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論文の見た目とか体裁をどこまで気にするか

昨日のTXP勉強会ではAJRCCM(集中治療のトップジャーナル、通称ブルージャーナル)のin pressの論文を紹介してもらいました。発表者の先生は論文の見た目に拘る派で、どうやって綺麗な図表を描くか、なども見て自分の研究に生かしているとのこと。すごい。

僕もどちらかというとそのタイプで、図表が汚い・雑な論文が回ってくると「どうせ中身も適当だろうな」と思ってしまうのですが、今回紹介してもらった論文は、割と図が雑…という。日本で一番ICU系の論文を書いているであろう某先生もこの辺気にしないよね、と笑。良い雑誌だと図表は先方が書き直すのですが、査読者がどう思うかは別です。

それなりに有名な医学誌に出すなら細かいところまで気にするのが普通で、大事なのは中身だと言っても体裁が整っていなければ、そもそも見てももらえないと思います。それは人も同じで、TPOというか、例えば自分が好きな人と初めて食事に行くとなったら気合の入れた装いをするのと同じ?じゃないかと。「人は見た目が9割」なんていう本もありますし、研究も見た目が綺麗ならとりあえず見てみようかという気持ちも湧きます。

自分が査読した側でメジャーな雑誌だと、四大誌やLancet姉妹誌、救急集中治療系のleading journalsなどの経験がありますが、アクセプトされる論文はやっぱり読みやすいし綺麗で、自信が漲っています見た目綺麗だけど「線の細い」論文はウケが悪いことが多いように思います。めちゃくちゃ(死語らしい)感覚的な話ですが、分かってくれる人はそれなりにいるはず…多分….

自分が指導者としてメンティーの書いた論文を読むときや、査読をしていて「研究者として当たり前の体裁」なのか「個人のこだわり」なのかを考えてみると、

  • フォントやフォントサイズがバラバラ → コピペを疑うのでアウト

  • 図のフォントが読めない → 一番大事な図に力を入れてないのでアウト

  • 誤字脱字 → ある程度は生じるが、多い場合はアウト

  • 論文のスタイル → 流派・出版社の問題なので統一されていれば良いが、あまりに典型から外れると、大丈夫かな?と思う部分はある

  • 表現 → 用語が正しく使われているかは非常に気にするけど(正しく使えていない研究の中身が妥当とは思えない)、細かいのはスルー

  • 引用文献 → 書き方は統一して欲しいのと、reviewばかり引用されると、ちゃんと調べているのか気になる

  • 表に罫線がたくさんある → これだけで判断しないけど、見苦しいし好きじゃない

スタイルとか表現は流派もありますし、全体として筋が通っていればまあそれで良いと思っています。Minorコメントをどこまで書くか?に関しても、細かい点まではほとんど書いていません。面倒だし、そこは個人的なこだわりの部分だったりするので。でも、基本的なお作法が統一されていなかったりすると、心のどこかで減点している自分はいます。

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