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最速カクテル ピーチベリーニ

最近、やたらと安いスパークリングワインが増えてきている。(ような気がする)
この、スプマンテ、ワンコイン500円也。
スプマンテは、爽快な飲み口のものが多い。そのまま飲んでも当然美味しいんだけど、ここではちょっと一工夫。
今夜は、ベリーニにして飲んでみよう。

何かと何かを混ぜることをカクテルの定義だとすると、ベリーニは最も簡単に、最も早く作れるカクテルの一つである。そこには、シェイクもステアもない。グラスに直接、ピーチネクターを注ぎ、スプマンテで満たす、のみ。スプマンテの泡で自然と混ぜ合うから、バースプーンでかき混ぜる必要性もない。比率も、完全に好みだ。私は、ピーチネクター1に対して、スプマンテを7程度の割合で作る。お酒に弱い方や、甘口が好みなら、1:2くらいがおすすめ。
作る際のポイントとして、
①スプマンテは辛口を選ぶこと
②ピーチネクターとスプマンテはよく冷やしておくこと
この2点だけ守れば、誰もが、同じ味を再現できる。グレナデンシロップを加えるレシピが一般的だが、私は蛇足だと判断した。特におうちカクテルの場合、無駄を省いた時短レシピこそが王道であり、正解である。確かにグレナデンで色付けた方が、より赤みを増しキュートさを演出できる。その一手間もお好みで、とまとめておく。肝心な味であるが、グレナデンありなしで変わらない、と私は思っている。
ちなみに、スプマンテに辛口を選ぶのは、ピーチネクターが甘いため。スプマンテまで甘いタイプだと、糖度で重たいカクテルになってしまう。ベリーニはさわやかさが売りのひとつ。甘さは前述の比率で調整するように。

最後に、なぜスプマンテを使うのか。スペインのカヴァや、フランスのシャンパンではダメなのか?
結論から言うと、辛口のものさえ選べばどれもみな同じような仕上がりとなる。
しかし、ベリーニは、イタリア生まれのカクテルである。名前も、イタリアの画家に由来する。ここはぜひ、イタリア生まれのスプマンテを推したい。バックボーンを揃える事で、簡単に手抜きで作るカクテルにも、ひとつのこだわりが生まれるからだ。その小さなこだわりが、今夜の一杯にとって、最後の隠し味となる。
桃の甘みを、スプマンテのさわやかさが包み、驚くほど早く、ボトルが一本空いてしまう。

あなたの夜が、素敵に色づきます様に。

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