【エッセイ】わたしの担任

小中高と、同級生となかなかうまくいかなかった。
たぶん原因は私にあったのだと思うけど、関わる人を増やせば、何か変わるかもしれないと思って、傷ついてもいろんな人と関わることを諦められなかった。

そういう私がもらった言葉がある。
「あなたには天性の人懐っこさがあるよ」

高校生の私はそんなきれいな言葉では形容できない状態だったと思う。
むしろ「うざい」というくらいが適当だったはずだ。
それは、客観視に長けていた担任から見てももれなく同じだったはずだ。
そんな状態の私を、その人は「人懐っこい」と形容した。

心底うれしかったよ。
あれほど肯定的な言葉に、これから先出会えるのだろうかってくらいに。
そして、彼女の努力を感じた。
他人を受け入れるための計り知れない努力を感じた。

彼女は努力の天才だった。

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