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世界にただ一緒にいる彼(1)

まさみは大学2年生である、幼稚園の頃から一緒の聡一と航は2週間のサマーキャンプに参加していて、その間暇だなと思っていた。大学に入ってできた友人の静がTV番組に出るから見てねと夏休みの夏講習に参加中、暑いので図書館で涼んでいると話しかけてきた。その番組は世界ふしぎ発見!で学生に夏休みに訪れたい国を聞いていて、友人の静はビートルズのファンだから英国に訪れたいと話しているのだ。静は番組の中で、昨年ジョンの新曲が発売されて、今年のグラミー賞にもノミネートされるかも知れない事を言っていた。私が気になったのは、番組で北欧を特集していて、それがとてもシンプルなもので、家族との暮らしや自然に対する神聖な信仰がある事。例えば湖が凍って、昔飲み水がなくて困った、氷を採掘してそれを蒸して食事や洗濯に利用する、生活に根ざしたものとして、蒸した蒸気をサウナとして用いたのである。私はその特集を見て、北半球は現在冬であり、夏休みの旅行プランもあるという所に惹かれたのである。早速図書館で北欧の旅行雑誌を借りて、近所のスタバで夜活をした。私はスタバで簡単な軽食をしてから、1時間くらいスマホを見たり、音楽を聴いたりして思い思いに過ごす空間での活動を楽しんだ。読書の中でオーロラの記事が魅力的だった。高さ100km・横幅600km・300km先まで見えるというもので、天候も晴れ渡らなくても、雲が晴れていれば良いというものだ。別の記事を読むと、健康を守る為にサウナ・お酒・薬膳スープが有名でこれが効かなければお墓行きという言葉がフィンランドにはある。私は大学に入って体調を崩しがちで、健康に気遣い、病気にならない様に生活規則を守る生活をしていた。だからストレスを溜め込みやすかったのである。私はさっきまで北欧の事なんか知らなくて、静に言われたTV番組でフィンランドの自然と触れ合う健康的な暮らしを理解する為に本を読んだのである。体調を崩しがちな私がフィンランドの厳しい冬と向き合うのに、一般家庭にお世話になる夏休み留学をしてみようと思い立ったのである。

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