大きな喜びだけでなく、何気ない幸せも感じ取りましょう。│『エピクロス 教説と手紙』を卓球にフル活用しよう!⑨(終)
断片(その二)
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心境の平静と肉体の無苦とが、静的な快である。これに反し、喜びや満悦は、動的な現実的な快と見なされる。
幸せには、動的なものと静的なものがあります。
美味しいものを食べて幸せ。
たくさん寝て幸せ。
これらは、動的な幸せです。
自分の行動によって得られる幸せが動的な幸せであり、僕たちがイメージする幸せは大体動的な幸せです。
一方、静的な幸せとは、状況による幸せのことです。
争いが無くて幸せ。
イライラすることが無くて幸せ。
こういった、当たり前過ぎて感じることもできない、何気ない幸せが、静的な幸せです。
卓球にも、動的な幸せと、静的な幸せがあります。
強打が決まって幸せ。
カウンターが入って幸せ。
これらは、動的な幸せです。
ミスが少なくて幸せ。
ツッツキが安定していて幸せ。
これらは、静的な幸せです。
そして大切なのは、
「静的な幸せに気づくこと」
です。
既に安定した技術を持っている人は、それが幸せなことだと自覚してください。
まだ安定した技術を持っていない人は、安定が静的な幸せをもたらすということを知り、そこを目指してください。
静的な幸せを知り、求めることが、卓球で幸せになる秘訣なのです。
動的な幸せは目立ちます。
しかしだからといって、静的な幸せを見落とし、動的な幸せを追い求めると、身を破滅させます。
快感を求めて、強打に強打を重ね、そしてミスにミスを重ねてしまいます。
快感を得るために、失点漬けの生活に陥ってしまいます。
こんな卓球中毒に陥ってはいけません。
分かりやすい幸せに目を眩ませることなく、何気ない幸せを大切にして、無事平穏な卓球ができるようになりましょう。
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