見出し画像

酒の奥田 大阪天満

朝から電車に乗って呑みに行こうなんてとんでもねぇな、と思う。仕事で誰かと会うついででもなく、久しぶりの友人と約束するでもなく、ただ1人呑むだけに大阪。天満で呑む2軒目は“酒の奥田“にしよう。

人気店とは聞いてたけどこれが平日3時の入りとは思えない。あまりの流行りっぷりに一度前を通り過ぎてしまったけれど、でもやっぱ中で呑んでるおじさんたちがあまりに楽しそうだから緊張しながらも暖簾をくぐる。立ち呑みは詰めりゃだいたい入れるのがありがたい。

「はいっお姉さん1人?」と奥からキピっとしたお兄さんが出迎えに来てくれた。この辺どうぞ〜の先ら辺、ネタケースの前に立ち、瓶ビールを注文する。アテはとりあえず“ねぎぬた“と“トマトスライス“。できるだけ量の少なそうな、あっさりしてそうなものを。

わりと大きめの店内に一回り小さくぐるっとコの字カウンターがある。真ん中の厨房はおでん、揚げ場、お刺身や一品、ドリンク場と分かれていて、オーダーが通ると近くにいる人が担当の方に向かって伝えるシステムのようだ。出来上がった料理やドリンクはだいたい真ん中の作業台の10センチ角程のスペースにみんな置いていく。引っ掛けて落としそうだけど落ちない。それを誰かが取ってパッと運ばれていくのを目で追いながら次はアレにしようかなぁなんて思う。

メニューは大衆的なものが一通り。おでんの種類がとても多く、大きな鍋にパンパンに入った具が飛び出しそうに煮立つのが本当に美味しそうだ。

私より少し後に入ってきた常連であろうスーツのおじさんが注文のプロで、おでんのわかめを出汁で食べ、店長おすすめの魚をつまみ、かき揚げを注文した。そのかき揚げが届く少し前に、「あーごめん、かき揚げ出汁でちょうだい。」と言ったのだ。揚げたてのカリカリのかき揚げにおでんの出汁をたっぷりかけて食べていて、あぁ美味しそうってなったけど、そんなものはメニューにはなく、常連でもないから頼めなかった。今度言った時、言えたら言ってみようと思う。

その後に右隣に立ったお兄さんがほとんど私と同じものを注文していて、気が合います気が合いますと思った。

1人で妄想しながら呑むのもいいけど、やっぱり美味しいものを美味しい美味しいとしゃべりながら呑みたい。今度は2人で来たい。

お会計の時、常連さんには「また明日〜。」と見送っていたけど、ほんとにまた明日来る雰囲気があった。こういう店を生活の中心に置いておきたい。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?