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【アイデアノート改】第8話 ソーシャル結婚相談所

晴男はノーリスクプランを考えていた。
しかも、資金0円から始められるサービス。それなら失敗してもなんてことない、そんなことを考えていた。いつものように、ノートに書き始める。

 ー少子化
 ー結婚
 ー出会いがない
  ーお見合いパーティ → ☓
 ーSNS
 ーFacebook

 ー繋がり
 ー若者
  ー出会い系サイト → ☓
 ーリアルとバーチャル
  ー最近の若者は、携帯やネットで繋がってい  
 る
  ーコミュニケーションは文字
   ー昔でいう結婚相談所のSNS化 → 〇

結果が出たようだ。晴男は、出会いのない(消極的な)若者たちに向けて、ネットでのサービスに答えがあると決断したらしい。

でも、出会い系ではない。あくまでも、結婚相談所という立ち位置にこだわった。

既存の結婚相談所のサイトはいくらでもある。しかし晴れ男の仕掛けは、バーチャルとリアルの結合だった。

概要はこうだ。課金制会員制SNSを立ち上げる。そこに集まるユーザーは、独身の男女。
そして、メール、メッセージのやり取りは自由に行ってよい。ただし、実際に会ったりするのはNG。また、このサイト以外で、個人のメール等を公開するのもNG。あくまでも、管理者(晴男)を通して行う。その時に双方、実際に会っても良いということだったら、それをセッティングする。また、イベントとして、地元での飲み会、飲食会を実施する。

そこにも仕掛けがある。地元の飲み屋、飲食店と契約して、定期的に若者たちの出会える会を実施してもらう。客寄せとしても有効だし、そこからSNSへの会員登録への誘導もできる。これならお手軽にできる。晴れ男はそう思っていた。しかし、現実は違った。それは、これから起きる晴男への制裁だった。

晴男は、天田に電話した。

「プルルルル……」

繋がらない。今思えばそれも運命だったのかもしれない。晴男は、仕方なく無料のSNSを立ち上げることにした。

「◯◯町 結婚相談所SNS ~地元の若者よ、集まれ~」
そして、よく行く居酒屋の店主に早速連絡した。

「俺はパソコンとかネットとか分からないけど、大丈夫かな?」

「大丈夫です。企画や管理は自分がやります。ただ月1くらいで飲み会をやらせて欲しいだけです」

「まあそれくらいならいいけど……」

「じゃあまず、常連さんとか呼べますかね、独身の。自分も人集めてみます」

「それは声かけるくらいだったらできるよ。独身者も多いしね」

「じゃあお願いします。日程等はまた連絡します」


こうして、晴男の結婚相談所SNSの計画は始まった。

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