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ニンジャスレイヤーTRPGソロリプレイ:「ア・ニンジャズ・カー」

◆前書◆ドーモ、Tac.Tと申します。この記事はTwitter上で独自に実施したニンジャスレイヤーTRPGのソロプレイを、少々の加筆修正とオリジナルのストーリーを加えて公開したものです。◆よく分からない方は、ダイスを振って展開を決める、ニンジャスレイヤーの二次創作とお考えください。◆生存◆
◆前書◆このシリーズはニンジャスレイヤーTRPGを、キャンペーン方式で独自にプレイし、文章化するという試みです。今回はシャープエッジの以前のソロシナリオからの続きと言いますか、なんと言うか、まあアレです。単発のギャグ回みたいなものとお考えください◆生存◆



◆番外編◆#STILLALIVE_NJSLYR◆本筋には一切関係ない◆


シャープエッジはネオサイタマの巨大ヤクザ組織であるソウカイ・シンジケートの構成員、いわゆるワカモノだ。彼は連絡を受けトコロザワ・ピラーの正面玄関で上司…ソニックブームの帰りを待っている。
「ええ…何で俺がこんな……」

ブロロロロ……。やがてエンジン音が近づいてきた。間違いない。ソニックブームの高級車だ。「おう。出迎えご苦労」車から降りたソニックブームは、シャープエッジに車のキーと数枚の万札を投げ渡した。「ドーモ……つまり」「良い小遣い稼ぎにはなるだろ、エエッ?カラテのワザマエが活かされるな?」

「いや……まあ……ええ」釈然としない!てっきりまたスカウト任務の手伝いを任せられると思えば、こんな雑用じみた事をさせられるとは夢にも思わなかったのだ!(いやまあ、言い出しっぺは俺だからするんだけどさ)文句を垂れたくなるのをぐっと押し堪える!

見ると、普段悪趣味なまでにピカピカの車体はどことなくくすんでいる。ネオサイタマ特有の汚染粉塵の影響だろうか。「途中の天気がやけに悪くてな。お前、クルマ洗っておけ。傷つけたら承知しねえぞ?」そう言うとソニックブームはトコロザワ・ピラー内へと歩き去って行った。相変わらず目の隈は深い。

「…………」返事も返さずにソニックブームの車を見る。黒光りするヤクザカマロだ。シャープエッジはこの車がネオン溢れるネオサイタマの街を猛スピードで駆け巡る様を想像した!「……ゴキブリめいてるな」フフっと笑う!笑ってないで洗え!シャープエッジ!クルマを洗え!


◆今回はラブサバイブ=サンのこのシナリオに挑戦していくぞ!◆


さて、洗車のためには洗車場までクルマを移動しなければならない。シャープエッジはヤクザカマロに乗り込む。……キーの差し込み口が分からない。「アレ?」ゴソゴソと運転席を探り、鍵穴を探す。背中にウインカーが当たる。「そもそもクルマの運転席なんて数年以来だぞ俺……」

ところで治安の悪いネオサイタマでは、高級車には高度なセキュリティシステムが搭載されている。盗難など目論めば即座に警備員が飛んできてヨタモノは棒で叩かれるのだ。ソニックブームの高級ヤクザカマロにももちろん導入されている。シャープエッジの鋭い肘が何かに当たり、唐突にガチャリと音がする。「?」その瞬間、ヤクザカマロのセキュリティは解除された!

[セキュリティ解除判定U-HARD:5,6,4:成功!]

「え?何?何今の音?」びっくりしたようにシャープエッジが辺りを見回す!キーすらまだ差し込んでいないのに……試しにアクセルを踏んでみる。動かない。「ホント何なの…」…数分四苦八苦した末に、ようやくクルマのキーを差し込む場所は見つかった。第一フェイズクリア。

問題はここからだ。シャープエッジはクルマを運転した事がない。否、数年前にメンターの勧めで教習所に通い、身分書がわりに自動車免許証を取ってはいるがそれきりだ。大体彼のニンジャ脚力はクルマより速いので、大概の移動はそれでどうにかなってしまう。「…」アクセルを踏む。急発進!「うおおっ!」

すかさずニンジャ脚力でブレーキを踏む!急停車!頭がクラクションにあたり小さく音が鳴る!「あ…危なっかしい……オノレクルマ社会……」小さく毒づきながら、今度は神経質なほど慎重にアクセルを踏む。ソロ〜リとヤクザカマロが動き出す……



「…ハァーッ!ハァーッ!許さんぞ!クルマ社会!」ヤクザカマロを転がして約5分、道中で他の車にぶつかりそうになること4回、クラクションを鳴らされること5回!近場の洗車場に行くまでにも何と神経を使う事か!「ヌゥーッ…やっぱり自動車講習を定期的に受けとけば良かった…」後悔先に立たず。ヤクザカマロを降りてみると、そこそこ汚れている。シャープエッジは腕まくりし、スポンジとホースを持つ!

◆ 初めに6面ダイスを1つ振り、出た目をマイナスとした値が初期の『洗車値』となる。今回は4が出たので『洗車値』は「-4」だ!
◆シャープエッジの今回のステータスは以下の通り。今回は万札は「5」持っていることにする。余暇も報酬も貰わないからSTILL本筋には影響しない!

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◆シャープエッジ(種別:ニンジャ,ソウカイヤ,いわゆる下っ端)
体力:5 精神力:4 ワザマエ:6
ソウル:近接武器系…ハガネの系譜



◆とりあえず…シャープ、車を洗う。体力2消費◆
◆【体力】を1支払い、【ワザマエ】で難易度:NORMALの判定を行う。【精神力】を消費する【精神力成功】もできる。◆

[ワザマエ洗車判定NORMAL#1:4,2,5,6,1,6 :成功数:4]
[ワザマエ洗車判定NORMAL#2:4,1,6,1,3,3 :成功数:2]

◆洗車度-2!ワザマエ6は伊達じゃない!◆

「……」一言も発さずに黙々とクルマを洗い進めるシャープエッジ。その両腕は確かに鍛えられたカラテに漲り、絞り込まれた筋肉を晒している。「…?」ふと、ホースのノズルのトリガーを握る。握る。…水が出ない。

[その時なにかがおこった!:1d6 = (5) = 5]

◆ホースから冷たい水が!アブナイ!難易度NORMALで【ニューロン】判定!◆
[ニューロン判定NORMAL:6,1,5 :成功数:2]

「!」シャープエッジのニンジャ第六感は何かを感じ取った!とっさにノズルを明後日の方向へ向ける!SHOWERRRRRSH!ネオサイタマの冬に冷やされた激流がノズルから噴出!「ワッ!冷てえ!」少々腕にかかるが、大したダメージは無い。「…………ハァー……」ため息をつきつつ、ノズルを予備の物に変え、シャープエッジはまたクルマを洗い始めた。

◆さらにシャープ、車を洗う。体力2消費◆

[ワザマエ洗車判定NORMAL#3:2,4,5,3,6,6 :成功数:4]
[ワザマエ洗車判定NORMAL#4:3,6,6,5,6,4 :成功数:5]

◆洗車度-2!これで洗車度は0に!やっぱりワザマエ6は伊達じゃない!◆
◆シャープの残り体力は1なのでまだ続きます◆


[その時なにかがおこった!:1d6 = (6) = 6]
◆ワオ……と言うことは、つまり……?◆


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「ドーモ。これ、余ったのですが………エ゙ッ、シャープエッジ=サン」「ム?ナヌッ!」シャープエッジが振り向くと、君の隣のスペースで洗車していたハッカーらしき女…ライトニングウォーカーが彼の前に立っていた。今の彼女は何故かPVCビキニ姿だ。その泡に塗れた豊満なバストが強調されている。

その瞬間、シャープエッジは以前彼女がソニックブームの体を「ウォッシング」しているというあらぬ噂を聞いたことを思い出し……彼女のその姿を見て納得した。「…あ〜〜〜〜」「な、何よ…」「…クルマ、洗ってたわけだ。カラダじゃなくて」「当たり前でしょ!?上司から頼まれた以上断りづらくて…」

「……ビキニナンデ?」「それは……体全体をスポンジめいて使った方が効率が良くなると思ったから…ヤメテ!」「アッハイ」ライトニングウォーカーの豊満に悟られずに這わせた右手を跳ね除けられる!「…せっかく美しい体を持っているのだから、そんな無碍にしなくとも…」「放っといてよ!もう!」

ぷりぷり怒った様子ではあるが、ライトニングウォーカーは手に持った小さなカゴを彼に押し付けてきた。「ハイ、コレ。もう使わないし、使うんだったら使ってドーゾ」「これは…」カゴの中には洗剤とワックス。「…感謝する。ありがたい」シャープエッジはその好意に感じ入り、彼女にオジギをした。

「………」ライトニングウォーカーは少々変な表情で彼を見る。「い、いや、そんなかしこまらなくても…」「ム?礼はすぐに言わねばシツレイだろ?」「いや…そうなんだけどさ」口を尖らせ、彼女はクルマへと戻る。炎めいて真っ赤なヴィンテージ物のクルマだ。「じゃあ、私は行くから」「おお。オタッシャデー」

出目:6
君の隣のスペースで洗車していたハッカーらしき女(何故かPVCビキニ姿だ。そのバストは豊満である)が『洗剤』と『ワックス(後述)』をくれる。2回目以降は出目:1と同じく何も起こらない。女は洗車を終えて去っていったようだ。
シャープ:「……さて。この機会だからやれるとこまでやっとくかな」
◆ワックスを手に入れたので車を磨くぞ!難易度は-1されてNORMAL!◆


[ワザマエ洗車判定NORMAL#5:1,1,1,1,1,1:成功数:0]

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◆………………!!!!!?◆


「…………………」ライトニングウォーカーから手渡されたワックスは、なんたることかほとんど空であった。彼女はそれと気づかずにシャープエッジに渡してしまったらしい……「…やっぱ怒ってんのかな」彼は頭を搔くと手を洗ってヤクザカマロの車内に戻り、再びソロリソロリと動かし始めた。


◆◆◆三◆🚗


シャープエッジはトコロザワ・ピラーへと、慎重にクルマを走らせている。……前方が妙に渋滞しているようだ。何事だろう?「…!?」「イヤーッ!」「ヒヒィーッ!」ナムサン!クルマとクルマの屋根を八艘飛びめいて飛び移る2つの影は、どちらも紛れもなくニンジャだ!

「グワーッ!畜生!こんな時に!」シャープエッジ、大いに慌てる!ナムサン、ただでさえ数年ぶりのクルマの運転だ!他の車にぶつからないようにするだけで精一杯というのに、ニンジャの戦闘に巻き込まれてしまえば、これまでの苦労が水の泡どころか、ソニックブームからも大目玉だ!

「イヤーッ!」「ヒヒヒヒィ!貴様ーッ!俺と一緒にジドリしたく無いというのか!?ンモウッ!恥ずかしがり屋さんなんだからッ!」「ダマラッシェーッ!イヤーッ!」バラクラバ姿のニンジャが、長い棒を振り回しつつ高笑いする!その先には…一眼レフ!「…なんだあの胡乱な…ウワッ!コッチ来た!」


◆運転が不慣れなので勝手に難易度+1したぞ◆
[回避判定HARD:5,2,1,2,2,6 :成功数:2]
◆それでも成功!やっぱダイス6はあると強いな……◆

胡乱ニンジャとソウカイニンジャとのイクサが、ソニックブームのカマロの方へと近づく!「イ…イヤーッ!」シャープエッジはなんとか急旋回!激しくハンドルを切り、イクサを回避!ナムアミダブツ!

「ウワーッ!」パパーッ!クラクション音と共に急旋回でバランスを崩したヤクザカマロが、先行車に追突しそうになる!「ヤッベェ!」急ブレーキ!間一髪急停止!前方から飛んでくる怒号!「テメー!気を付けろや!」「スンマッセン!」怒号めいた謝罪で返す!「………ンモーーー!何だ!一体!」

シャープエッジが振り向くと…ニンジャ達は君を気にすることもなく……いや、バラクラバを被ったニンジャは一瞬、シャープエッジを扇情的な目つきで見たような気もするが……ともかく、カラテラリーを繰り返しながら跳び去っていった。「………」何と無く寒気を覚えながら、シャープエッジはカマロを走らせる…



◆結果:洗車度0、貰えた万札は手間賃の三万のみ。◆
◆さっきのあの出目はなんだったのだ…◆

トコロザワ・ピラー!シャープエッジがヤクザカマロに乗って戻ってくるのを、ソニックブームが待ち構えていた。「ずいぶん遅かったじゃねえか、エエッ?」「ド…ドーモ…」汗だくになり、疲労困憊といった様子で車から這い出る。それを見下ろすソニックブームの眼は先ほど以上に深い隈に覆われている。

「で?俺のクルマはちゃんと洗えたんだろうな?」ソニックブームはカマロの天井を人差し指で擦る。それなりに良い音がした。「…フン、まあ及第点ってところか?」「ドーモ……」「で?テメエ、何でそんなザイバツのニンジャどもと連戦してきましたって顔してんだ」「いえ…」


数分後、シャープエッジは手間賃を片手に、よろめきながらトコロザワ・ピラー内を歩いていた。「……?」向こう側から、古代ローマカラテのジュー・ウェアを身に纏ったニンジャが歩いてくる。思わず彼はアイサツした。「…ドーモ、シャープエッジです。あなたは先ほどの…」「ン…?ドーモ…」

アーレアヤクタエストと名乗ったニンジャをよく見てみると、所々装束が破れ、彼自身の表情にも目に見えて疲れが見えていた。「先ほどの…とは?」「路上でイクサしているのを偶然見まして…あれこそが古代ローマカラテ…」「ハハ…あんな胡乱存在相手に全力を出したくはなかったがなァ…」

「なんかカメラがついた棒を振り回してましたが」シャープエッジの不思議そうな顔を見ると、アーレアヤクタエストは眼を瞑り、ゆっくりと語り出す、「奴の名はジドリマン。ネオサイタマ各所に突如としてフリークアウトし、遭遇したニンジャと自撮りをして去っていく、らしい……狂人だ」「狂人」

「なんでも、自撮りをされたニンジャはその後謎の失踪を遂げるか、不幸に見舞われて死ぬらしい」「マジモンの都市伝説じゃないですか」「……俺は撮られた」「ああ…」ナムアミダブツ。シャープエッジは両手を合わせようとするのを堪えた。「しかし実際奴とのイクサは疲れる…奴の身のこなしは素早い」

「素早いんですか」「ウム。体躯に似合わず恐ろしく素早い」……二人はトコロザワ・ピラー内を歩く。「それで…ソニックブーム=サンのクルマに乗ったんだってな」「ええ…まあ…」「……乗り心地は?」「いや、もうクルマ自体こりごりです」「あ…そうか…」


◆◆◆


その数分後!ソニックブームのヤクザカマロは夜の街を駆け抜けていた。仕事終わりのノミカイなどでは無く、やはりというかスカウト部門の仕事がまだ残っていたからだ。ソニックブームは路肩にヤクザカマロを止めると、ヤクザクランの事務所の中へと消えた。……その時である。

「ゼェーッ!ゼェーッ!」コートに鍔広帽子、丸ゴーグル姿のニンジャがヤクザカマロの近くへと現れた。「ックソ…!」その体からはおびただしい量の血が流れている。手負いであろうか。「イヤーッ!」後ろからスリケンが飛来し、彼の体をかすめてヤクザカマロに突き刺さる!「…しゃーねえ!」

コートのニンジャはヤクザカマロに乗り込み、アクセルを全開にして走り去る!幸運なことに……セキュリティは解除されている!「さあ、追ってこい…!」両腕をテッコに置換したニンジャは去っていくヤクザカマロを見とがめると、スプリントを開始する!テッコの肩にはザイバツ紋!「オノレ…逃すか!」


…二十分後!ヤクザカマロはタマ・リバーの橋の上へと放置されていた!そこに近づく一つの影…「おやおやぁ…?」河川敷に住むホームレス探偵ニンジャである。その名はダンプスターダイバー!「良いねえ…きょうはツいてる」セキュリティが解除されているので、後部のトランクも容易に開いた。

数分間彼はカマロの中を探り、役に立ちそうなものだけ掠め取ると、その状況と座席にベットリとついている血からある人物の影を感じ取った。「全く…アシアトの旦那も無茶ァしやがる……」ついでにカマロでそこら辺を一回りし、彼は適当なところにカマロを路上駐車した。


「ハァーッ!ハァーッ!許さんぞ、ふわふわローン!」十数分後!オオヌギ・クラスタージャンクヤードに止められたヤクザカマロに近づくもの有り!黒スーツに長い黒髪、背中にはギターケースを背負った女だ!凄まじくサケ臭い!「何だよォ二万の利子って!」ヤクザカマロを蹴り飛ばす!車体が凹む!

「痛ってえ……」女はヤクザカマロを睨め付けると、ギターケースから愛銃を取り出し、やたらめったらに撃ち抜いた!「でりゃあーっ!クソッタレー!」さらにヤクザカマロに乗り込むと、いまだ健在なエンジンを回して何処かへと走り去ってしまった!ナムサン!セキュリティは……もはや役に立たぬ!


……………


…翌日のことである。ソニックブームは、トネ・リバーに浮かぶ自分の愛車を見て途方に暮れた。




実際ミニゲームめいて楽しめた今回のシナリオと、何故かPVCビキニ姿でカーウォッシングしていたNPC:ライトニングウォーカー=サンは、ラブサバイブ=サン(https://note.com/rabsabaive)のご提供です。限りない感謝を!


◆◆◆
「ア、ドーモ。アベレージ=サ……なんなんですかその一週間ほど徹夜しました的な隈は」「ソニックブーム=サンが入院したツケが俺にも回ってきた」「ええ…お気の毒に」「それとアーレアヤクタエスト=サンが失踪した。行方を知ってるか?」「アッ」
◆◆◆

もうクルマなんてコリゴリだ!

「ア・ニンジャズ・カー」

【To Be Continued…】


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◆終◆最後まで見ていただきアリガトゴザイマス!◆

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