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vol.1 ショートボブの女

ティンダーで初めて会ったAさん

ティンダーを始めてみたのは、ちょうどコロナ初期あたりだったので4年前、
たまにマッチはするけど、その後はメッセージのキャッチボールが続かず放置、再開を繰り返しながら今に至る。

そんな時に始めて会うことができたのがAさん。
日比谷で飲みを打診してみるとすんなりOKしてくれた。

夕方18時過ぎ、ドイツ居酒屋で待ち合わせ。
Aさんは17時に仕事が終わり、一度帰宅しなきゃとのことだった。
店の前で待っていると、ショートボブのAさんらしき女性が現れた。(ティンダーでは横顔の写真のみ共有)
僕が軽く会釈をすると、Aさんらしき女性も会釈してくれた。彼女はAさんだった。
念のため「ティンダーですか?」と聞くと、「そうです。」と応えてくれた。

店内はドイツのビアホールのような雰囲気(実際にドイツに行ったこと無いけど。)
テーブル席に対面でお互い座った。
こちらのお店はドイツ直輸入の樽生(ホフブロイ)が飲めるお店。
5年くらい前に1度だけ行ったことがあった。
まずはホフブロイの生で乾杯、ショートボブがとっても似合っているAさん。第一印象はクール風な美女。
そして何より笑った時の歯が真っ白でとても綺麗だった。
(本人曰く、これまでオーラルケアは歯磨きだけですと、親に感謝とのこと)
ドイツっぽいお料理しか無いので、ソーセージやキャベツの酢漬け等を注文。
Aさんは明らかにお話が上手だった、冒頭からとめどなく流れる会話、話が脱線してはまた本線に戻ってくる、ビールも美味しく杯が進む進む。
お互い生ビールのおかわりを注文したところで、お互い本名を名乗っていないですね、ってことで、小声で名前を言い合った。素敵な名前だったので素直に「好きな名前です」そう伝えた。
何よりAさんによく似合ってる名前だった。
それから年齢の話になり「同級生ですよね」ってことから誕生日いつ?って話に。
(なんと同月で20日違いという偶然)

さらに他愛もない会話は続き、お互いに仕事の話とか。
Aさんのグラスが空いたので、お互い赤ワインを一杯ずつ注文することにした。

彼女の唇のホクロがとても可愛く、歯が真っ白で綺麗で笑顔に見とれていた。

そうこうするうちに2時間制のラストオーダー。そして追加注文はせずに退店することにした。
お店を出るとどちらからともなく「まだ飲み足りないですね〜」って雰囲気になり、有楽町の高架下を並んで歩いた。
どこの店も賑わっていて、行列ができている店が続く、さすが今日は金曜の夜だ。

そんな中、閑散としている沖縄料理屋を発見、「ここ空いててイイですね」ってことで入店。
Aさんは沖縄好きのようでとても嬉しそうだった、デニムのジャケットに濃紺のワンピースがとても似合ってた。ジャケットには襟が付いて無くてオシャレだった。
「せっかくだからオリオンビール飲みたいですね」ってことで、オリオンビールで再び乾杯。
「さっきのお店でもめっちゃビール飲んだのに」みたいな会話がとても楽しかった。

僕はなぜだか無性に島ラッキョウが食べたくなり、Aさんに頼んで良いかどうかを確認。
「食べたら口臭くなるけど良いですか?」的なノリだった気がする。
Aさんはフーチャンプルなるものを注文。Aさんは沖縄好きというか、沖縄通だった。
フーチャンプルとは、沖縄の麩を用いたチャンプルーとのこと。

今度は共通の趣味の話題、お互いがロードバイク好きだった。
オリオンビールをすぐ飲み干し、僕は泡盛のソーダ割り、Aさんは泡盛をロックで注文。
チェイサーも注文した。

間も無くすると泡盛が到着、Aさんは沖縄通だけあって、泡盛の銘柄も詳しかった。
Aさんが飲んでいた泡盛ロックを少し飲ませてもらった。確かに程よく臭みがあり美味い。
お互い泡盛を飲みながら、ずっとロードバイクの話。
ロードバイクを始めたきっかけ、お互いが乗っている車種や、○○にツーリングに行った話など、ありふれた話だけどAさんの話は聞いていて飽きない。

あっという間のラストオーダー。確かこの時点で22時ぐらいだったか。
店を出ると「このあと、どうします?」みたいな雰囲気になり、Aさんは翌日も仕事のようで「帰ります?」的な会話をした気がする。
(泡盛が効いていて、このあたりから記憶が断片的である)

僕はAさんとセックスがしたかったので「○○駅(Aさん宅の最寄駅)まで一緒に行っていいですか?」って、Aさんの隣を歩いた。Aさんは特に拒まなかった。気づいたら一緒に電車に乗っていて、車中の会話は何一つ覚えてないが、駅に着いていた。
(ちなみに何駅から電車に乗ったのかも覚えていない)

そういえば、これまでの会話でAさんの1番好きなお酒はウィスキーと聞いていたので、
なんとなく「Aさんの部屋で飲み直しません?」って聞いた。

「うちにウィスキー無いけど」って返事がきたので、コンビニでウィスキー買って飲むしかないって思った。(ってか多分そうやってAさんへ伝えたんだと思う。)

駅を出て繁華街を進む。手を繋いでみた。Aさんは拒まなかった。最初から恋人繋ぎ。
繁華街を抜けて大通りに出た。2人でコンビニに入る。
最初はサントリーの角瓶を買い物かごに入れたのに、Aさんは寸前でブラックニッカに変えた。なんだか可愛かった。
そのほかにウィルキンソンのペットボトルを3本と、おっとっとをカゴに入れた。
Aさんはダメ押しで缶チューハイを一本。

ちなみに僕は唯一苦手なお酒がウィスキー、ハイボールの口当たりは好きなのだが、なぜか悪酔いしてしまう。

現金で3,000円を自動レジへ。もうすでに、小銭がどこにあるかわからないし、おつりをどこにしまったのかも忘れるくらい酔っていたと思う。

そして手を繋ぎながらAさんの自宅へ、東京タワーから程近い、セキュリティが行き届いているキレイなマンションの5階の部屋だった。
玄関に着くとAさんが「ここでちょっと待ってて」って、たぶんお部屋を片付けてるんだけど、この待ち時間が幸せだった。
きっと僕は地獄に落ちるだろう。そして地獄に落ちるのだとしても、この待ち時間は至福の時間である。

そうこうしてるうちに、Aさんが迎えに来てくれた。
デニムジャケットを脱いでいて、ノースリーブのワンピース。日焼けした肩が露わになっていた。
(AさんはG.W.にプーケットに行っていたらしい)

甘い香りが鼻腔をくすぐる室内。玄関にカバンを置き、中へ進む。少し広めのワンルームタイプ。あらゆるものが整理整頓されていてキレイな部屋だ。
リビングには2〜3人がけのソファに、ダブルベッド。テレビ台の上のモニターは余裕で50インチは超えていると思う。

2人でキッチンに進み、ハイボールを作った。
キッチンで乾杯、今日何度目かの乾杯。そのままAさん一点見つめ。気づいたらキッチンで立ったままハグしてた。
Aさんとの身長差は30センチぐらいあるかも。それでもこのアンバランスさが心地よかった。
5分くらいだろうか、ハグしてたのは。もう止められるわけもなくキス。何度も何度もキス。
手を繋ぎながら2人でソファに座る。「よし飲み直しましょう」って雰囲気になる。もうハイボールがめちゃめちゃ脳天に効いていて、Aさんがモニターに流してくれたYoutubeが断片的にスロー再生で頭に残っている。
(確かプーケット旅行の動画だったと思う)

そして間も無く僕の脳がシャットダウン。
起きたら朝を迎えていた…

#ティンダー
#Tinder
#マッチングアプリ

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