Breakin' ブレイクダンスの話【Part3】
【Part2】の続き
ニューヨークサウスブロンクスの路上に集まり
自宅に有るアナログ盤レコードとターンテーブルを持ち寄り
音楽を流してパーティをするブロックパーティというものが
ヒップホップ文化の始まりです。
この時に2台のターンテーブルの音を混ぜて
リズムのタイミングを合わせて切れ目なく
音楽を流し続けるとパーティが盛り上がるという事に着目し
この技術向上に特化されて生まれたのがDJ(ディスクジョッキー)です。
ところがなぜか曲を繋いでいくうちに歌の部分をカットして
イントロや間奏やエンディング部分だけを流して繋げたほうが
ダンスが踊りやすく盛り上がるという事で
二次創作的に新しい音楽が生まれました。これがブレイクビーツです。
ブレイクビーツで踊るダンスだからブレイクダンスな訳です。
ブレイクビーツには歌がカットされているので
そこに即興で歌詞をつけて歌うのがMC(ラップ)の始まりです。
ブレイクビーツはイントロのパーカッション部分等を
取り出し手繋げたものが多いです。というのも違う曲を切れ目なく繋げる際
テンポを合わせるためにターンテーブルの速さを変えて揃えたりする訳で
調性が有るとうまく繋がらないので、調性のない部分が選ばれたからです。
そこに即興で歌詞を乗せて歌うとなるとやはり調性は希薄になり
リズムに特化した歌唱になります。ラップにメロディが排されていくには
このような背景があります。
しかしヒップホップは音楽ジャンルではなく
更に言うとブレイクビーツも音楽ジャンルではなく
あくまで二次創作です。そんなにアリなの?自分で創作していない音楽?
という疑問は有るかと思います。しかしブレイクビーツによって
過去にオワコンとなっていた楽曲の再発掘と再評価が進み
結果として元ネタの製作者にも収益が入る事で
Win-Winの関係が成立していました。
更に貧困の中から生まれた文化なので、楽器を買うことも出来ず
高度な音楽教育を受ける事も出来ず、メロディやハーモニーの要素を
学ぶ事が出来ない環境でも音楽を楽しみたいという
純粋な気持ちから生まれた、リズムに特化した音楽文化という
背景を考慮する必要があります。
元ネタに使われた音楽が非常に重要になります。
元ネタに使われた音楽について次回書いていきます。
【Part4】に続く
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