大谷翔平を支える目標達成シート~人間性と運が実力を育む~
毎朝、大谷翔平選手のニュースが飛び込んできて、野球ファンでなくても興味を持ってそのニュースをご覧になっている方が多いのではないでしょうか?
・日本人メジャー選手としてのホームラン数の記録
・投手、打者としての二刀流でのオールスター出場
・盗塁数の多さ
だけではなく、彼の生きざまを表す、球場内での数々のエピソードがあります。その現在の「大谷翔平」を創り出してきたものとして、高校1年生の時に彼が書いたと言われている「目標達成シート」があります。
大谷翔平「目標達成シート」
これは当時の佐々木監督の教えから作成したと言われています。当時あこがれていた菊池雄星(MLBのシアトル・マリナーズ所属)を目標に入学してきた彼に、監督は「本当に大リーガーになりたければ、雄星の真似ではだめだ。それを超えていく目標を持て」と言ったそうです。
そこで彼が作成したシートがこの「目標達成シート」です。
人間性と運・運を引き寄せる
彼が作成した目標達成シートの真ん中にあるのは、ドラフトで8つ以上の1位指名をもらうことでした。その中で8つのTO DOを書いているのですが、注目すべきは野球の技術だけではない項目があるということです。
私が特に注目したのは人間性と運。
まず、ここで運を引き寄せる方法として「あいさつ」「道具を大切に使う」「ゴミ拾い」「部屋そうじ」などがあるが、私もいつも思っている人も物も区別なく意識すること、丁寧にあつかうことに集約されていると思います。
いつもお伝えしていることですが、これらのことを実践することで私たちは「意味ある幸せな偶然」=「セレンディピティ」を引き寄せることができます。
実際、
・フォアボールで1塁に進塁する際に途中目に入ったごみを拾ってズボンのポケットに入れながらファーストに行く
・対戦相手の打者の折れたバットを拾って相手に渡す
など、本当に実践しているところが素晴らしい。日々継続して行うことで既に無意識化されている証。
人間性と運・江戸時代の人間教育~寺子屋制度~
そしてさらに「人間性」の項目に注目すると礼儀や思いやり、感謝とあります。実はこの人間性の形成に関する教育は江戸時代の教育に通じるものがたくさんあります。
明治維新後の近代教育は、欧米先進国の教育を模範とし、その影響の下に成立し発達してきました。
けれども必ずしも欧米の近代教育と同一であるとはいえないところがあります。実は、そこには江戸時代までの長い歴史の過程を経て形成された日本人独自の生活と思想があり、文化と教育はこれを根底に積み上げられていました。
明治維新後において、短期間に高度な近代社会を成立させることができたその基盤に江戸時代特に幕末の教育が大きく寄与していると考えられます。
江戸時代には封建社会の構造に基づいて、士・農・工・商の身分制が確立しており、特に武士と庶民は厳格に区別され、大きく二つの階層に区分されていました。
武家の教育と庶民の教育。
それぞれ独自の形態をとって成立していたのです。江戸時代の武家は、それにふさわしい文武の教養をつむべきものと考えられており、そのために設けられた教育機関が「藩校」。
一方庶民は日常生活に必要な教養を求められました。そのために、「読み」・「書き」を主とする簡易な教育機関として「寺子屋」が成立していました。
この「寺子屋」文化。そこに正に人間力の育成が含まれており、大谷翔平の目標とする人間性の中にある8つの目標は「寺子屋」で学んでいたことととてもリンクするのです。
このとてつもない大谷翔平選手の人気には、野球のスキルだけでなく彼のたゆまず形成されてきた人間力とセレンディピティが功を奏しているのだとわかります。
私たちが大谷翔平になることはできなくても、庶民の学問の場であった「寺子屋」で教えられてきた人間力の育成は心がけ次第で私たちの人生にセレンディピティをもたらし、豊かにできることは間違いない。そんな風に感じています。
スタエフでもどうぞ!
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