〈36〉ようこそ、くまちゃん！／お隣に新しい仔犬がやってきた！

お隣のYさんの愛犬とらちゃんが旅立って半年以上が過ぎた。ペットの散歩がなくなると、Yさんの外出も減ったような気がする。あんまり外で見かけなくなった。

3月も終わりがけのある日、Yさんから「くまちゃんです」というメッセージとともに写真が送られてきて、びっくり！何の生き物かわからないけど、なんだか懐かしい顔をした子が座ってる！

えーーーーっ！新しい仔犬がきたんだ！すぐにNさん（オット）に写真を転送して知らせると、「なんじゃコレ？」という返信より早いくらいの勢いで自宅へ帰ってきた。

はじめて会ったその仔犬は本当に小さかった。チンとヨークシャーテリアのMIXで、生まれて4ヶ月の女の子。Yさんの話では、近くのホームセンターで売れ残っていて、何度見に行っても可愛かったんだそうな。半額近くになっても売れ残っていたので、思わずうちの子にしたらしい。ちょっと前から、次の仔犬を飼おうと貯金してたんだって。やっぱり、とらちゃんを失ってすごーく寂しかったんだね。

くまちゃんはとっても人懐っこい。ぴょんぴょん跳ねながら、顔をペロペロなめてくる。おチビさんだから、抱きしめてもふうわり軽くて、ぬいぐるみより心細い。それでも元気だし、みんなに愛想をふりまくし、すでに愛されている。うちのNさんはもうデレデレだ。（私も）

ホームセンターのペットショップで売れ残っていたという身の上話だけで、Nさんも私も、もうダメだった。涙が出そう。なんとかわいそうな。暗い夜にホームセンターの小さなケージでひとりで寝ていたんだろうか、横の子が売れてゆくのをジトーッと眺めていたんだろうか、飼い主が現れる日を夢みていたんだろうか…。そんなことをNさんと話しながら、ふたりで泣きながら晩酌した。涙腺、弱すぎ。

感動を忘れないうちに残しておかなきゃと思って、この記事を書き始めたら、最新のくまちゃんの写真が送られてきた。あれれ、育ってる！　縦にビヨ〜ンと長くなった。お顔もちょっとお姉さんらしくなってきたし。もうYさんちの子になって部屋の風景に溶け込んでいるじゃない!?

Yさんには犬が似合う。そう、富士山に月見草が似合うように（笑）。Yさんの腕の中で、くまちゃんは居心地良さそうに大安心の顔をしてる。よかったね、Yさん！　私たち夫婦も、よかったよかった！　お隣で可愛い犬が育つ楽しみが、また帰ってきたよ！