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【19冊目】武器としての資本論 白井聡

1 資本主義:労働力と土地の商品化
・共同体⇒資本家と労働者の関係に(商品交換=後腐れのないやり取り、自由な取引)
・生産手段と労働者の分離:自給自足から消費財へ

2 新自由主義と終わりなき「包摂」
新自由主義:小さな政府、民営化、規制緩和、競争原理、上から下の階級闘争
⇒人は資本にとって役立つスキルや力(英語、会計学、自己啓発書)を身に着けて初めて価値が出てくるという考え方(生産、労働の過程だけでなく人間の魂も呑み込んでいく)
⇒教育の荒廃の原因は、教育の商品化(卒業証書、資格)によるものだ

3 商品の二重性:「使用価値(質)」と「交換価値(量)」
交換価値⇒資本主義社会で初めて発生する社会的属性のもの。
     抽象的人間労働の結晶
交換価値(量)は豊富になるけど質は最低に
生産力を爆発的に上昇させ、かつてない物質的豊かさをもたらしながら、その只中の貧しさを作りだす。

4 余剰価値が生産できないと資本主義は持続できない
特別余剰価値:高まった生産力によって商品を廉売することによって得られる利益。イノベーションによって獲得される期限付きの余剰価値。商品の現在の社会的価値と未来の社会的価値との差異から生まれる。
生産されたものの社会的価値が下がる=労働の価値の低下
とにかく余剰価値を生み出す必要があるが、イノベーションにも限りがあるため、労働者に長時間労働させ、人件費はカットされる。

5 新自由主義の打倒
新自由主義は、魂までもが資本に包摂された状態。
政治経済だけでなく文化にも根付いている。
人間の尊厳を取り戻せ。人間の基礎価値を信じろ。私達はもっと贅沢を享受していいのだと確信しろ。


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