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ロイヒつぼ膏のススメ

もうかれこれ5年以上の月日が経っただろうか。

あれはたしか雲ひとつない夏の日だった。

とあるボランティアで子供と遊ぶ機会があった。

夏場ということもあり水風船だか、水鉄砲だか、
氷だか、なにかは忘れてしまった。

記憶は定かではないが冷たい何かが背中に触れた。

衣類の上からではなく、地肌にだ。

防御力ゼロの地肌にだ。

子供のイタズラは時に残酷なこともある。

私は咄嗟の出来事に防御態勢を取ることもできず、
受け身を取ることもできず、
驚きと冷たさとそれから反射的に、

上半身を大きく後ろにのけぞらせる。

瞬間的に腰と背中と足の方に電撃が走った。

そして1ミリも動けなくなってしまった。

動かそうとすると耐え難い痛みが伴う。

ギックリ腰というやつだ。

たまたまその場にその手のことに詳しい人が居合わせたので応急処置的に施術を施してもらった。

ギリギリ歩けるようにはなったが、
歩くのもやっとだ。

そして翌日病院に行き、杖を買い貼り薬をはり、
そんな生活が続いた時期があった。


それからというもの時折腰に痛みがはしる。
そして一歩間違うとギックリといってしまいそうな瞬間が幾度となくあった。
しかし、幸いなことにあれからまだ一度もギックリとはいっていない。

しかしある程度の腰の痛みは残っている。

時期によるものなのか、気温によるものなのかは分からない。

処方されたものや市販の湿布なども試したが、
あまり効果がなかった。

そして何年も経った。

何年も腰でお茶お濁してきた。

そんなある日のこと、

とある薬局でとあるおじ様と目が合った。

そう、ロイヒ博士である。


誰?


おそらく多くの方がこのリアクションだろう。

ロイヒ博士という名前なのかも分からないし、
ロイヒ博士と目が合ったというより、
特価で売られていた値札と先に目が合ったのだが。


何かというと湿布薬である。

レトロなパッケージにおじさまの顔が描いてある。

ロイヒ博士


そう、この顔。

出会ったことがあるだろうか。

私はこれが初めてだった。

そしてちょうど腰の痛い周期だった。

パッケージには「肩こり腰痛に」と記載があった。

ものは試しと、ロイヒ博士と帰宅した。



結論から言うと、めちゃめちゃに効く。


ぜひおすすめしたい湿布薬である。

なぜ今まで知らなかったのか不思議なくらいだ。

腰の痛みに唸りながらロイヒ博士を貼って眠れば、
翌朝には痛みは消えているのだ。

痛みの元を断つわけでもなければ、
症状の度合いにもよるだろうが、
めちゃめちゃに効くことは確かだ。

なので、感謝の意も込めて調べることにした。

ロイヒよ今夜もありがとう。


ロイヒつぼ膏とは、

ピッタリ技術で明日をつくっている
ニチバン株式会社の貼り薬である。

ニチバンは、セロハンテープやマスキングテープ、
絆創膏のケアリーブなどをつくる
テープ材を製造販売するメーカーだ。

そんなニチバンが出しているロイヒつぼ膏は、
肩こり、腰痛にズバッと効く、
温感刺激の丸型貼り薬だそうだ。

いかにも効かなそうな、
どちらかと言えば胡散臭げな謳い文句だ。

トウガラシ成分に似たノニル酸ワニリルアミドによる温感刺激で血行促進し、鎮痛消炎作用のある成分と合わせコリにピンポイントに効くのだとか。

テープ造りで培われた技術で剥がれにくく、
信頼の粘着力である。

効き目が良いが故か、
入浴の30〜60分前には必ず剥がすように注意書きがある。
貼っている場所がヒリヒリする事があるらしい。

これは体質や肌質にもよるのかもしれないが、
私は貼ってしばらく置いていたら普通に赤くなっていた。
痛みは取れたが赤くはなっていた。
すごい効き目に驚きを隠せない。
隠す必要もない。

すごいですよ。
肩こり腰痛にお困りの方はぜひ一度は試して欲しい。

ちなみに「膏」。
絆創膏の「膏」。
音読みは「コウ」で、
訓読みは「あぶら」「こえる」「うるおす」。
絆創膏でしか会わないよこの字。
一瞬読めないよね。
訓読みは知りもしなかったよね。

そんなロイヒつぼ膏だが、
ニチバンのロイヒのサイトに歴史も載っていた。

想像よりも長い歴史があった。
ロイヒブランドは1932年(昭和7年)に始まった。
戦時中には製造中止になっていたようだがニーズがマッチし人気だったようだ。

そして1989年(平成元年)に一部地域限定で
発売を開始した。
ここで「ロイヒ膏」から「ロイヒつぼ膏」として販売された。
時代の流れとともに枚数や大きさなども変わり無臭タイプやクールタイプ、鎮痛特化タイプなど広く展開してきた。
テレビCMをやっていたこともあるようだが私は見たことがなかった。ご存知の方もいるのだろうか?
現在はそれらが全国で手に入るようになっている。


感謝だ。


それから、ロイヒ博士は架空の人物のようだ。

ロイヒの名前の由来もあった。
現在のロイヒつぼ膏には含まれていないが
誕生当時のロイヒ膏の含有成分の、
「ロートエキス」「イヒチオール」の
頭文字に由来しているそうだ。
歴史あるロイヒの名を現在まで継承しているのだ。

また、ロイヒの歴史とともに
肩こり、腰痛の歴史についても記載があった。

歴史はとても古く、二足歩行を始めた人類の宿命と言われているらしい。


なんとも大層な話になってきた。


紀元前2900年ごろ栄えたとされる古代シリアの、農耕遺跡で発見された腰骨は変形していて、腰痛に苦しめられていたといわれているそうだ。

それが現在確認できる肩こり腰痛の起源だそうだ。



歴史の授業を思い出す。

人間が獲物を追う狩猟生活をやめ、重労働の農耕を始めて以降、急速に肩こり、腰痛が増え始めたと考えられている。

やはり全ての現象には理由があった。

その痕跡は世界各国にみられる。
中国北部の新石器時代の遺跡からは、
ツボを刺激することを目的とした鍼のように
尖っている石が発見された。

紀元前1000年頃のバビロニア時代では、
食用植物や水、シナモンの汁、牛乳などを
加えてペースト状にしたものを皮膚に貼り付けて使用していた。

紀元前4世紀頃のギリシアでは、
古代ギリシア医学の父、ヒポクラテスとその一派がシップ剤を作り出したと言われている。

当時は古代オリンピックが開催されるなどスポーツが盛んに行われており、選手の体の手入れのためにマッサージや、シップ剤等の外用剤が進化してきたようだ。


え?


古代オリンピックって?
紀元前にオリンピックってやってたの?
すごくないか?
知らなかったけど?


無知が露見される。


露見すると言うのが正しいのだろうけども、
ここではあえて抵抗虚しくな感じを出す為に、

無知が露見される。


と同時に、

芋づる式に知識が流れ込んでくる。
いつか、ネタにさせていただきたい。


いつかやろうは、、。

なんとやら、、。




本題にもどそう。


いや、戻さないでおこう。

この先も面白い歴史なのだが、ちょっと長い。
もう2000字超えてしまっているのでリンクを貼る。
気になる方はぜひ見て、読んで、豆知識にしていただきたい。


というか、最初からこれでよかったのでは?

と言う声も聞こえてきそうだが。

私は知っている。

これを仮に読んでくれた方々がそこまでしてリンクをクリックしないであろうことを。

だからあえて、少しその歴史に触れてみた。

少しでも興味が湧けば、読んでみようとなるだろうという希望的観測だ。

希望的観測って言葉が使いたかった。

ちなみにリンクに飛んでいただくと歴史がもうちょっと書かれている。

お灸やツボの発展。戦国時代の湿布。
産業革命、自動車の普及と肩こり腰痛の関係。
肩こりの言葉の由来は夏目漱石?など。

ちょっと気になる内容だ。

1分で読み終わるのでぜひ読んでみてほしい。

そして誰かに話したくなるはずだ。

製品情報も載っているのでお悩みの方はぜひ。


あと、これも重要なのだが、
貼り薬には注意が必要だ。
私は細かく説明書を読むタイプではないのだが、
ロイヒつぼ膏も例外ではないと思う。
1日何枚までという制限もある通りなのだが、
貼りすぎると良くない。

貼り薬も有効成分が皮膚から血中に入っていき、
効き目が出るので経口摂取の薬と同じらしいのだ。
なので貼りすぎると胃などの臓器にも負担がかかる場合があるみたいだ。

用法容量を守って使っていただきたい。
出来れば説明書もしっかりと読んでから。

今回はススメなので得るべき教訓とかはない。
ちょこちょこと何かあれば、
ススメも書いていこうと思う。

ロイヒつぼ膏のススメ。

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