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揉んでも抱けない<はじめに>

 拙作「揉んでも抱けない」は、もともと集英社の「週プレモバイル」にて、「揉んでも抱けない!」のタイトルで2010年から2012年にかけて、全81回連載したものです(連載時はMAKI氏のイラスト付き)。また、週プレ本誌にも特別編が掲載されました。

週刊プレイボーイ 2011年 No.23より


 それだけの長期連載だったため、全体量は原稿用紙で1000枚を超えます。2019年、紅文庫(ジーウォーク)より文庫化のお話をいただいたものの、作品すべてを収めることは無論できません。そのため、編集氏からエピソードをピックアップしていただき、全四章で出版する運びとなりました。
 よって、本に収められたのは全体の3ないし4分の1ぐらいでしょうか。週プレモバイルもすでになく、作品の多くの部分が私のパソコンの中で眠っているわけです。
 で、このままストレージの一部を占拠させるだけの存在にするよりは、世間様にご笑覧いただくのもいいかと思い、文庫に入りきらなかったぶんをnoteにて公開することにしました。
 なお、以下に登場人物の簡単な説明を載せておきますが、詳しくは紅文庫の「揉んでも抱けない」第一章に書かれておりますので、そちらからお読みいただいた方がより愉しめると思います。と、いちおう商売っ気。

光円寺満也……三流以下大学の4年生。祖父の光吉が営んでいた「こうえんじ鍼灸整骨院」を継いだ。無資格のモグリながら特殊能力があり、マッサージの腕が優れているばかりか、女性の感じるところがわかる。童貞。

西荻成海……年齢は20代後半ぐらい。光吉の弟子だが、自分が継げなかったことが大いに不満。プロポーション抜群で、武道の心得もある。他の整骨院に勤めながら、満也の面倒をみている。