「試合で実力の半分も出せない…」ですって?どのコースに来ても返せるように待ってたら、そりゃ実力の25%しか出せませんよ!【卓球のための世界史&数学】
「試合で実力の半分も出せない…」
あなたもそう悩んでいませんか?
そんなあなたに質問です。
試合のとき、どこに打たれても対応できるように、全面をまんべんなく待っていませんか?
フォアに来ても返せるように、バックに来ても返せるように、と思っていませんか?
思ってますよね?
それが原因です。
その意識だと、実力の半分も出るわけがありません。
具体的に数字を言うと、実力の25%しか出せません。
これは、世界史から学ぶことができます。
ということで今回は、『最強の教訓 世界史』の「13 小モルトケ」の部分から、卓球の試合で実力を出す方法を読み解きます。
参考文献
『最強の教訓 世界史』
著 神野正史
PHP文庫
「兵力」と「戦力」の違いとは?
「A軍の兵力5」「B軍の兵力3」で考えるから駄目なのです。
それぞれの兵力ではなく戦力で考えます。
戦力は「兵力を二乗」したもの(戦力二乗の法則)ですから、両軍の戦力は、
「A軍の戦力25(5の自乗)」
「B軍の戦力9(3の自乗)」となります。
まず、軍における「兵力」と「戦力」の違いを知っておいてください。
「兵力」とは、兵士の数だったり、武器の数だったり、そういったシンプルな数のことです。
「戦力」とは、その兵士での戦う力の強さのことです。
そして、「戦力二乗の法則」という戦争の法則があり、これによって、
戦力=兵力²
が成り立ちます。
つまり、
兵力が1だと、戦力は1。
兵力が2だと、戦力は4。
兵力が3だと、戦力は9。
兵力が4だと、戦力は16。
兵力が5だと、戦力は25となります。
兵力が増すと、戦力はめちゃくちゃ増します。
兵力を集中させることが、大きなパワーを生む秘訣だということです。
例えば、「兵力」を2つに分散させるとき、
5対5で分けると、それぞれの「戦力」は50%の2乗で、25%ずつになってしまいます。
合わせた戦力は25%+25%で50%にしかなりません。
これを9対1で分けると、それぞれの「戦力」は81%と1%となり、合わせて82%になります。
戦力は集中させた方が、トータルでも強くなるのです。
卓球も仕組みは同じ。
卓球も、これと同じことが行われています。
軍隊が兵力を2つに分散させるように、意識をフォアとバックに分散させます。
フォア8:バック2の割合で意識していると、
ボールがフォアに来れば、実力の64%のボールが打てます。
なかなか良いボールです。
ボールがバックに来れば、実力の4%のボールしか打てません。
逆を突かれているので仕方ありません。
このように、意識の分散の仕方によって、実力をどれくらい出せるかは決まるのです。
「試合で実力の半分も出せない…」のはなぜか?
実力が出せないと悩んでいる人は、おそらく、どこに打たれても対応できるように、全面をまんべんなく意識して待っています。
つまり、フォア5:バック5の意識で待っています。
なので、どっちに打たれようが、実力の25%のボールしか打てません。
一試合でずっと、フォア5:バック5の意識で待っているので、一試合でずっと、実力の25%のボールを打ち続けます。
これが、試合で実力が出せなくなるメカニズムです。
5対5で待っていたら、実力の半分も出せるわけがないのです。
すべきことは「意識の一点集中」。
実力を発揮するために必要なのは、意識を一点集中させることです。
8対2とか、9対1とか、10対0とか、そういう意識で待つのです。
フォア10:バック0で待っていれば、フォア側に来たときに、実力の100%を出せます。
もちろん、バック側に来たら、0%です。
でも、一試合のうち、100%と0%が半々なら、平均で実力の50%は出せます。
フォア5:バック5で待っていると実力の25%しか出せないわけですから、それよりは大分良いですよね。
しかも、10対0の意識は、ヤマ勘でやるわけではありません。
どのコースに打ってくるのかは、予測することができます。
予測力がついてくれば、10の意識で打てる確率が、50%から55%、60%、65%とどんどん上がっていき、どんどん実力を発揮できるようになります。
「予測力」が、あなたの実力を解放するのです。
まとめ:さぁ、予測力を高めよう!
ということで、普段から「予測」を常に心がけてください。
常に心がけることが何よりも重要です。
相手の動きを見て、相手のコース取りの癖を見て、どこに打ってきそうか察知してください。
相手が打つ瞬間か、もう少し前には動き始め、しっかりそのコースで待ち構えてください。
間違えたって良いんです。
失敗を繰り返すことで、予測の精度は上がっていきます。
間違いを怖れることはありません。
間違いを怖れて、どっちつかずになると、またフォア5:バック5になり、実力の25%しか出なくなってしまいます。
考えてみてください。
「実力の25%しか出せない」
って、めちゃくちゃ深刻な事態です。
ボウリングのプロが、スコア75点だったらヤバいですよね?
羽生結弦選手が、1回転ジャンプしかできなかったらヤバいですよね?
ボルトが、100mを38秒で走ってたらヤバいですよね?
それぐらい深刻なことなのです。
そこから脱却するためにも、予測力を鍛えてください。
これは、一朝一夕で身に付くものではありません。
何年もかけて、ちょっとずつ予測ができるように、地道に頑張りましょう。
また、
「相手に実力を出させない」
ことも等しく重要です。
これも、相手をよく見て、相手の意識を探り、手薄なコースを突いてください。
自分は9秒台で走り、相手には38秒で走らせる。
これが、卓球で実力を出す秘訣なのです。
さぁ、
「予測する」という心がけ
「予測させない」という心がけ
これを常に持って、明日から練習に取り組みましょう!
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