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「上手くいかないこと」を反省するのではなく、「上手くいかないと戦えないこと」を反省しましょう。│タレブの『反脆弱性』を卓球にフル活用しよう!⑦

第2部 現代性と、反脆さの否定
第8章 予測は現代性の生みの子

津波や経済危機を予見できないのは仕方がない。でも、津波や危機に対して脆いシステムを作るのは罪だ。

世の中には、「コントロールできない危機」というものがあります。

例えば、人間は津波をコントロールすることができません。

津波が来ないようにすることも、津波の発生時期をずらすことも、それどころか、いつ津波が来るのかを予測することすらできません。

これはもう、仕方のないことです。



なので人間は、

「津波が来てもなんとか生き延びる」

という方向の努力をします。

堤防を作り、高台に避難場所を作り、必要な物資を避難所に備蓄します。

これを怠ることは、もはや罪なのです。



卓球にも、「コントロールできない危機」があります。

「いつもは入るボールが入らない」

という状態が代表例でしょう。



人間は、調子をコントロールすることができません。

常に絶好調になる方法があれば、アスリートたちはとっくにそれを実践しています。



しかし、アスリートたちは、

「今日は調子が良くなかったけど、なんとかまとめることができました。」

と、よく言いますよね。

つまり、常に絶好調なんてことは、有り得ないのです。



なので人間は、

「いつもは入るボールが入らないときに、それでもなんとか勝つ」

という方向の努力をします。



ドライブが入らないときに、ひたすらラリーで粘ったり、相手に打たせてミスを誘ったりするなど、ドライブをなるべく使わないで勝ちに行きます。

これが、堤防となり、避難場所となり、備蓄の食糧となります。

これらを整備しているから、アスリートは調子が悪くてもなんとかまとめることができるのです。



ということで、コントロールできない危機をコントロールしようとするのは、無駄な努力なので止めてください。



「調子を上げる方法は何ですか?」

そんな幻想を追いかけるのは、もう止めにしてください。



危機が訪れることは受け入れて、その上で正しい備えをするようにしましょう。


⑥決断に、必ずしも根拠が必要とは限りません。
⑧基本は繋ぎ、たまに攻めるのが、バランスの良い卓球です。

タレブの『反脆弱性』を卓球にフル活用しよう!

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