ボカロ曲聴き始めて10年経ったので当時を思い出そうのコーナー

 皆さんメリークリスマス!(11日遅れ)(年が変わった)
 大遅刻ですごめんなさい。ただ、昨夜まで某コロコロにやられてたせいもあるのでゆるして…… 

 わりと最近までクリスマスイブとクリスマスを国民の祝日だと思っていた海鮮焼きそばです。なんで今までクリスマスが休みだったかというと、学生の特権・冬休みがあったからなんですね~なるほどね~。
 こんなあほの話は置いておいて、わたしがボーカロイドの存在を知った2012年~ボカロ曲を本格的に聴き漁るようになった2014年春までの話をします。よろしくおねがいします。

 そしてこれは、そろそろ年末恒例になってきましたobscure.( @voca6458 )さん主催、『ボカロリスナーアドベントカレンダー2022』への参加記事(12/25担当)(本来は)です。
他の方の記事もぜひ見ていこうな。今年も当然のように十人十色ですが、結局みんなボカロがすき!

第一会場

(ゆるめの)第二会場

 前日(ということにしよう)24日担当、obscure.(@voca6458)さんの記事はこちらです。

 自分のペースで社会と、ボーカロイドと向き合ってすこやかな暮らしをする。これ大事! というお話でした。ただ荒波に押し流されるんじゃなくて、たとえ端から見たらゆっくりでも、自分が継続しやすい生き方をする。それができてるんだからobscure.さんえらすぎる。ほんとに……。
 わたしも、物書きばっかりしててボカロリスナーできてない……といういらない申し訳なさと焦りがいっぱいありまして。少しずつでもそういうのから解放されて、自分のペースでボーカロイドをできたらいいよなあ。絶対しような。そう思わされる記事でした。

 それでは本題です。

2012年:ボーカロイドとの出会い


 実はわたし、ちょっとレアリティの高そうなボーカロイドとの出会い方をしています。10年(と半年ちょっと)前、わたしが初めてボーカロイドの声を聴いたのは――
 妹がパソコンのスピーカーで聴いていた、トークロイド動画でした。

 これのyoutube無断転載(120万再生はある)です。リンクは貼らないよ、良識があるので。
 投稿者さん自身が棒読みと言っている通り、お世辞にもボーカロイド初聴きにふさわしい滑らかな声、とはちょっと言いがたいです。今だったら全然ふつうに聴けるんですけどね。

「なにこの機械音!? こわっ!」

 となったわたしは、この時点ではボーカロイドに興味を示すことはありませんでした。そもそも歌を歌わせるのが主目的であり、滑らかに喋らせようとするのはわりと変態の所業であることもたぶん理解してない。 
 あと、そのとき妹のyoutubeのサジェストにあった『置き去り月夜抄』『あらっつぁっつぁ』で「なにそれ、こわ……」となったのもあります。後者はうろ覚えの妹がわるい(『levan polkka』カバーのことですね)

 まあ、よくある機械音への忌避感を携えてボーカロイドと出会ったわけですが。その年の5月、さっきの話に出ていた妹に教えられてなんとなく見た番組で、ある意味で本当の出会いを果たします。
 
 2018年までNHK Eテレで放送されていた番組『Rの法則』の、ボーカロイド特集回です。中高生の中でいま話題になってることなどを中心にランキングを作り、それを軸に話を広げていく形式の番組だったと思います。ボーカロイド特集のときのランキングは、『今年(2012年)流行っている曲』とかだったと思います(あやふやな記憶)
たしか1位が『チルドレンレコード』、2位と3位が『ODDS&ENDS』と『六兆年と一夜物語』のどちらかとかで、どれも今はめっさ好きな曲なんですけど、当時のわたしに刺さったのは違う曲で。

 そのランキングでたしか5位だった、家の裏でマンボウが死んでるP神様はエレキ守銭奴』でした。
 いやだって歌詞とイラストのインパクトすごくない? 神様、人間に振り回されまくってるし自由だし面白いもん。あとこれ、普通にバッドエンドでウケるな。人類見捨てられてんじゃん。
 「なにこれ! ストーリーおもしろそう!」で惹かれたわたしは、すぐに原曲を聴きに行きました。なおこうやって惹かれる過程に曲自体はあんまり関わっておらず、すまないの気持ちがある。イントロのリフめさめさ好きです。
 あと聴きに行ったのはyoutubeの無断転載なので、なおさらすまない。当時のわたしはyoutubeに上がっているボカロ曲の多くが無断転載なことも、そもそも無断転載という行為があることも、あとニコニコ動画の存在も知らなかったのだ……。

 なんというか、トークロイドの件といい楽曲自体のあんまり関わらない入り方をしていますが、ここからちゃんと楽曲の話をします。

『神様はエレキ守銭奴』を聴いておもしろ~となったわたしはその勢いで、youtubeの関連動画を頼りに他のボカロ曲を聴いています。そうやってたどり着いたのがこれ。

 kemuさん『インビジブル』です。
 こんな情報量の多い音楽を今まで聴いたことがなかったので、当時の私にはそれはそれは衝撃だったと思います。そもそも音楽に自発的に触れることすら今までなかったので。
 こんなにかっこよくてキャッチーで疾走感にあふれた音楽があるんだ~となりました。今でも大好きな一曲です。

 あと、系統が近い曲だとこれも同時期に出会いましたね。

(そういえばどっちもイラストがハツ子さんだ……)
 物語性のあるカッコいい高速シンセロックが好きだな~の気持ちはたぶんこの2曲を中心に構成されました。

 その後のわたしは、しばらくyoutubeを頼りに曲を探していました。といっても継続的にやっていたわけではなくて、たまに気が向いたら、だったので、ボカロ好きと言えるかはまだ怪しかったですけど。

 あと、もうひとつのボカロ曲の情報源が、当時書き込んでいたチャットルームでしたね。当時の中学校の友人に誘われて気楽に入ったはずが、なぜかずぶずぶとはまり込んでしまって……。
 正直あの頃のわたし、ムーブがめっさ黒歴史幼いな~って感じであまり思い出したくないんですけど話の流れ上しょうがない。
 そこのチャットルーム、年齢層がだいたい小学校高学年~中学生くらいでたまに高校生もいる、くらいだったので、当時の中高生の間で流行っていたものをダイレクトに反映してたんですよね。そして当時は2012年。
 お察しになりましたか? カゲプロ(カゲロウプロジェクト)全盛期です。

 ああいうチャットルーム、好きなキャラクターの名前を名乗る人も当然出てきます。メカクシ団メンバーの半分くらいは名乗ってる人がいたなあ。そのルームの管理者、コノハさんだったし。カゲプロ関連の楽曲が投稿されるたびにチャットルームがその話題で持ちきりでした。
 そんな環境の中で、おすすめのボカロ曲の話題になることはしばしばあって。

 そのチャットルームにいた方に、個人的に教えていただいた大切な曲があります。

https://www.nicovideo.jp/watch/sm12742781

 拓巳さんの『水彩』でs……聴けない!!!!!
そうです、残念ながら現在は非公開となっています。1,2年前まではpiaproに音源があったはずなんですけど、そちらもいつの間にか消えてて……VocaDBの該当ページに無断転載動画(限定公開のためyoutube内の検索からは飛べません)へのリンクがあるので、大きな声では言えませんが気になる方はどうぞ。めーちゃめちゃよいロックバラードです。

 あと、この方から教えていただいた曲にはHoneyworksの『初恋の絵本』もあります。まだハニワ曲がシリーズ展開してなかっただろう時代ですね。
 初恋の絵本、どこまでもピュアな片想い曲でいいんですよ……。

 身近にボカロ曲が好きな人ほとんどいなくて、きっかけになった妹もわたしと入れ替わるようにボカロから離れていったので、このチャットルームが唯一ボカロ曲の情報源になっていた節があります。当時はインターネットを使いこなせてたわけでもなかったし、SNSやってなかったし、ニコニコ動画もまだ知らなかった。 
 まあ、高校受験真っただ中だというのにあまりにもチャットにのめり込みすぎて、親からチャット禁止令が発布されたんですけど。受験が無事終わったあとも、そのチャットルームに戻ろうとしたらよくわからない罵詈雑言と一緒になぜか追い出され、ほどなくしてそのルームも空中分解したので、結局戻ることはありませんでした。

 ここからしばらく、自分の手だけでボカロ曲を探索する日々が始まります。
 当時(2012年~2013年春)好きだった曲はこのあたり。当時好きだったと書いていますが、どれも現在までずっと好きです。

この曲でMAYUちゃん好きになった

渋いというか、じわじわとしたカッコよさがあるよね

だってかわいいじゃん!!!!!

2013年:焼きそば、好きなボカロPができる

 2013年になってしばらくは、相変わらずyoutubeで細々とボカロ曲を聴いておりました。ボーカロイドが好き、とも機械の声に慣れた、ともまだ言えないくらいの状態。
 ですが2013年の4月末頃、認識が変わるきっかけになる、大きな出来事がありました。その頃わたしはどこからか、かつてニコニコ動画に存在していたボカロ特集ページ『VOCALOID×niconico -ボカニコ-』(リンク先無効につき注意)にたどり着いたようです。
 経緯もなんも覚えていませんが、時期だけはしっかりと覚えています。
 その特集ページのトップには、VOCALOIDカテゴリのデイリーランキング上位5曲が載っていました(より詳しいランキングを見たい場合はリンク先へ飛ぶ必要あり)。そこで出会った曲をきっかけに、わたしは、初めて特定のボカロPを好きになりました。

https://www.nicovideo.jp/watch/sm20729065

 そのきっかけの曲とは――くるりんごさん『最後のワンダーランド』でs……また消えてるーーー!?
 えー、またです。またですけど気にせず話を進めていきます。
 この曲をきっかけにくるりんごさんが好きになったわたしには、初めて『好きなボカロP』ができました。それまでは投稿者をあまり意識せず、曲だけで聴いていたんですけど、くるりんごさんの場合は他の曲にも好みのものがいっぱいあって、作風ごと好きになって。作風と絵柄とキャッチーなメロディが一貫されてたからかな、と思います。

 ですが、ここで悲しいお知らせです。
くるりんごさんは、『最後のワンダーランド』(と同時投稿『タイムリミットは日が沈むまで』)の次に投稿した『とある一家の御茶会議』をもって、ボカロPを引退されました。(犬丸芝居小屋さんの話はここでは省略します)
 初めて好きになったボカロPが、存在を知った1か月後に引退したときのこの気持ちは、いろんな意味でわたしだけが持っていればいい、と思います。
『とある一家の御茶会議』、幕引きにふさわしい、ささやかなハッピーエンドのいい曲だったんですよ。もう聴けないけど。
 当時は『とある一家の御茶会議』をどういうテンションで聴けばいいのかよくわかりませんでしたね。いろいろ重なりすぎて。

 と、そんな悲しいできごともありましたが。ここでようやくニコニコ動画の存在を知った私は、さほどニコ動をわかってないまま、でも今までより少し深くボカロ曲探索を進めていきました。週刊VOCALOIDとUTAUランキング(通称ぼかうたらん)を知ったのもこの時期だったかな。

 当時、自力で見つけて聴いていた曲はこのあたりです。

憂いと優しさに満ちたバラード。ほんとにすき

カッコいいロックはいつだって正義 ミクさんの全力で歌ってる感いいよね

サビが気持ちよすぎる 全編気持ちいいけど

すこっぷさんで一番好きまであります

2014年:焼きそば、VOCALOIDカテゴリランキングに出会う

 あれ? 2013年の時点でボカニコページトップに掲載のカテゴリランキングに出会ってなかった?と思われるかもしれませんが、当時のわたしは見方がわかってなかったゆえ、ページトップに載っている上位5曲しか見てなかったんですよね。
 あれが『ニコニコ動画のランキングページのうち、VOCALOIDカテゴリの24時間ランキング、の上位5曲』でしかないと知るには、もう少し時間が必要でした。

 VOCALOIDカテゴリランキングの存在を知ったのは、忘れもしません、2014年の2月26日です。
 当時のデイリーランキング1位はどの曲だったと思いますか?

 n-bunaさんの『ウミユリ海底譚』です。出会った日から今まで、わたしの、一番好きなボカロ曲。

 震えて張り裂けるミクさんの声とかわいいだけじゃないキュイキュイしたシンセサイザーと、BPM240の疾走感。
 おそらくたまたま行き着いたはずの、ニコニコ動画VOCALOIDカテゴリのデイリーランキング。ボカロ曲と出会うための新しい地平に踏み出した、その一歩目にこの曲と出会えたことは、幸運以外の何物でもなかったと思います。そんなラッキーパンチ――ほんとに特大の衝撃をきっかけに、「ボカロにはもっともっとわたし好みの素敵な曲が眠っているはず!」と信じて疑わなくなった当時の自分。
 ここからよりボーカロイドを好きになり、本格的に曲を探すようになりました。ニコニコ動画のランキングや検索機能などを少しずつ使いこなし、SNSやインターネットで他のボカロ好きの方と知り合うようになり、長い時間――出会った当初から数えれば実に10年以上――が過ぎて。

 わたしは今も、ボーカロイド曲を聴いています。ボーカロイドを好きでいます。わたしの知らない、わたし好みの素敵な曲たちが、わたしと出会う日を待ち望みながら今もどこかで眠っています。

あとがき

 いつもより少しゆるめの文章でお送りするつもりが、最後ちょっぴり熱が入りました。
 結局、わたしがボーカロイドとそれを使った楽曲を知り、その深みを探索していくに至るまで、きっかけになったのは主に4つなんですよね。

①家族・親戚・知人など(≒当人の現実生活の近くにあるコミュニティ)
わたしの場合:妹

②メディア
わたしの場合:テレビ番組のボーカロイド特集

③インターネット・SNS
わたしの場合:同年代の集まるチャットルーム

④動画投稿プラットフォーム及び、それが持つ機能
わたしの場合:Youtube(と、関連動画)、ニコニコ動画(と、関連動画・ランキング・ボカロ特集ページ)

 ボーカロイドが好きな人のだいたいは、④+①~③の少なくともひとつ、を通っていると思います。少なくとも④は確実に。でも、100人に100人の出会い方と、ボーカロイドの楽しみ方があるわけです。面白いなーって思います。
 よければ、皆さんがボーカロイドに出会った経緯と、今あなたが確立しているボーカロイドの楽しみ方も知りたいです。記事なりツイートなりで書いてくだされば見に行くので!
 きっと、面白い話がたくさん聞ける。そんな予感がするんです。

余談:NicoSoundという遠い過去のおはなし


 書くタイミングがどこにもなかった話を最後にします。

 ニコニコ動画にはかつて、投稿者が許可した動画に限って音声ファイルをダウンロードできる、『NicoSound』という"公式"サービスがありました。
("公式"、ここ重要です。名称が酷似した非公式ニコ動音声抽出サイトがかつて存在し、刑事罰にも問われたので……)
 わたしねえ、NicoSoundめさめさ愛用してたんです。スマートフォンとイヤホン持ち歩いて、好きな曲を移動時のBGMにして楽しんでたんです。
いろいろとしょうがないかもしれないけど、8年前にサービス終了したの今でも惜しいなーって思ってるよ~~! かつてNicoSoundで楽曲ファイルをダウンロードできたけど、今は正規の音源入手手段がない大好きな曲、いーっぱいあるんだよ~~~!! 
つなまるさんの『言の葉クリニック』とか、先述した『アーティミシアの空想舞踏科学』とか!
 8年前のスマホに入ってた楽曲ファイルなんてもう持ってないよ~……。

 以上、余談という名の嘆きでした。