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コンテナネイティブ仮想化テクノロジー:Red Hat OpenShift Virtualization

記念すべき1回目の記事です。今の会社にいるとどちらかというとアプリ/ミドルウェアに関連してお客様と会話していくことが多いのですが、今回は、”ど”インフラの仮想化ソフトェアの話をしていこうと思います。


最近色々賑わせてる仮想化領域

最近ネットやニュースで取り上げられている仮想化ニュースといえば?
お察しの通り、「2023年11月22日BroadcomのVMware買収完了」ですね。
VMwareは、ストレージ企業であるEMCがVMwareを買収され、エンタープライズ領域でも複数の物理サーバリソース(CPU、メモリetc)を集約する仮想化マーケットを確立し、リードしてきました。一時代を築いてきたVMwareが買収されたというのは、非常に感慨深いです。

VMwareのユーザでもなんでもない私にとっては、「感慨深い」とか言って感傷的になっていればいいのですが、VMwareを使用しているユーザ企業にとっては、他人事じゃないと思います。
今後製品展開がどのように変わっていくか、ライセンスの費用はどうれくらい上がるのかなど、ヤキモキされている現場担当の方も多くいらっしゃると思います。
これまで、仮想化ソフトウェアは、VMware一択と考えている企業も「二重ベンダー戦略」を取らざるを得ない状況になって来ました。

そこで、今回お伝えするのが、Red Hat OpenShift Virtualizationです。VMware領域が全てなくなるとは運用面のリスクから考えてないと思いますが、「二重ベンダー戦略」の1つとして考えて貰えればと思います。

Red Hatの仮想化:Red Hat OpenShift Virtualization

端的に伝えると下記が伝えたいポイントです。

ポイント①:コンテナ運用管理へ進むための第1歩
Red Hat OpenShift Virtualizatioは、CNCFサンドボックスプロジェクトであるKuberVirtをベースにしたコンテナネイティブ仮想化テクノロジーである。簡単に言ってしまえば、Kubernetes(OpenShift)上で、仮想マシンを稼働させ、コンテナ管理するごとく、IaC(YAML)で仮想マシンを管理すると言った「これまでの仮想化管理とコンテナ管理の中間に位置する」ソリューションと考えて貰えればと思います。
運用管理方法もこれまでの仮想化管理と異なってきますが、今後コンテナ運用を見据えた取り組みをしたいという方々に取っては良いFirst Stepになると考えます。
Red Hat OpenShift Virtualization自体は単体でのサブスクリプションはなく、OpenShift(ベアメタル版のみ対応)のサブスクリプションで利用ができます。
詳細な内容に関しては、赤帽エンジニアブログであがっておりますので、参照ください。
OpenShift Virtualization(Kubevirt)でVM管理もCloud Nativeに (1)
OpenShift Virtualization(Kubevirt)でVM管理もCloud Nativeに (2)


コンテナネイティブ仮想化テクノロジーの位置づけ


ポイント②:無制限の仮想Red Hat Enterprise Linux(RHEL)ゲストの権限が含まれてる
意外に知られていないのですが、OpenShift Virtualizationには、無制限で仮想RHELを展開する権限が含まれてます。
下記ケースの場合、OpenShift Virtualizationへの移行を考えて見ても良いかもしれません。
ケース:本番では契約したRHELを使用しているが、開発/検証環境はコスト削減のため、コミュニティ版のLinuxを使用している。
よくこのように使用されているお客様いらいっしゃいますが、結局本番と開発/検証の環境やコミュニティ版Linuxの対応によって悩まされていいないでしょうか。
OpenShift Virtualizationを使用することで、これまでハイパーバイザーに係る費用で、RHELまで使用することができ、環境差を最小限にした運用管理を実現できると考えます。

Red Hat OpenShift Virtualizationの向くところ/向かないところ

OpenShift Virtualizationは、海外で大規模に使用している実績もあり、日本国内でもまずは開発/検証環境からといったお客様も徐々に増えているが、話題にもなっているVMwareと比較すると不足している部分もあります。もちろん、今後の機能拡張によってできることが増えていきますが、現状はある程度照準を絞った形で使用していくことをお勧めします。
ざっくりとしては、現段階(2023年12月)では、下記の方針で検討されるのが良いかと思います。

向くところ

  • 計画的であればシステム停止が可能。

  • 特別な要件がない一般的なレガシーアプリケーション(例:アプリケーションサーバ、Javaアプリケーション、Windowsアプリケーション、データベース)

  • 今後、マイクロサービス化/コンテナ化に分割していくことを検討している仮想マシン

  • RHELが多く利用されている

向かないところ

  • システム停止が不可能。 →現状VMwareのようなStorage vMotionやサーバリソース(CPU/メモリ)のオンライン拡張はできず、リーブートが必要となる。

  • Oracle DB → Certifiedされていない。恐らくOracle社がCertifyすることはない。

  • SAP HANA → Certifiedされていない。

まとめ

本日は、Red Hat OpenShift Virtualizationについてのポイントと向くところ/向かないところを簡単にですが紹介しました。
私の感覚ですが、Red Hatとしては、VMware/vSphereを全てOpenShift Virtualizationに置き換えて行くと言った大々的な形をとってるのではなく、あくまで、システムのモダナイゼーションの一端を担う機能の1つとして提供していると思います。
「VMwareに比べ機能が不足」と文中でも述べましたが、仮想化環境を運用管理していく上でのコアとなる機能はほぼ揃っていると考えますので、今後の仮想化環境の1つのオプションとして考えて頂けたら幸いです。

※初めてということもあり、読み苦しい点合ったかと思いますが、最後まで読んで頂き、ありがとうございました。


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