赴任間もない駐妻を洗脳して、あちこちで人間関係トラブルの火種を撒きまくる迷惑ママの話。
私がある国に赴任した時の事。
4か国目にして、
私はすでに800人近い人たちを接してきていた。
酸いも甘いもかみしめて、
だいぶ人間の本質を見抜く力を養ってきていた。
そこに超一流企業の奥様が
初めての海外赴任だということで私より3か月ほど後にやってきた。
私は彼女に色々な事を教え、たまに一緒にランチに行ったり、
ドライブをしたりと仲は悪くなかった。
その奥様の口からよく〇〇さん、という人の名前を聞いていたが、
特に気にも留めず、お付き合いをしていた。
そのうち、その奥様から〇〇さんがいかにすごいか。
を聞かされるようになる。
「〇〇さんのお子さんのお誕生日会をすごく大きな会場を貸し切ってやった」
とか、
「△△のための社会運動をされていてその運動の式典に呼ばれて参加したらその〇〇さんが挨拶をしていた」
とか。
なんだか〇〇さんに心酔しているみたいなので、
その奥様と〇〇さんの出会いを聞いてみたところ、
赴任前に旦那様が家を探していた最中にたまたま学校で、
日本人と思しき人に声をかけ、学校の様子を教えてもらったとの事。
その時にLineを交換してつながったという話だった。
それ以来、交流を持ち、
学校や会社関係の知り合いだけでは絶対に入手できないような情報、
例えば良い家庭教師、習い事、現地校のシステム、
その国の教育システム、おススメのカフェやレストランなど、
たくさんの事を教えてもらっているようだった。
そのうち、
「舞衣さんも今度その社会運動の総会に来てみない?
すごいたくさんの女性が来ていて、みんな自分でキャリアを開拓して、
自立していてすごい刺激になるよ!」
と誘ってきた。
実は、駐在員の妻はよく、こういう声がかかる。
出席するのにいくらかお金がかかる場合もあり、
駐妻はよく誘われるのだ。
2つの理由で。
1つ目は、駐在員の妻は仕事をしていないし。
子供を学校に送り出した後は退屈している人が多い。
特に英語が苦手な駐妻は、日本語でおしゃべりできる機会や人間関係に飢えていたりする。
そんな時に、せっかく海外にいるんだから、
なにか日本とは違う文化に触れてみようというポジティブな気持ちも高まっており、こういう運動であったり、セミナーであったり、勉強会であったり・・・etc.
に誘われてついていく人が多い。
2つ目は相手側からの理由である。
出席してくれれば参加費が入る上に、
献金(寄付)などを頼めるのだ。
人の紹介で来た駐妻にとって慈善事業への募金は断りづらい。
また、やる事がなく働く事を禁止されてる駐妻にとって、自分が社会に貢献できていないという後ろめたさや、自分の価値に対して低く見積もっている人が多い。
自分に自信を無くしているのだ。
そんなお金と暇はあるけれども、自分の存在価値に不安を覚える駐妻は、寄付や献金で社会貢献をすることに自分の存在意義を感じ、
積極的に募金への協力もしてしまう。
相手側にとっては大歓迎な存在なのである。
さらに。
その奥様の背後には有名企業の旦那さんたちがいる。
奥様に説得されて重役である旦那さんを取り込むことに成功すると、
その企業がスポンサーにつくこともあり得る話なのである。
双方にWinWinな関係となる関係であるため、注意が必要である。
中にはとても良い団体があるのだが、
残念ながらそうでもない団体があるのもまた事実なのである。
さらに、一度中に入ったら人の紹介で来たために、
紹介してくれた人に申し訳なくて抜けられないケースも多発する。
悪質なところでは、
布教活動のように何人かその会に誘わなきゃいけない
チケットを売らなきゃいけない
などという場合もある。
そのような場合、大抵の駐妻は、人にお願いするのが気が引けるから、
全部自分で購入する
という人が大半であった。
したがって、悪い評判も立ちにくく、
見過ごされている駐妻の重大な問題の1つであると私は考えている。
話を戻すと・・・
奥様に誘われた私は、とりあえず、
人との繋がりのある団体に足を踏み入れるのは面倒くさくて好きではないのだという理由でいつも奥様の誘いを断っていた。
そのうち、次第にその奥様が、
奥様の周りの人の事を私に愚痴るようになってきた。
例の〇〇さんが、奥様の友人を毛嫌いしているそうで、
奥様もその友人をいい加減な人だと言い出した。
あれ?この奥様、こんな事を言うキャラだったっけ?
と感じたのだが、
まぁ、完璧な人間なんていないし、
こんな一面もあるんだな~くらいに思っていた。
でも、気になる点があった。
「〇〇さんが友人さんの事をほんといい加減な人!って言ってる!」
と言って怒ってたことだ。
なんだか主語がその奥様が思っているというより、
〇〇さんが言ってる!というように、
〇〇さんが主語になっていた事に多少違和感を覚えた。
そのまま半年くらいたった時の事。
ある学校の集まりがあり、
とうとう私はその〇〇さんと奥様と3人でお茶をすることになったのである。
学校の行事の後だったので、断る理由もなく、
いつも断っていて申し訳ないので、何の気なしにOKしたのだが・・。
後悔している。
当日、お茶会が始まってすぐの頃、
その〇〇さんは私を値踏みしているようだった。
すごく私に対して慎重に接しているようだった。
人見知りなのか?それとも丁寧すぎる人なのか?
という印象だった。
だが、時がたつにつれて、
いろいろな手段で私の反応を試しだした。
ちょっと失礼な事を言ってみた・・・
かと思えば、ものすごく、へりくだるような態度を取ってみたり。
それに対する私の反応を逐一観察して、
自分のテリトリーに引き入れられる相手かどうかを見極めている感じだ。
ひどく居心地が悪くなった。
双方歩み寄ろうという初顔合わせのお茶会という感じでは全くなくなっていた。 違和感の連続であった。
そのうち、私があまり〇〇さんに興味がないことや、
〇〇さんの傘下に入るような人間じゃないということがわかると、
態度を一変させてきたのだ。
私は利益のない人間だったので用無しとなったようだ。
〇〇さんは奥様とは、まるで身内のように話しだし、
私がしゃべろうとすると、徹底的にタイミングをずらしたり、
遮って他の話をしたりして邪魔をしだした。
私は、彼女とは親しくなりたい相手ではないと感じ、
積極的にしゃべるのをやめ、頃合いを見計らい、
用事があるからといって、さっさと帰った。
そして、後日、〇〇さんについて、
現地生活の長いお友達、複数名に聞いてみたところ、
もんっっのすごいトラブルメーカーだったということが判明したのである。
どのようなトラブルを作り出すかというと、
3人で仲が良くなった場合。
片方の人それぞれにもう片方の人の悪口を吹き込んだり、
言ってもいない事を吹き込んだり・・・
その結果、2人が決裂する。
みたいな中学生女子みたいなことを至るところで繰り返していたようだった。
被害者はもう、何人にものぼるとのこと。
その後、関係の無さそうな、
別々のコミュニティー(例えば小学校〇年生のママたち、中学校のママたち、社会運動に関係があるママ)
に属している友人たちに聞いたところ、
全員がその〇〇さんの事を知っており、
口をそろえて関わらない方がいいという。
なるほど。と合点がいったが、
悲劇はそれだけでは終わらなかった。
その後、しばらくして、
いつものように奥様をお茶に誘ってお宅まで迎えに行った時のこと。
いつもなら明るい笑顔で迎えてくれる奥様のお顔がこわばっていた。
どうしたの?
と聞いても
別に。
と不機嫌そうなので、
具合が悪いなら別の日にする?
と言ったところ、突然、
「誰のせいだと思ってんの?」って怒鳴られた。
本当に怒鳴りつけられたという感じである。
「え?何?私、何かした?」
あまりにも突然の怒鳴り声に、
びっくりしてタジタジになって聞き返したところ、
「こないだの〇〇さんとのお茶会の時に本当に失礼だった!」
という内容の話を15分くらい、怒鳴り続けられた。
さらには、ヒートアップしすぎて、
私の子供や主人の事までも文句を言ってきた。
その時のその奥様の形相は凄まじいもので、
完全にトラウマ案件である。
私からすれば、逆にそのお茶会は、本当に失礼なことをされたと思っていて、
逆に謝ってもらいたいくらいに思っていたところである。
その全てを飲み込んで、大きな心で、
奥様との付き合いを今まで通りしようとしていたところだったので、
感謝こそされても、このように怒鳴りつけられて詰られるのは本当に心外である。
だが、私は冷静に、怒鳴られながら全てを悟っていた。
「〇〇さんの手法にはまったな」と。
きっと〇〇さんは私が帰った後、
奥様に私の態度が失礼だったとか、なんとか。
何かを吹き込んだのだろう。。
社会運動に参加しない、思い通りに動かない私に対して普段から苦々しい思いもあったのかもしれない。
あの日の〇〇さんのお茶会の目的は、2つであったことだろう。
1つ。
奥様の洗脳を解く可能性のある私を奥様から遠ざけたかった。
その機会をずっと待っていた。
2つ。
隙あらば私も取り込めるようなら取り込みたかった。
だが、私の事は取り込むことができないと瞬時に判断した〇〇さんは、
すぐに作戦を切り替えて、
私を排除する方向へとシフトチェンジをしたんだな
怒鳴られながら、そう考えていた。
そして、その作戦はうまくいき、奥様は完全に〇〇さんの手に落ちて、思い通りの動きをした。
そんなところだろう。
そうなると、洗脳されてこれだけ人に対してキレてくるタイプの奥様は、
友達として付き合うのは私には荷が重い。。。
よって、その日以来、けんか別れという形をとって、
その奥様との付き合いを断った。
その後、そんな事があったことを、
以前忠告してくれた友達たちに報告すると、
その〇〇さんは、過去にも駐在員の奥様と仲良くなり、
その奥様たちが帰国する時に、
使っていた高性能の家電、
100インチのテレビ、
お掃除ロボット
などを5000円くらいで、買いたたいて、
渋る奥様をよそに、勝手に家にどんどん持って行ったという過去があり、
大きなトラブルになっていたとのこと。
普通に買えば100万円近くするものである。
それまで仲良くしていた、
買いたたかれた奥様は、
これが目的で仲良くしてたんだと悟ったわ。
と、周囲にこぼし、
5年間のその国での生活の記憶の最後を思いっきり汚されて、
暗い気持ちで帰国したとのこと。
本当に純粋なお友達として接してくれている人なのか?
それとも、お金・持ち物・旦那様の会社のネームバリューが目当てなのか?
駐在員の住む赴任先はこんないくつもの陰謀や思惑がうずまく世界でもある。
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