2024 3/10 中京5Rの制裁について

11番アスクカムオンモアの騎手北村友一は、最後の直線コースで9番を交わした後、追う動作を緩め、脚勢よく追い込んできた2番に交わされ2着(1着とは1/2馬身差)となりました。この騎乗ぶりは、明確に着順に影響があったとは認められないものの、騎手としての注意義務を怠ったものであることから、同騎手を2024年3月23日(土)から2024年3月24日(日)まで2日間の騎乗停止としました。

JRA 裁決レポート より

この場合は「脚勢よく追い込んできた」と「明確に着順に影響があったとは認められない」がポイントとなって、騎手に下された制裁は「騎手としての注意義務を怠った」として2日間の騎乗停止となった訳だが、もし「明確に着順に影響があったと認められた」場合には「騎手としての注意義務を著しく怠った油断騎乗」となり騎乗停止1か月の処分になっただろう。
(四位洋文騎手の例は着順に影響があったと認められ油断騎乗、横山武史騎手の場合は着順に影響があったとは認められなかったため、油断騎乗とタイトルが付けられている記事だが、実際は不注意騎乗。)

今回の件では「ちゃんと追えよ!」というファンが一番正しいと思っている。
追えば変わっていたとまでは言わないが、そうファンに見せなきゃいけない。それが騎手としての仕事だと僕は思っている。

だが今回の件は「不注意騎乗」であり「油断騎乗」ではないというのが裁決委員の出した結論であるはずだ。
これに納得がいくか?いかないかは置いといて、発表した制裁がそうなのだからそれが結論となっている。これは誰が何を言おうと変わらない。

ただ正直、負けるとは思っていなかっただろうし、直線で前の馬を交わし先頭に立った時点で「勝てる」と思ったはずだ。それを油断と言えば油断だし、不注意と言えば不注意だろう。

アスクカムオンモアはセレクトセールで1億円以上した良血馬だし、先々を見据えて楽に勝つことで少しでも負担を減らしたかったのだろうと考えられる。

結果は2着だったけど、内容的には2戦目の上積みがあった。初出走の馬が思いの外強くて勝たれてしまったというだけの話だと思っている。

そして、騎手に対してキレたところでカネは返ってこない。この場合は「明確に着順に影響があったとは認められない」とレポートに書かれているし、記事を貼付した四位洋文騎手(当時・現在は調教師)の例は「着順に影響があったと認められた」ために騎乗停止1ヶ月となったものの、返金が行われた訳でもなくそれでライセンスが剥奪される訳もないからだ。

要するに、過去にも同様の例が何度もあり着順に影響があったケースもある。それでファンがいくらキレてもレースはやり直せないし、着順は変わらない。そして払戻金も変わらない。
過去にもあった同様のケースで、返還されたりしたケースがないから、いくら騒いだところで無駄にしかならない。

この裁決では、裁決委員がどれくらいの着差なら「着順が変わった」と認めるのか?にも注目されると思うけど、基本は微差でないと認めない傾向にある。この場合の「微差」は写真判定が行われる範囲内だと僕は思っている。統一見解があるものではないので、なんとも言いがたいのはある。

ただ、何を言ったとて結果は変わらないから、言うだけ無駄なんだろうと思っている。



宜しければサポートお願いします。