「訪問介護 とれじゃーまっぷ」のクラウドファンディングについて思うこと
今回の記事ではこのクラウドファンディングを取り上げます。
そして、この記事は私個人の見解であり、論評の範囲内であると思っています。
もしかしたら、記事内において「詐欺」という表現が出てくるかも知れませんが、インターネット上において「詐欺」という言葉は刑法の詐欺を指し示すものと評価をするのは困難であるとともに、平成29年5月29日 東京地方裁判所 民事 第30部合議判決 平成28年(ワ) 第39360号 発信者情報開示請求事件 において、「凄い詐欺師」「アホな」という表現は、「やゆ的表現で批判を加えているもの」であるとは認められているが、「社会的評価を低下させる・社会通念上許される限度を超える侮辱である」とは、認められていないことをここに書き記しておきます。
クラウドファンディングの「目的」
維持費の軽減
「引っ越し費用」を捻出するとしている、このクラウドファンディング。
説明によると、元いた乗馬クラブでは預託料と削蹄費・運動料に体調を崩せば治療費で月々に100万円前後は掛かっていたとある。そして、引っ越しが出来ればその費用は半額ほどに抑えられるから移動させたいし、実際にはもう移動が行われている。
「引越しはプロジェクト立ち上げ時点では一部完了しておりますが、クラブへの支払いが済んでいない状況となっております。」
との記載があるから。
馬たちに伸び伸びとした生活を
「狭いサークルの中ではなく、広い馬場で駆け回り、草を食べながらのんびり過ごして欲しい。一頭一頭個性を尊重し、愛情を注いでほしい。その全てが成立しない方針の前乗馬クラブとは、考えが折り合う事はできませんでした。」
との記載がある。
その為、その理想が出来る限り叶えられる場所へ馬を移動させたい。そして、月々の預託料が今より安くなり、今後は「馬カフェ猫カフェ就労継続支援B型施設」を設立し、そこで馬を使うし、継続的にサポートを貰えるから移動を決意したとある。
この2つが理由となって、クラウドファンディングを行っている。
本当の目的
活動報告にもあるが、本当の目的は「ネクストゴール」である。「ゴルシっ子をもう一頭助ける事!」と記載されている。
まずは引っ越しのクラウドファンディングで300万円。そして、目標は500万円で新しいゴールドシップ産駒を1頭買うというのが目標となっているようだ。
3つの目標
以上、3つの目標からクラウドファンディングを行うに至った。
簡単に言えば、これまでに預託していたところは放牧といっても広いところを駆け回ることはない場所だったから、それを望んでいなかった。
そして、今預託しているところへ移動させることを決めて、実際に移動させた。
そのための費用を、クラウドファンディングで募っており、入金されたら支払う。
そして、預託料も前のところより今のところが安くなり、今後就労継続支援施設として「馬カフェ」を設立したあとでも、馬について継続的なサポートが得られるとしている。
そして、本当の目的は500万円を集めて新たにもう1頭のゴールドシップ産駒を迎え入れることだ。伸び伸びと自由な生活を一頭でも多くさせてあげたい。という思いから、皆様の支援をぜひお貸し頂けないか?
というのが、このクラウドファンディングを行う理由だと個人的に解釈した。
私見と評価
嘘から始まる説明文
このクラウドファンディングは、こんな文章から始まる。
「競走馬にも乗馬にもなれなかった引退養老馬たちを殺傷処分から救いたい。」
出だしから嘘がある。
競走馬にも乗馬にもなれなかった引退養老馬と書かれているけれど、記載されている4頭のサラブレッド(ゴールドゴールデン・ランジョウ・ホットミルク・ブルーローズシップ)は「競走馬」だった。その時点で「競走馬にも乗馬にもなれなかった引退養老馬」というのは存在していないので嘘だ。競走馬名を付けて馬を紹介しているのに、競走馬にもなれなかったというのは、ハッキリと分かる嘘だ。
断言する。
そして「殺傷処分」という言葉に耳馴染みは無いけれど、文脈からこれは「殺処分」のことを意味しているように思う。
この記事を書いている僕だからこそ、競走馬の殺処分というのは「嘘」だと言える。
ここ3年間の日本では、年間1万頭の馬が屠殺されているのは事実で、輸入頭数や品種について考えていけば、年間で約6000頭くらいの国産サラブレッド(元・競走馬)が屠畜されているだろうとこの記事では書いた。それはすなわち、それだけ需要があることの裏返し。
それを「殺傷処分」と書いているのは、あまり知らない人を騙す表現でしかないと僕は考えている。
逆に言えば、クラウドファンディングで「知らない人をターゲットにしている」からこそ、その方法で閲覧数を増やし、支援者を集めるというのが、この人たちと運営会社の方針なんでしょう。
そして「乗馬にもなれなかった」とあるけれど、人を乗せることが嫌いだ。乗馬でも走らない。とある時点で、乗馬になっている・なっていたのは明らかだ。
「乗馬に向いていなかった」と書くならまだ分かるが、この説明は初見だと間違いなく誤解を生む。クラウドファンディングを行ってカネを集めるならば、正直に書けばどうだ。
引っ越し代金だけの募集ではない
300万円をひとまずのゴールに設定していて、その内訳は、120万円が引っ越し費用(入厩代・運動管理代・備品代)としていて、馬運車代が20万円、2ヶ月の預託料110万円、リターン品準備費5万円、クラウドファンディング利用手数料 17% 51万円の計301万円。
引っ越し費用が120万円なら、その120万円に馬運車の代金20万円を足した140万円を募集するクラウドファンディングを行えばいい。
それなのに、なぜ預託料を募るのか?
そして、なぜ2ヶ月ぶんの預託料なのか?このあたりは説明がない。
また、引っ越し費用といって120万円を勘定に入れているけれど、入厩代や備品代は分かるが運動管理費まで入るとそれは、純粋に引っ越しでかかる費用ではなく、月々の預託料に入ってくるものだという認識を個人的にしている。
このときに、新しく入る家の家賃や家電製品を引っ越し費用として勘定する人はいないだろう。
だから、引っ越し費用というのは本来だと輸送費だけでいい。だから、この場合は20万円の馬運車代を募集していれば、お題目通りで良かったのではないかと個人的に思っている。
だからこそ、引っ越し費用の範疇ではない2ヶ月ぶんの預託料やリターン品の準備費用、新しいところに移動させることで生じた入厩費用などを募集していますと書けば良いだけの話。新しいところに移動させる理由は書いているけれど、どこからか出てきて説明がない「2ヶ月ぶんの預託料」については、しっかり書くことを望むしそれが書かれていないのはおかしいと言わざるを得ない。
不安材料
このクラウドファンディング内では
「そこにしか道はない。馬達を守り抜く使命が自分たちにはあり、倒れる訳にいかない。」
「どうか、お力添えをお願い致します。もっともっと頑張りますから、今を助けて下さい。お願いします。」
という言葉が使われている。
これを見て、そこまで自分たちを追い込んでまで馬を所有・預託する必要があるのか?という疑問が出てくる。
よく「無理のない範囲でやることが、長続きするコツだ」というのがボランティアだったり、日々の運動やダイエット、貯金などでも言われていたりするけれど、「馬たちを守り抜く使命がある」とか「引き取ってからのお金の苦しみが強くなる」などと言い出すのは、経済的にも精神的にも追い込まれている状況だと個人的に思う。
藤澤和雄元調教師の信念は、「幸せな人間が幸せな馬をつくる」
追い込まれている人間が、馬にのびのびとした生活を願ってもそれは実現しないのではないか…と考えるがどうだろうか。
これで僕が言いたいことは、馬を買うなとは言わないけれど維持することが出来ないなら、それは馬で不幸になっているし、馬も不幸になるよということ。
ただ生きていること・生かすことが必ずしも幸せではない。
そして、「今を助けてください」という人に将来のビジョンがしっかりあると僕は思えない。だから、1年半後に馬・猫カフェの就労継続支援施設B級を設立するとしているけれど、本当に出来るものなのか?という疑問と、その施設を設立すると至った経緯も二転三転してのものなら、今後も二転三転するのではないか?という懸念。
まぁ、クラウドファンディングの説明が最初から嘘をついてる人たちですから、懸念したところで…って話でもある。
やるのかどうかすらも分からないし、それも、クラウドファンディング頼みかも分からない。月々の預託料を安くしたいという人たちが、新しく建物を作るとなっても、カネはどこからともなく湧いてくるものじゃないのでどうするか?だと思っているが、、
まとめ
最初から嘘の文章で始まるこのクラウドファンディング。
それを訂正することもない運営会社も楽な商売。
引退競走馬におけるクラウドファンディングで、殺処分と煽って支援を募るのはあるあるですが、それも嘘。
馬を助けるためという気持ちは素晴らしいと思いますが、すくバレる嘘をついてまでやることじゃない。
そして、支援の内訳でも引っ越し代を捻出するためのクラウドファンディングで、なぜ2ヶ月ぶんの預託料まで募るのか?
そのあたりを書いていないところに、不親切さを感じる。
そうしなければ、いけない理由は何なのか?
「僕たちの全てを捧げました。そして何も無くなりました。」と書かれているけれど、その状態で人は幸せを感じられないだろうし、人が幸せでなければ馬も幸せではないと考える。
また、その状況でもカネが集まればもう1頭のゴルシ産駒を迎え入れるとしており、これこそ本人たちが言っているように「破滅の匂いが立ち込めて」いるのではないかと思う。
結局のところ、他人の商売だからどうしようが勝手なんですが、嘘はすぐバレるし、クラウドファンディングのページはずっと残る。すなわち、嘘がずっと発信され続けるということ。それを僕は食い止めたいので、記事を書いて公開するに至りました。
嘘を付かなければカネが集まらないならば、それはもう正常じゃない
真っ当に訴えることが出来ないならば、やるべきじゃない
というのが僕の考えです。
宜しければサポートお願いします。