は「平均に戻る」ということ。
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「モメンタム」を詳しく言えば
株価が上昇した翌日も
上昇が続く確率の方が、
下落する確率よりも
わずかに高いということ。
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(もちろんだれど、逆もまた然り)
コレは、
市場の波を
短期間で捉えた場合に起きる
法則のようなモノ。
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自分の会社の
取引先のはなし。
その取引先の
とある製品は、10年間に平(なら)すと
約2万個出ている製品がある。
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その製品が
次の月に出るかどうかを
最初に出てきた
自分に近しい関係の男性に尋ねると
「わからない」と
答える。
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それは、
思考することから逃げているのか、
はたまた
そう考えることで、
極端な予防線を張ろうとする。
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こうなると
身動きが取れず
予防線だらけの、
信号機だらけの、
赤信号だらけの
安全だけど、住みづらい環境になってしまう。
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漠然と2万個の注文がくるであろう
確率を考えてみると
その波の中で考えれば、
3万個出た次の月は
0になりづらく
また、1万個が続く数ヶ月の次は
3万個にはなりづらい。
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そこで
次の話に移る。
「リバージョン」
平均に戻る。
すなわち「平均回帰性」である。
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S&P500の100年間
(1900年〜2000年)
のリターンの数値は
6.7%に回帰する。
エルロイ・ディムソン
『証券市場の真実』より
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いっとき10%近く調子の良い
トレンドを迎えれば、
それは長期的にみれば
また、勢いが落ち込み
6.7%を境に
さらに下回り、
また、平均である6.7%に浮き上がる。
コレを200年間という長い歴史の中
いったりきたりを、
繰り返している。
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コレは、
自分の会社の製品を
さっき話をしたが
それらとほぼ
同じようなことだと思う。
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なんの意図も他意もない
毎日のシンプルな数値の記録は、
長い目で
とても大きな仕事をする。
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アイザック・ニュートンではないけれど
巨人の肩に乗るということは、
多くの場合において
大切なことだと思う。
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