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ライターへの発注が口約束が多いワケ

いやー、何とか校了できました。世界にありがとう。でも、朝までにコラム一本上げないといろいろマズイことになりそうです。が、編集者として本をまとめる脳みそと、ライターとしてコラムを書く脳みそって微妙に違うんで、脳みそを切り替えるために一切校正・構成ナシでnoteのほうをだらだらと書いております。

自己啓発本の宗教性については、週末にかけてチョイチョイ書こうかと思います。どう考えても30-45分で書ける気がしなくて完全に後悔しています。

で、質問の回答になります。実は結構あります。一番多いのは、ライターが書けないことが結構あって、その時でもナアナアで済ませられるってこと。

さらに発注書・納品書とか一件ごとにやり取りすることになると、3000円やら4000円やら、「小売業ですか?」みたいな単価でそれやり取りすんの? ってこと。月額とか、月30本納品とかになるとそれなりのボリューム出ますが、一本単位で原稿のテーマごとに最適の人に発注して請けてもらうなんてときには、もっと簡便な契約がないとなかなかかったるいです。そもそもそういう事務仕事が得意ならライターしてないって人が多いです。自分含め。

あと、ライターの書いた著作物は誰のものか? というのをしっかり確定させてしまうと二次利用時などにさらにめんどくさい法的処理が必要になる可能性があること。

例えば、絶版マンガの版権を作者の手に戻して電子書籍化したりする赤松健さんとかの活動は興味深く拝見してますが、あの収入モデルは印税収入がメインの作家的な前提があります。もちろん自分はその方面での権利整備がされればいいですねと好意的に見てはいます。

が、雑誌などの原稿料収入が結構な割合になっている自分的には、その方面での権利整備は必ずしも、現在でもライターや編集者の主流であるマガジン・雑誌形態も解決するかと言われると、難しいなあと感じているっていうのが、正直なところです。

逆に、権利意識をハッキリ持つことで、雑誌の電子流通は停滞するという側面もあるでしょう。

俺の観測範囲の中だけの話で、誌名などは差し控えますが、現在ipadなどで配信されている紙媒体の雑誌の電子版は、ほとんどそのあたりの処理は書面上でされていないと思っています。

他にも、雑誌用に書いた記事のWEBサイト流用なども半分以上は無断というのが実情じゃないですか? 「え? あれWEBに載ったんだ?」なんて割と日常茶飯事。

じゃあ、自分で雑誌に書いたものを使うかって言われると、「その媒体用に、設定されたテーマに沿った文章」なので、使いどころがあんまりないのが実情です。文章って、基本的にオーダーメイドなので、返品されても使い道がないんですね。

これは、発注して書かせたのだから著作権はウチのもんってって感じでナアナアで処理している事が多いですねえ。基本、記事ごとに著作権の帰属はドコにあるかとか編集とライターは全く確認しません。

たぶん法的には純粋に下請けとか社員として書いたので著作権は発生しないっていうロジックでライターの文章の著作利用権を占有できるって考えるのも難しいとは思うんですよ。でも実態は下請けでもあり、さらに使いまわしがしにくいという特徴がある。ので、ライターにとっても別に損にはならないから問題化されていないってことがあるかと思います。

署名記事になるあたりが、一応の基準でライターなりカメラマンが著作権もってると出版業界の実感・慣習では認識されていると思います。

つまりこんな感じ。「連載コラムで1P連載とかの作家枠の人たちには単行本になるかもしれないから断っとくか…。ほかは、まあ、他に流用する人もあんまり想定できないからいいか~」ってことだと思います。

ま、実際それくらいアバウトにしないと現場回りませんし、1記事書くごとに書類かいてたら原稿料安いのに死んじゃうよね。また、電子書籍にしろWEBにしろ一記事単位でごねても基本カネになってないということは皮膚感覚でわかってるので、ゴネてもいいことねーな感すごいんです。

とはいえ、数年前から出入りのライターには「これからWEBや電子書籍にも原稿流用するかもしれないからよろしく」と編集からお触れが回った時期があります。「おお、しっかり言ったじゃん」と思ってたら、新たに仕事するライターにはその旨を告げてるとこあるんでしょうか。まったく説明は受けたことないなあ。がっはっは。

 ナアナアはいかん!ってのは全くそのとおりなんですが、これをちゃんとしようとすると、見開きアタリ10人くらいの権利者と全部書面かわして、200p全部処理しなきゃいけないわけで現実的じゃないですね。

良心的なところで「WEBとか電子書籍にも使いたいので1pアタリ原稿料200円上乗せで」と言われるくらいです。これも、ちゃんと契約書にしようとするとものすごい面倒なことになりますよ。媒体は? 期間は? 紙面レイアウトとかか1記事だけ配信で加筆したときの処理は? 「使いたい」の内実はケースによリすごく複雑怪奇なことになる。

 余談ですけど、WEB・電子書籍配信に流用これからするよの報告と原稿料引き下げさせてくださいのお願いが同時に来たときはさすがに笑いました。

 これをクリアにするには、なんか集中著作権管理センター・文章版JASRAC的なものを作るしかクリアできる絵図は見えてこないですね。でも膨大なテキストの著作権管理ってどんだけコストかかるんだ…? 少なくとも、その管理コストに見合うだけの、データベース化して得られる利益は上げられないことは確実でしょう。
 ただ、これができれば現在の2chまとめサイトみたいに、関連記事を横断的に掲載権を購入して紹介するまとめ雑誌なんてものも考えられるかもしれません。

と思いながら今他にいい案あるかなー。あとはブロックチェーンのスマートコントラクトくらいしかねぇよなと、検索してたら知り合いの施井泰平さんが、まさにブロックチェーンでのアートの来歴管理とか規約遵守をするプラットフォームってやつを手掛けてるー! しらんまに東京大学でベンチャー企業起こしてなんか資金調達してブイブイ言わせてるー!? マジかー。

ま、現時点では接点はいまいち見えないけど、著作権管理も発展したらなんか行けたら面白いんだけど(自分にはアートの商慣習とかわからないし)? どんな感じの取り組みなのかえらい気になるので、今度お暇なときはなんか10年ぶりくらいにお話聞かせてください!

ここまで35分。原稿じゃないと書くのはええなおい。今日はこんなところで。

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