【厳選過去問】令和2年 企業経営理論【組織論】

企業経営理論を攻略する上で重要な厳選過去問をピックアップします!
合っていたか、間違っていたかだけでなく、各選択肢の正誤のポイントを確実に整理してください。

今回は令和2年度の組織論を取り上げます。

<戦略論>
第3問:業界の構造分析
第6問:垂直統合
第8問:イノベーション関連用語

<組織論>
第16問:組織管理システム
第19問:期待理論
第20問:職務特性モデル

<マーケティング>
第31問:デジタル・マーケティング
第37問(設問1):顧客満足
第37問(設問2):サービス・ドミナント・ロジック


第16問

T.バーンズとG.M.ストーカーは、外部環境の不確実性がそれに適した組織内部の管理システムに影響を与えることを明らかにした。彼らは「機械的管理システム(mechanistic management system)」と「有機的管理システム(organic management system)」という2つのモデルを提唱した。これらのモデルに関する記述として、最も適切なものはどれか。

 

ア 不確実性が高い環境下では、階層トップへの知識が集中し、階層構造を強化する有機的管理システムが有効である。

イ 不確実性が高い環境下では、各タスクと全体状況や技術との関係が希薄な有機的管理システムが有効である。

ウ 不確実性が高い環境下では、タスクそのものや優れた仕事をしようとすることへのコミットメントが強い有機的管理システムが有効である。

エ 不確実性が低い環境下では、横断的相互作用を通じたタスク間の調整を重視する機械的管理システムが有効である。

オ 不確実性が低い環境下では、上司の指示や命令に支配された職務よりも、スタッフによる助言的内容のコミュニケーションが重視される機械的管理システムが有効である。



↓↓↓↓解答が表示されます↓↓↓↓



正解:ウ

組織のコンティンジェンシー理論からの出題です。
バーンズ&ストーカーは、環境変化に適した組織の管理システムを「機械的管理システム」「有機的管理システム」の2つに分けて論じています。

まず、
外部環境が安定している ⇒ 機械的管理システムが適する
外部環境の不確実性が高い ⇒ 有機的管理システムが適する

という点は押さえておきましょう。

機械的管理システムとは、文字通り機械的に組織を統率する管理システムで、官僚制に近い概念です。反対に、有機的管理システムは、下位組織に権限を委譲し、柔軟性を許容しながら統率する管理システムです。

頻出論点なので、より具体的に特徴を整理したいという方は、下記を押さえておくと良いでしょう。

【機械的管理システム】
上位者によって組織の行動は支配される
②個々の職能は明確に定義される
③情報は垂直的に流れ、指示や命令が重視される
④メンバーは、企業に対する忠誠や上司への服従が要求される
⑤普遍的な知識、 経験、スキルよりも企業内特殊なものが重視される

【有機的管理システム】
①個々人が企業全体の目的に貢献する特殊なタスク(課業)をもつ
職務は状況によって柔軟に定義される
③情報は水平にも流れ、指示や命令より情報提供や助言が重視される
④忠誠心や従属より、タスクや技術へのコミットメント(責任・関与)が評価される
企業外でも通用する専門的知識が重要視される



第19問

期待理論における、組織メンバーのモチベーションの水準を規定する要因に関する記述として、最も不適切なものはどれか。

 

ア 成果が自身の報酬につながるかについての認知

イ 他者の報酬と比較した自身の報酬に対する認知

ウ 努力することで成果をあげられるかについての期待

エ 報酬がもたらしうる満足の程度



↓↓↓↓解答が表示されます↓↓↓↓



正解:イ

本問は確実に正答したい問題でした。
ブルームの期待理論は、人が動機づけされるプロセスを理論化したものです。
動機づけ = 期待 × 誘意性
と紹介するテキストもあれば、
動機づけ = 期待 × 道具性 × 誘意性 
と紹介するテキストもあります。

後者のモデルに沿って解説すると、下記のようになります。
期待:「努力」が「成果」につながる確率
道具性:「成果」が「報酬」につながる確率
誘意性:「報酬」が「理想」につながる確率

つまり、個人の動機づけを高めるためには、企業や管理者は下記のことに注視することが重要です。
期待を高める:適切な目標設定目標達成に向けた支援
道具性を高める:成果に見合った報酬を提供する(成約率など明確な成果に対して報酬を与える)
誘意性を高める:本人の望みにつながる報酬を与える(やりがいを求める人に、金で報いても誘意性は高まらない)



第20問

職務特性の代表的なモデルであるJ.R.ハックマンとG.R.オルダムのモデルに関する記述として、最も適切なものはどれか。

 

ア 上司からのフィードバックの程度が低く、職務の自律性が高い場合、内発的動機づけが高まる。

イ 職務が細分化され、他の職務への依存度が高い場合、その職務の有意義感は高まる。

ウ 職務に対する有意義感の実感、責任の実感、結果についての理解、の3つがそろうと、内発的動機づけが高まる。

エ 成長欲求が高い従業員ほど、職務特性に関わりなく、内発的動機づけが高くなる。



↓↓↓↓解答が表示されます↓↓↓↓



正解:ウ

ハックマンとオルダムの職務特性モデルからの出題です。
こちらも丸暗記は難しいので、ある程度感覚的に押さえておきましょう。

このモデルは、人の内発的な動機付けを促すためには、適切な職務を設計し与えることが重要であるとしています。

①スキルの多様性
②タスクの完結性
③タスクの重要性
④自律性
⑤フィードバック

まず①~③が職務の特性であり、「仕事の有意義感」に影響を与えます。
例えば料理を例に挙げると
①食材を切る能力だけでなく、味付けや盛り付けなど様々なスキルが発揮できる
②流れ作業の一部ではなく、食材を切ることから完成まで自己完結できる
③従業員向けのまかないではなく、VIP向けの料理など重要な職務を与えられている
という感じです。

④の自律性「責任感」に影響を与えます。指示されたことをやるだけよりも、裁量が与えられていた方が責任感は高まります。

⑤のフィードバック「結果に対する理解」に影響を与えます。フィードバックを与えてあげることにより、自身がなぜできたのか、なぜできなかったのかを理解することができ、次への挑戦への意欲を高めることが出来ます。

ジョブ型雇用中心の欧米では古くから重要視されてきた考え方です。今後、日本においてもよりクローズアップされていく理論かもしれないですね。



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次回は引き続き令和2年マーケティング論について取り上げます。
モチベーション理論は学べども、モチベーションに振り回されてはいけません!淡々とやるべきことをやりましょう!


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