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3MAN BEAT SESSION

Phennel Kolianderです。
今回は昨年12月17日に人見記念講堂にて開催された我々のレーベル“EPISTROPH”によるセッションイベント“EPISTROPH SESSIONS”においてTable Beatsを代表して僕とBallheadとdhrmaでパフォーマンスした“3MAN BEAT SESSION”の時の話をしたいと思います。
段取りや機材のセッティングなどの話も盛り込みながら進めていくので是非最後までお付き合いください。

EPISTROPH SESSIONS in 人見記念講堂(2022.12.17)

◎ビートライブのセッション

この日は主に楽器ができるミュージシャンを様々なフィールドからお呼びしてお題目の曲がありながらもアドリブや即興性を念頭においたセッションライブイベント。そこに我々楽器のできない連中が召喚されたわけなんですが、最初は“何やったらええですの?”って感じでした。ステージ転換の時間繋ぎにサクッとビートライブでも?にしても我々のビートはカロリー高めで邪魔にならないだろうかと思ってたら、これをしてくれと注文が入りました。

Table Beats “BEAT SESSION”
今から約2年前にLuteさんからオファー頂いて撮影した3人でのビートリレー。この感じで15分、何か3人でパフォーマンスをと連絡が来たので合点いきました。確かにこれなら今回のイベントのコンセプトにもフィットします。


◎今回のビートセッションの仕込み

dhrma、Phennel Koliander、Ballhead(L→R)

Luteの時は本当にビートをポン出ししたリレーという感じで、各自の機材“sp-404sx”から1曲ずつ順にプレイしていくスタイルでしたが、アレだと正直曲が変わるときにどうしてもMIX感がなくパフォーマンス全体のグルーヴ感が失われる。更に今回は15分の持ち時間で曲数も増えるとなるとそこは余計にシビアに行きたいなと思い3人でミーティング。結果、3人のビートを持ち寄って予め15分のMIXを作り、それを再生しながらエフェクトでバシバシ展開していくスタイルにしようという事で決定。
zoomミーティングで曲順やMIXポイントを相談しながらBallheadがエディットしてくれました。


◎機材のセッティング

今回はBallheadがエディットしてくれたMIXを再生しながらエフェクトで展開していくので機材の配線も普段あまり無い方法を採用。

まずMac Book ProにてGarage Bandを立ち上げて前述のMIXのデータをインポートします。そしてMacのUSB-CからSP-404MK2に直通させます。そこから各自のSP-404MK2へと順に繋げてスルーさせていくのですが、整頓するとこうです。


3MAN BEAT SESSION セット図

少し話はズレますが、僕個人のビートライブの時もGarage Bandを使います。曲のデータをノンストップで並べてMIXになるようにしておいて、USB-CからSPにスルーさせてKaoss Padを経由してミキサーに繋ぎます。


◎ビートライブにおいてDAWを使う利点

現場の音を確認しながらEQで調整

PCを導入しDAWを立ち上げてビートライブを行う理由として現場のサウンドシステムに合わせて自分の音源のEQ調整ができるという点が一番大きいです。ビートライブをやる現場はクラブだけではなくバーやShopなども多く、現場によってサウンドシステムが大きく異なります。置かれているスピーカーに合わせてミキサーのトリムでは行き届かない部分をEQで細かく調整できるのはとても便利です。別に普段使ってるDAWだったらなんでも良いと思います。

話は戻りまして
今回のEPISTROPH SESSIONは天井が高くかなり大きなホールで我々のビートがどんな鳴りするか不安でしたが、これが的中。


マジでボワボワでビートがハッキリ聴こえない…


ミキサーだろうがGarage Bandだろうがいくらいじってもボワボワ。しかもリハ時間は5分のみ。僕とBallheadで客席まで行って出音checkしましたがもーホンマに訳がわからず…リハが終わって楽屋であーだこーだ話しても手の施しようがなく、と思ってたらこの日のPAの染野くん(WONKのレギュラーPAさん)が“とりあえず余計な低音ガッツリ切っといたんで多分大丈夫す”
ボワボワの原因は低音。高音は割とスコーンと抜けて聴こえますが低音は篭ってしまう上、ホールが広いと音が回ってボワボワに聴こえます。
ですが、染野くんは百戦錬磨なのでこの一言でだいぶ安心しました、あとはやるだけ。


◎3MAN BEAT SESSION実演MOVIE


本番は客席の出音がどんなもんかわかりませんがアーカイブを見る限り大丈夫やったかなという印象です。(LINEでRecした音源も重ねてくれてると思いますが。) 楽器類だと現場でPAさんにミキシングしてもらう感じですが、我々はもう既にミキシングしたものをプレイします。なのでなかなか苦労しましたが勉強になりました。もし、大きな現場でビートライブする時はPAさんと連携して外音を作り込む事をオススメします。中音はテンション上げるために出せるだけ出しましょう。(自己責任)


◎今回のSESSIONのセットリスト

曲目に関しては3人ともビートに脂が乗ってるタイミングだったので、まだリリースされてないものも含めて最近スタメンになってるビートを中心に揃えた鉄板的なセトリでした。冒頭のシャウトはDaichi Yamamotoにお願いしました、ダイチありがとう。

曲順としては
PK → Bh → dh → PK → dh → Bh → PK → Bh → dh

個人的ハイライトはBallheadの“B.O.K”のところです。


最後のdhrmaの2stepから文武のRhodesが入ってきてWONKのLIVEに繋げていく感じ、めちゃ上手かったですね、カッコ良かったです。


◎BEAT SESSIONを終えてみて

初めはどうなるかと思いましたが本番は3人とも楽しんでやれてたと思いますし、また機会あれば30分とか3人でやりたいなとか、B2Bの機会もどんどん増やしていきたいですね。同業者の人たちにもオススメしたいです。
SPが3台あるので偶然エフェクトが重なったりとか、SEのタイミングがバッチリハマる時とかはなかなか快感です。

少し長くなりましたがレポートは以上です。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。



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Phennel Koliander
 京都出身。LAやDetroitのビートシーンに影響を受け2010年よりビートメイクに着手。SOUL,JAZZ,REGGAE,電子音,ノイズ,環境音と如何なる素材も巧みにコラージュしてグルーヴへと昇華させるビートメイクスキルは唯一無二。
様々なビートテープをリリース後、コンセプトビートテープ"%"シリーズをリリース。illa-J,Eric Lau,DJ KRUSH, STLNDRMS, James Tillmanなどとのイベント出演、THE NORTH FACE CUPやF.C.Real Bristol、京都市夜観光推奨企画への楽曲提供、BLUE NOTE×EPISTROPHのコンピレーションアルバムへの参加を経て、ビートプログラム"Table Beats"の指揮を取り2019年にはJazzy Sport Kyotoからコレクティブビートアルバム"Someone'Order"をリリース。またNative Instruments社のサンプルパック“EXPANSION”の日本初企画"CONCRETE SUN"の開発に参加したり、Daichi YamamotoのライブDJなど様々な活動を継続しながら各地でのビートライブもこなす。

Twitter : https://twitter.com/phennel_k
instagram : https://www.instagram.com/phennelkoliander/

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