JR東、やっちまったなぁ……

今日、こんなニュースが飛び込んできました。

あーあ……やっちまったなぁ……と。
まず最初に思ったのはそれですね。

こういう業務改革案件って、会社の覚悟が問われるんですよ。
やると決めたら引いてはいけない。
一気にやりきらなきゃいけない。
そうしないと、いつまでも旧方式と新方式の並立が解消されない。
2方式並立している間、その間のコストは両方分かかるので高くなりますから。
レアケース対応のため、旧方式を残すにしても、計画のラインまで旧方式のレベルを下げないといけないのです。
他は全部新方式に移してしまわないといけない。
それも、スピーディーにやらなければならない。
それがこの手の案件の肝です。

さて、翻って、JR東日本のこのところの動きを見てみればどうでしょう?
ダイヤ改正は地元政治家が騒げばあたふたとすんなり一部元に戻してしまう。
そして今回、客が騒げば窓口の閉鎖も撤回してしまった。
JR東日本という会社、ダイヤ設定にも業務改革にも覚悟も信念もないということがバレてしまった。
騒げば日和るとバレてしまった。
これ、この手の改革案件でいちばんやってはいけないことです。
なんとなくコストを減らしたいな……でやってはいけないのが業務改革。
先々を考えた時、ここがこのままではいけない、だから、何が何でもここは今、やり切る!……でやらなきゃいけないんです。
会社の覚悟が問われる案件なんです。

今後、JR東日本は苦労すると思いますよ。
だって、騒げば日和ると知られてしまったんですから。
減便改正も、窓口の整理も、一筋縄ではいかなくなります。
各地域の政治家も、普段は乗らないような客も、何か気に入らない変更があると知れば今後も今以上に騒ぐことになるでしょう。
その時、JR東日本に意志を貫くことができるか?
恐らく、このままではできなくなると思います。
いろいろ、収拾が付かなくなっていくんじゃないですかね。

そうなると、何が起こるかというと。
JR東日本のコスト体質の悪化ですね。
会社のコスト体質悪化すると、ひいては地方路線の存続問題にダイレクトに跳ね返って来ることになります。
恐らく、より多くの路線に存続問題が持ち上がることになるでしょう。
ですが、最終的に厳しい判断がJR東日本に下せるかというと、この様子だとそれもなかなか難しいかもしれません。
地元に騒がれると弱いことが知れちゃいましたから。
そうなると、いったんは全体的なサービスの悪化の方に振れるしかありません。
それは全体的な鉄道としての地盤沈下につながり、結局、地方の弱いところからなし崩しに消されていく……そんな未来に繋がっていくのではないでしょうか。

今回の件は、もしかすると今後の鉄道の未来が大きく暗転する決定的なきっかけになるのではないか……と、ニュースを見ていて感じた次第。
結局、運営会社(根っこ)が元気でないと、鉄道路線は弱い末端から枯れていってしまうのです。
樹木と一緒ですね。

ちなみに北海道の方は札幌から室蘭方面辺りの客がバスに流れて鉄道は閑古鳥……という話になっているようですが、あっちはもうどうにもならないかも。
あれは、元々それなりに利用があっても大赤字だったので、自由席を指定席化して……まあ、早い話が値上げしたわけですが、それが道民の損益分岐点を超えてしまったため、客がバスに雪崩を打ったと。
じゃあ、元に戻せば良いじゃん……って思うじゃないですか。
でも、それじゃ多分ダメなんですよ。
今度はその値段設定だとJR北海道の損益分岐点を下回っちゃうんですよ。
これは下手に対抗してはダメで、むしろ値下げして競争に割って入ることで赤字垂れ流しながらバスと客を食い合う構図になる。
これは鉄道にとってもバスにとっても両方に不幸な展開です。
残念ですが、鉄道は札幌~室蘭方面の競争から撤退した方が良いでしょう。

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