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私の好きなアーティストの話

この山羊というアカウントでサッカー以外についてお話するのは初めてです。
たまにはこういうのもありかと思いましてね。
私は倉敷保雄さんを非常に尊敬しているのですが、あの方はサッカーだけでなく様々な分野に関心を持ち、それを独自の視点で分析、記述しています。理想的な「作家」の一面だなと関心が絶えません。

ということで私も好きなアーティストのお話を。もし興味がおありなようでしたらこの後もお付き合いいただければ幸いです。

皆さん、ファンタジーはお好きですか?
突然質問してしまいすみません。
おとぎ話、童話、神話、、、現実ではない世界のお話って年を重ねても何か惹きつけられるものがありますよね。不思議ですね。私もおとぎ話が好きな1人で、「もしもこうなったら」「私がここにいたら」なんて考えることの楽しさは、何事にも代えがたい、幸せな時間です。
人々がディズニーに魅力を感じ続ける(私もディズニーのことが大好きなのですが)のも、ファンタジーにある魅力、ある意味の誘惑なのかもしれません。

前置きが長くなりました。そう、今回は私の好きなアーティストのお話。私が好きなアーティストは沢山いるのですが。笑
その中でも1番好きなアーティストはSEKAI NO OWARIです。まあ、先ほどファンタジーについてのお話をした時点でなんとなくわかってしまった方もいるとは思いますが。そうです、私はSEKAI NO OWARIが大好きなんです。

きっかけは単純なものでした。中学校に入学した直後、隣の席になった女の子がSEKAI NO OWARIを勧めてくれたのがきっかけでした。
私は小学生のころからピアノを習っており、音楽には非常に関心を持っていました。しかし、好きなアーティストはいなかったのです。
強いて言うならば家族の影響で嵐の曲はよく聞いていましたが。

そんなこんなで聞き始めたSEKAI NO OWARIの虜に私がなるのには多くの時間は必要なかったのです。女の子に教えてもらった
「Dragon Night」「RPG」「スノーマジックファンタジー」の3曲を、買ってもらったばかりのスマートフォンの音楽アプリで聞いてみました。それはもう何とも言い難い独特の世界観。そして何より、歌詞からその「シーン」が連想できることの嬉しさ。音楽と私が繋がっている!そう感じることの出来た私は、そこから一気にたくさんの曲を聴きました。「RPG」を聞いた時、感動して涙が出そうになったのを今でも覚えています。

それから、新しいシングルが出るたびに沢山、沢山聞きました。アルバムが出たら貯めていたお小遣いで買ったり、ライブ映像を沢山見返したり、今までの人生の多くの部分を音楽に費やしてきました。(と言っても自分がやるわけではなく「音楽を聴くこと」に限りますが)J-POP、K-POP、洋楽、アイドル
沢山のジャンルに触れてきた今でもSEKAI NO OWARIを聞き続けている理由はまさに彼らだけの持つ独自性に強く惹かれているからでしょうか。彼らは自分たちで作詞・作曲を行っています。彼ら4人だけの空気感、それが曲にも強く表れています。つらい、長い下積み時代を経験したからこその力強さ、メッセージ性の強さも彼らの魅力です。

私は
「ピエロ」「error」の2つがSEKAI NO OWARIの曲の中でもかなり好きな曲です。

まずは「ピエロ」
これはサーカスに所属するピエロのお話。
ピエロに対して問いかける、話しかけるような歌詞が印象的です。会話を歌詞にするということはかなり難しい(歌うときに感情を乗せなければいけない)のに完璧に表現されています。君は頑張っているから、と心配はあるけれども敢えて深く干渉することなく「応援するよ 頑張って」とこのフレーズを送ることがいかに難しいか。良心に従って深く干渉しようとするとかえって関係が悪化してしまう。人間とはそういう気難しく、自己中な生き物であると改めて気づかされる。でも、「僕」と「ピエロの君」の関係性は素晴らしく、何物にも代えがたいものなのです。

そして「error」
この曲は「戦争」「争い」を題材にしています。戦うの為に”作り出された”主人公が守るべき「女性」を見つけ、彼女との生活や日常を経て人間らしく変化していくというストーリーです。


上官はいつも僕に言った 「誰かを愛しちゃいけないぞ。守るものがあると自分が弱くなるからな、強い男になるんだぞ。」

SEKAI NO OWARI error

この歌詞では「人間らしくあること」を否定しており、戦争で戦う人々が人間ではなくなっていることを描写しているものであると考えています。この曲のタイトル「error」とはどのような意味があるのでしょうか。軍事用のロボットとして、人を傷つけるために生まれた主人公は「君」に出会ったことによって「誰かを愛する」という感情が生まれたのです。ロボットが人間になる、感情を獲得した瞬間でした。禁断の恋とされた二人の恋は”まるで人間のカップル”のようでした。
そして、

夜空に容赦なく降る銃弾 弾が当たった事なんかなかったのに
腕の中にいる君を見てわかったんだ 僕は君の家族になりたかったんだ

SEKAI NO OWARI error

遂に愛する人を見つけた主人公は戦いにおいて被弾。これ彼が”弱くなった”ことを意味しています。「僕は君の家族になりたかったんだ」という歌詞から、恐らく腕の中にいる愛する女性が亡くなってしまったのではないでしょうか。(正解はわからない)

そして曲の最後に

僕は戦うために作られた 軍事用ロボットとして生まれた
沢山の人を傷つけて、勝つたびに褒められた

SEKAI NO OWARI error

と、曲のはじめと同じ歌詞が使われています。
複数の捉え方が出来るこの曲の終わり方。
女性に弾が当たって死んでしまったのであれば、主人公はもう一度自分を捨てて「軍事用ロボット」として戦い続けなければいけないという思いとも考えられるし、自分に弾が当たったのであるとすれば、愛する女性を守るために、もう一度戦おうと決心しているとも取れるのではないでしょうか。

SEKAI NO OWARIの楽曲は聴く人に問いかける、メッセージを投げかけるものが多く、その問いに対する答えは明確になっていないことが多くあります。それはその後どう考えるかは聴いてくれる人々次第である、というメッセージが含められているのではないでしょうか。

彼らが、Fukaseが自身が置かれた現状を「世界の終わり」だとし、そこから這い上がろうともがいていたころを思い出し、明確な答えが見つからない中での努力やSaoriNakajin、DJ LOVEとの「4人で創り上げる物語」を書き上げる中で生まれたものだと私は考えています。

昨年「Habit」という楽曲が社会現象となり再脚光を浴びているSEKAI NO OWARIにはこれからも目が離せません。

Fin.

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