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Track.2【作品篇】リキ~9つの命を繋いだ運命の犬~(上巻)

ガチャ。
……ガランガラーン








いらっしゃい。
またきてくれると思ってたよ。

ほらほら、座ってくつろいでくれ。
雪、大変だったよね。滑って転ばなかったかい?
今日も一日お疲れさん。




で、「いつもの」でいいよね?
ホイホイ。今日もコレしかないんだけどね。ハッハ。









……しっかしキミは相変わらず静かだねぇ。


でもいいんだ。
僕、話のネタは無限にあるから。
大船に乗ったつもりでね。

キミはドーンと構えていればいいからさ。



キミに話を聞いてもらえるかもって思うとね。
僕、ワクワクしちゃってたまらないのよ。


あの人のことを話そうとか、
あの作品のこと話そうとか、
あ〜、あの事もまだ言ってなかったとかね。


色々考えちゃうのよね。



いやね、最近物騒だろう?

キミに何気なく話したことがさ、
僕の遺言になるかもしれない。

そう思ったらね。


ちゃんと思いは伝えなきゃなって思っちゃう。


まぁ、この前の健康診断で超健康だったからさ。
あと100年は生きる予定。ハッハ。




……今日も来てくれてありがとう。

キミはなんだか、
嬉しそうに話を聞いてくれるからさ。

今日も張り切って話しちゃうよ。






今日はね。
涙をためながら読まずにはいられなかった、
ワンちゃんとネコちゃんの作品のお話をしようか。




琥珀ベイビーさん、という作家


今日はね。
この作品のことをどうしても伝えたかったんだ。

リキ~9つの命を繋いだ運命の犬~(上巻)


作者さんはね、
琥珀ベイビーさん、っていうの。

この店にも時々来てくれててね。
名刺もいただいてるんだ。

https://twitter.com/kohaku_baby



僕、見ての通りさ。
ガラス細工くらい繊細だから。
あんまり話しかけられなかったんだよね。


なんかほら。


学校で言ったらさ、
まんま一軍っていうかさ。
めっちゃ人気者のグループにいそうじゃん。
パッと見ね。



僕はさ、当たらず障らず。
平和主義っていう人と人の隙間で
生きてきた人間だから。



本能的にビビるんだよね。
こういう人。ハッハ。ウケる。



で、今度キミにね、
この作品を紹介したいんだ〜ってさ。

琥珀ベイビーさんに話しかけたの。
めっちゃ勇気出してね。



ほら、僕ってちょっとふざけちゃうじゃん?
ほんの少しね。少しだけ。



そんな僕がさ、
一生懸命書いた作品をさ。
誰かに紹介するって嫌かなって思って。

ましてやすごく繊細なテーマの作品なわけだし。


だから聞いたの。一応さ。
そしたらね。
なんて返事されたと思う?









よろしくお願いしますぬーん(*´艸`)

って。






嘘やん

って思ったよね。

もうさ。
なんか保護猫とか保護犬とかさ。
そういう発信してる人ってね。
あの、アレじゃん?


雰囲気的に、こう。
すごいちゃんとした人がやられてるみたいな。

いや、琥珀ベイビーさんが
ちゃんとしてないわけじゃないんだけど。


少なくとも、
面白いとは結びつきづらい発信を
されてる方が多いっていうか。

独特のね、切なさみたいなものを
まとってる人が多い気がするの。





でもね。僕が馬鹿だった。
そういうことじゃないよね。



とりあえずね。
めっちゃ面白い人なんだよ。
もう僕ね、大好きなの。そういう人。

DMで初対面でぬーん、ってね。
普通言えないから。



琥珀ベイビーさん本人のことはね。
また後日、話をしてあげるよ。


閉店まであんまり時間がないからさ。
今日はこの作品のことだけお話しするね。




僕とキミとの約束

あ、僕ね。

最初に言っとくけど。
僕が思ったことしか言わないからね?


作家さんによく思われたくて
必要以上に盛って伝えたりとか。
お金をもらって宣伝したり、とか。






まっっったく興味ないの。







お金ないんだからさ、もらって宣伝でもすればいいのにね。ハッハ。





でも、そんなことするぐらいならね。
自分の作品を書く時間にすればいいだけなんだよね。


耳障りのいいことを盛って伝えるのもさ。
結局キミにはバレちゃうだろうから。



だから僕はそういうこと、しない主義。


僕もね。
多分アホなんだろうね。




それでもキミに、どうしても伝えたいのはさ。
なんかこう。


僕は根っから創作と、作家さんが好きなんだよねぇ。
きっと。

だからこの店にね。


そういう人がたっくさん集まってくれたらいいなって。
そう思うの。



もっといろんな人と知り合いたいし、
もっといろんな作品にも触れたい。


道楽って言っちゃアレだけどね。

せっかくだからさ。
山ほど作家さんが来てくれるような。
そんな素敵なお店になったらいいなって思うの。






あ、そうそう、BGM。
忘れていたよ。
今日はこの曲をかけておくね。


ほら、そこの赤いボタンをポチッと押しておくれ。
ボリュームは自分で調整していいからね。

気にならないぐらいの音量で流してくれると嬉しいよ。
もちろん邪魔なら、無理はしなくていいけどさ。





リキ  〜9つの命を繋いだ運命の犬〜

さて。本題に入ろう。

今日僕が紹介するのは、この作品。






僕ね、読んでビビった。
普通にやばいよ。この作品。

読まないなんてもったいないとしか言えない。






僕これ、本屋さんで買ってもね。納得する。


むしろね、
いい本見つけちゃったな、って思うよ。



でね。
この作品の良さをどう伝えたら良いかなーってさ。

色々考えたんだけどね。





まとまんなかった。全っ然。ハッハ。





別にあの、なんていうんだろう。
読書はそれなりにしてるつもりなんだけど。


僕は別に評論家じゃないからさ。
素人の目線で伝えることしかできないの。



だからね。
思ったことをざっくばらんに伝えるね。



きっとそれがね。

僕の気持ちが一番伝わる方法だと思うんだ。




この本の魅力をね。
僕はどうしてもキミに伝えたいんだよね。



なんていうか。
そうさせるだけの作品、なんだ。





あらすじ


まずこの作品のタイトル。

リキ  〜9つの命を繋いだ運命の犬〜


リキっていうワンちゃんと。
他に9匹の動物が登場する。

そしてね、ノンフィクション作品。


もうね。
この時点でね。
やばいと思わない?


僕ね。
こう言っちゃなんだけど、
小説とか、映画で泣くことってほとんどない。

高校時代にスラムダンクで泣いたのが最後かな。


それ以来ね。



感動することはいくらでもあるんだけど、
涙って出ないの。
出せないっていう方が正しいかな。




「鉄の涙腺を持つ男」なんて
自分で言ってるんだけど。ハッハ。



この作品はね。
数ページ読んだだけで、
あ、やばいかもって思った。

カラッカラに乾いてる僕の涙腺がね、
くったくたにゆるんだの。もう、一瞬で。


あのさ、お化け屋敷の怖さってわかる?
まだ何も起きてないのにさ、
その場にいるだけで怖いじゃん?
なんかドキドキしてさ。


あの感覚とおんなじだった。

あーやっべ、泣くかもって。
全身で感じた。

「涙腺ゲートOK!いつでもいけます!」

みたいなさ。

そんなんなったよ。



普通に泣ける人だったらね。
無理だよこれ。こんなの絶対無理。




でね。



この作品は上巻と下巻に分かれてるんだ。

全体的なストーリーはね、
作者の琥珀ベイビーさんとお母様のね。
2人の親子が出会った、
ワンちゃんとネコちゃんのお話で。


上巻では、
5匹目までの出会いと、
そのストーリーが描かれてるんだ。


リキくん
風太くん
花ちゃん
鈴ちゃん
琥珀くん


それぞれのワンちゃんとかね。猫ちゃんがね。
もう、濃いの。それぞれが。


個性的なんて表現じゃ足りない。



それぞれが抱えている事情というか、
背景がね。もう。




で、彼らは言葉が話せないじゃない?


だから態度というか、
行動でさ。
それを示すしかないんだけど。


もうね。
効いたねこれ。僕には。




真っ直ぐすぎるの。
生きることに対しても、
主人である琥珀ベイビーさんに対しても。





命の輝きっていう言葉はね。
こういうことを言うんだなって。
思ったよ。




そんでね。

琥珀ベイビーさんのね。
伝え方というか。
描写の仕方がね。

これがまたすんごいんだから。


彼らの毛の一本一本
彼らの息遣い
辿ってきたであろう道


そして、最期の瞬間。

彼らが思っていただろう全てを。

命の一滴まで書き漏らすまいとしてる。


僕はそこにね。
執念みたいなものを感じたんだ。


たまらないよ、もう。

心の芯から向き合わないと、
こういう作品は絶対に書けない。



少なくとも僕は、そう感じた。

だから僕の心もやられたんだと思うんだ。



写経のススメ

そろそろグラスが空いたかな。
はい、おかわり。

コツン


でさ。
作家にとっての作品って、
僕は楽しむだけじゃないとも思っている。



作家同士っていうのはね。
仲間でありライバルであり、
そして友達だったり、
憧れの人だったりするものじゃない?


だから。

作品っていうのはさ、
言わばすべてなんだよ。存在の。




でね。僕ね。
これでも作家の端くれだからさ。

写経ってよくやるのよね。

この話はちょっとだけ恥ずかしいから、
もし琥珀ベイビーさんに会っても、
言っちゃダメだからね。




写経ってね。
デザインとか、文章とかね。
そういうのを真似して自分で書いてみる、ってやつなんだけど。


なんていうんだろうなぁ。


文章が上手くなるとかいうけど、
僕はね。



ぶっちゃけ、そういう次元じゃないと思ってる。




写経をやってるとね。

変な話、作家さんの遺伝子をもらえる気がしてる。
言葉の言い回しとか、文章力だけじゃなくてね。



感性をさ。
ほんの少しだけ分けてもらえると思ってるのね。





あー、この作家さんの遺伝子が欲しい、って思ったらね。
僕すぐに写経するの。

うん、言ってることはやばいやつだよね。
知ってる。ハッハ。



で、この作品は即リスト入り。
読み終わってすぐ写経し始めたくなってさ。


何かに向き合うことにね。
こんなにも本気になるってことはさ。
とてつもなく価値のあることだと僕は感じてるんだ。


だから、少しでもその作家さんを知りたくて。
おんなじように作品をなぞっていくの。


キミも作家を目指すならね。


自分の感性にないもの。
自分の感性として、身につけたいもの。


そういう感性を持った作家さんを見つけたら。
写経してみるといいよ。


この作品はね。
そういう意味でもね。
非常におすすめだと言える。




命の大切さを考えさせられる

虹の橋のたもと、っていうさ。
動物たちとの縁(えにし)の話、キミは知ってるかい?


生前、人と縁を持った動物たちは、
空に還るときに虹の橋のたもとへ行く。


そこで、生前に縁のあった人が来るのを待つんだって。



そうして、
いつかそこにたどり着く人と一緒に、
虹の橋を渡るの。


そしたらもう二度とね、
離れることはない。

ずーっと、大好きな人と一緒さ。


きっとね。
琥珀ベイビーさんとお母様とね。

縁を持って、
空に還った子たちはさ。


ゆぅったりしながら、
虹の橋のたもとで待っているだろうね。



僕はね。未だかつて。

こんなにも大好きな人に愛されて、
虹の橋のたもとに行った子たちの話を、知らない。

初めて読んだと言ってもいい。






このお話はね。
そういうお話。




作品全体からにじみ出る想い

で、この作品はね。

全体を通していうと、文学作品らしい書き方をしていると僕は思う。

ほら、Kindleってさ。
電子書籍じゃない?



キミもわかると思うけど、
紙の本とは違う書き方をしてる作家さんが多いんだよね。




ぶっちゃけ僕は、
どっちが正解とかは興味なくってさ。



結果論として、
単純に心が動いた作品が好きなんだよね。




たぶん琥珀ベイビーさんという作家は、
電子書籍を書いているというよりも、

小説家とか、そっちの方面をしっかり学び、
そして書いておられるんだと感じるんだ。



だから、すっごいしっかりしてる。
文体から、風景描写、心理描写、何もかも。


でもね。だからといって、仰々しさは全くない。



この作品がとんでもなくすごいのは、
読みやすいことなのよ。





ごめんね、
ちょっと偉そうに書いた。ハッハ。



分析じみたことは僕、あんまり好きじゃないの。




きっとこの作品の読みやすさって、
命とか、ワンちゃん、ネコちゃんをね。


どこまでもまーっすぐ見てるからだと思うんだ。


どこをどう切り取っても、
そこに愛情があって、

慈しみがあるの。

そして、どこまでも真摯でさ。


一言だけ、もし引用が許されるならね。

僕はこの作品ですごく好きな言葉があるのね。


花は、師ともいえる犬であった。
あれ程までに慈愛に満ち、人間が持つどんな崇高さも超越した犬には、二度と出会うことが無いだろう。
kohaku baby. RIKI kokonotunoinochiwotunaidaunnmeinoinu jyoukann (Japanese Edition) (p.84). Kindle 版.


これ。

もうこの言葉がね。
すごい刺さった。


どれだけの想いがあったらね。
こんな言葉をこの世に書き出すことができるだろうって。

考えてみたけど、僕にはまったく想像できない。



そしてそれは、言葉だけじゃない。
ワンちゃんとかネコちゃんと一緒で。


視線とか、想いの汲み取り方とか。
行動とかね。
そういう節々のすべてから感じられるんだよね。




そういうとこってさ、
人ってみんな一緒だと思うの。


愛する人を見たり、触れたりする気持ち。
大切な存在に対する想い。

人それぞれ対象は違っても、


気持ちっていうのかな。
心の根っこにある愛情とか、尊敬の感覚ってさ、


余計なものを取っ払ったら、
大体おんなじ感覚だと僕は思う。



それがそのまんま描かれてるから、
この作品はね、嘘みたいに心にスッと入ってくる。


僕はそんな風に感じるんだ。




ということで。

この作品をね。
僕がオススメしない理由って、ないんだよ。

する理由しかないの。





懸命に生きるということ。
最後の一瞬まで輝き続ける、命。
心を込めて、何かと向き合うこと。
そして、想いや愛情。



作者親子がその目で見て、
肌で触れ、寄り添い続けた命の息吹。

人に裏切られ、
命の灯が消える極限に置かれても。

それでもなお人を愛した、
そんな動物たちの命のリレー。








僕がなぜ、この作品をキミに紹介したくなったのか。
いや、紹介しなくてはならないと感じたのか。











作品を開いて、ぜひ感じてみてほしい。
きっとキミなら、わかるはずだよ。









もちろん、上巻だけじゃなく。下巻もね。




深夜0時の鐘が鳴る

あぁ、今日も語っちゃったねぇ。

今日はこんなところかな。
長々と付き合わせちゃってごめんね。


もうね。
喉が渇いて仕方ないよ。

悪いけど、いつも通り僕も一杯。




ゴットン





……いやぁ、うまいね。
まろやかさがハンパない。天使の涙と言ってもいい。







ご馳走様ね。
今日の分はいつも通り、ツケにしておくから。




飲み過ぎには注意しなよ。
僕はもう帰るから、ゆっくり飲んでいっておくれ。




あとね、最後にもうひとつ。

これは良かったらのお願いなんだけどさ。


もし僕の話や、
今回の作品がほんの少しでも気に入ってくれたなら。
キミのお友達にも紹介してくれると、嬉しいな。


なんか思ったことがあったら、ほら。
その辺に書き残してってくれるのも嬉しい。






僕、断言するよ。
きっとね。
それはいつか、キミの為になる。









なぁんてね。






……じゃ僕は帰るね。


鍵はいつものところ。
戸締まりと、暖房を切るのは忘れないで。
音楽を止めるのも、忘れずに。




じゃあまた。

次はキミの話も聞かせておくれよ。







ガチャ。
……ガランガラーン









おしまい。


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