その練習メニューは、本当にあなたの課題を解決しますか?│ニーチェの『権力への意志』を卓球にフル活用しよう!②
第一書 ヨーロッパのニヒリズム
Ⅰ ニヒリズム
3 デカダンスの表現としてのニヒリズムの運動
ひとは、治療手段をえらんだと信じつつ、憔悴をはやめるものをえらぶ。
「進歩」だと思ったものが、実は「弊害」であるということがあります。
仕事の効率化のために機械を導入したら、操作を覚えるのが大変だった、みたいなことがあるわけです。
「Excelを使えないおじさん」の扱いに困っちゃったりするわけですね。
大昔の「農業革命」もそうです。
それまで、採ったり狩ったりして食糧を得ていた人間が、稲作を思いつきました。
食糧を効率的に安定的に得られると思われました。
しかし、農業は土地に縛られ、労働時間も意外と多く、栄養バランスも崩れました。
果たして本当にこれは「進歩」だったのか、疑問符がついてしまいます。
卓球でも、進歩の方向性を間違えると、それはむしろ弊害になります。
例えば、
「バック側に良いツッツキが来ると返せないから、バックドライブで打ち抜く練習がしたい。」
と相談されます。
類似のケースも含めると、なかなかの人数に相談されてきました。
確かに、これができたら、それはもう大進歩でしょう。
しかし、良いツッツキをバックドライブで強打するなんて、プロでもなかなかできません。
プロでも難しいことにチャレンジして、果たして何十年かかるでしょうか。
何十年もこの練習だけをやり続けて、遂にできるようになって、試合で相手がフォア攻めをしてきたら、どうしましょう。
そう考えると、これは進歩ではなく弊害なのです。
本当に目を向けるべきは、
「良いツッツキをさせない」
という部分です。
下回転のサーブを出さなければ、良いツッツキは来ません。
フォア側に打つと、良いツッツキがバック側に来づらくなります。
こういうことをやる方が、進歩の方向性としてはよほど妥当だと思います。
進歩だけに目を向けず、弊害をしっかり警戒すれば、努力の方向性を間違えることは減っていくでしょう。
①上手くならなかったときの責任を自分で負う覚悟が無いと、上手くなりません。
③「接戦に弱い」のは、ただの偶然かもしれません。
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