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MFAの課題から:『歩きスマホを減らすには?』

これが授業の一番最初の課題でした。

『そんなの僕らが思いつくようなレベルのアイデアでなんとかなるなら、とっくに無くなっているのでは…』

と思いましたが、社会課題を解決するためのアイデアを出して形にすることが大事という事でした。何事も練習、練習。

確かに臨床研究も同じで、細かいテーマは決まっても、もっと大きな視点で考えることは少ないなと思いました。つまり、「なぜその研究が必要なのか?」の部分をどこまで遡って広く考えられるか。例えば集中治療は患者さんのためにあるから、生存予後からlong-term QOLにアウトカムが変遷したのは納得。ちなみに別の課題のテーマは『社会的弱者』と、まさに医療と直接関わる部分でしたので、また改めて紹介します。
※なんで急にMFAに通ってるのか?という記事はこちら。

課題に際してはいくつか条件が提示され、そのうちの一つはAppleに対して提案すること、でした。つまりクライアントはAppleなので、彼らの思考やブランドも考慮しないといけません。

考えるべきことは下記です(一部だけ出しています)。
・Client:Apple
・Target:誰がターゲットか
・Background:このプロジェクトを行おうと思った背景
・Mission & Goal:このプロジェクトのミッションとゴールは何か?
・Core Idea:中心となるアイデアは何か?
・Execution:実際にどうやって実行するか?

研究費申請や臨床研究のアイデア出しみたいですよね(本質は同じだと思いますが)。
よかったら気分転換に目を瞑って5分考えてみませんか?
皆様だったら歩きスマホを減らすためにどんなプロジェクトを考えるでしょうか?



ポク…



ポク…



ポク…



チーン


僕が最初に出てきたアイデアは「歩きスマホを感知するアプリ」の開発でした。歩いている時にスマホをいじっていなければポイントが貯まって買い物ができるとか、仮想通貨が貯まるとか。最近は歩行センサーも鋭敏だし、ポケモンGOやドラクエウォークみたいな要素を取り入れたりとかできないかなとか。とりあえず形になりそうなので、これで授業指定の用紙を埋めてみました。

…課題、これで良いのだろうか…

妻にどう思うか聞いてみたところ『うーん、あまりピンと来ないかな』と。やっぱりと思ってたら、子どもが何の話をしてるの?と聞いてきたので「歩きながらスマホを使ってる人いるでしょ。ああいう人たちがどうやったら歩きスマホを辞められるかアイデアを考えてるんだ。」と伝えたところ、

子:『あ、パパみたいな人ね』

ほんとうにすみません。

そんなに触っている覚えはないのですが、SNSとかしてるかもしれません…。たまに。子どもはよく見てて怖いですね。

そして『面白そうだから私も考えてみる!』と言ってしばらくの後に出てきたのが下記。

筆者の子どものアイデア

子どもには何もアイデア言ってなかったのに発想が全く同じ、つまり自分は小学生レベルの発想だったということに衝撃。
むしろ、ポイントのための資金を集めているあたり自分よりレベルが高い。

ちなみに類似アイデアは同級生にもあったのですが、あまり評価されていなかったようです。それだけ陳腐で誰もが思いつくものであり、おそらく誰かがやったけどうまくいっていないという事でしょう。

そもそもなぜこれをAppleがお金を出してやらないといけないのか?Appleからしたら歩きスマホをしている人はむしろヘビーユーザーであり、良いお客さまかもしれない。でもブランドとしてはそういう訳にはいかないから、そこをどうやって解決できるか?が大事なポイントの一つ。

ちなみに歩きスマホの理由で最も多いのはなんでしょう?

僕はSNSやゲームかなと思ったんですが(完全に自分の経験への思い込み)、地図アプリだそうです。上記を見て分かる通り「歩きスマホ」と一括りにしてもダメなので、誰をターゲットにして、どんな背景があるのか、を考えないとだめ。臨床研究も同じ。患者を一括りにするんじゃなくて、その中のheterogeneityを考慮しますよね。

同級生の発想は自由で、面白くて、非常に参考になりました。本当に良かったアイデアは、実行に移しているのもあって内容は書けませんが、社会として取り組むには?をどれだけ意識できるか。そしてそこにインパクトとオリジナリティがあるか。あと芸術大学だけあって、プレゼンの図のクオリティが高い…見ただけで「あ、面白そう!」って分かるの大事なんですよ。マジでパワポでちょっと〇〇しただけの図が恥ずかしい(まあでもそういう仲間を探して一緒にやるのが大事)。

最後に、同級生に教えてもらった大事な点。
・プレゼンは相手の立場を想定する
・一目で分かる美しいビジュアルと内容にする
・セールストークは3つに絞る

なぜなら聞き手は一瞬で内容に判断を下すから。
多分どのジャンルでも同じこと言われてるんですが、分かっていても実行するのは難しいですね…。

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