この街にやって来たとき、私は入り口で門衛に自分の影を預けなくてはならなかった。

「影を身につけたまま壁の内側に足を踏み入れることはできない」、門衛は私にそう告げた。

「大丈夫だ。怖がることはない。何も生爪を剥がそうってわけじゃないんだ。痛みはないし、すぐに終わる」9-55

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?