朝6時のタイパ

後追

 12月6日午前6時、いつもより少し早く起きた。これくらいの時間に目が覚めても二度寝をすることがほとんどだったが、この日は違った。録画していたワールドカップのクロアチア戦を見るために起きた。そう、追っかけ再生をするために。

選択

 前々日の夜、友人とワールドカップの話をしていた。試合開始は5日月曜日の24時。試合が順調に終わっても、寝るのは翌午前2時、興奮して寝付けなければもっと遅くなる。マジメに考えれば、週のはじまりの夜更かしは、体に堪える。生中継を観るか、もしくはいつも通り寝るか…。そんな話をしていたら、「録画して、朝追っかけ再生したら?」と友人から提案された。「その手があったか!」、そう思った。リアルタイムではなくても、少し早く起きてそれから観れば、同じ興奮を味わえるのでは?それが自分の中での落としどころになった。

平静

 目を覚まして、すぐに録画済みの中継を見始めた。録画時間は3時間強になっていた。BDレコーダーのリモコンを片手に、ベッドでゴロゴロしながら試合の行方を見守った。試合は動かないだろうと思われるシーンをカット、早送りをしながら。たしかに前半の得点シーン、後半の失点シーンを見逃しはしなかったが、リアルタイムで見ているときほど感情の起伏がなかった。朝のローテンションも一因だったかもしれないが、それよりも断片的に試合を追っかけていたほうが大きいと思った。このまま見続けていけばきっとなんらかの動きがあるだろう、そんな予測可能な試合観戦が大きな要因だったと思う。PK戦を見終えたのは、午前7時50分頃。2時間ほどで試合を見終えたので効率は良かったわけだが、どこか消化不良感が残った。

効率

 今年のヒット商品番付で東の横綱は、「コスパ・タイパ」だった(日経MJ)。それでいうと、このクロアチア戦はタイパが良かったのかもしれない。「結果」を知るのであれば、3時間かけず2時間で済んだのだから。しかし、ここは変化が起こらないだろう、あえていうならば「ムダだろう」と感じるシーンを自分の中でそぎ落としていた。リアルタイムで観ていればどう試合展開が進んでいくのかもわからない。退屈に感じる時間があったかもしれない。タイパを優先してしまった結果、余白がなくなってしまったのだろうか。今回は追っかけ再生をした結果、あまり面白くない観戦となってしまった。リアルタイムで見ればよかったのか?それはそれで、翌日の自分のタイムパフォーマンスが大きく落ちていたのかもしれない。


 

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