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ヨガクラスの値段の付け方(後編)

前編はこちら

前編に続き
自分のヨガクラスという商品に対して
どのようにして価格設定をしたらいいのか?
といったような内容です。



直感より戦略

ヨガクラスの価格設定をする際
多くのヨガインストラクターがやっているのは
下記の流れです。

①地域の競合他社をリサーチ
 ↓
②相場の価格を把握
 ↓
③その平均くらいの価格をつける

このプロセスが間違っているわけではないのですが
ここはもう少し慎重に考えた方がいいと思います。

以前一緒にインドに行った
山形で活動しているヨガインストラクターさんが
「山形ではヨガクラスで1000円もらうのも厳しい」
と言っていました。

もちろん価格設定には
地域性というものも関連しています。
ですが
それだけがものさしの基準になっていると
山形ではヨガインストラクターとして
ゴハンを食べていくのはかなり厳しいです。

まして
その地域の平均の価格をつけるというのは
言い変えるなら当たり障りのない価格をつけて
自ら競合他社の隙間に埋もれていくようなものです。

直感で「これくらいかな?」と値段を決めても良いのですが
1人でも多くの方にヨガを伝えたいと考えるのであれば
もう少し慎重に考えるのも悪くはありません。

特にインストラクターをし始めの頃は
なかなか自分のヨガクラスやインストラクターとしてのスキルに
自信が持てずにいたりするので
直感で値段をつけるという行為は
必要以上に値下げをしてしまう傾向にあります。

更に言うと
このような「自信が無いから値段を下げてしまう」という現象は
そもそも
金額が大きいと価値が高く
金額が少ないと価値が少ない
という粗雑な認識がもたらした結果でもあります。

価格設定は自信のありなしで決めるものではありません。
自分のヨガクラスという商品の性質をきちんと把握し
それをどのように伝えていくかを考え
その伝えていく手段の一つとして値段を決める必要があります。

そう考えたらやはり直感よりも戦略的に価格設定をした方が
ハズレが少なくなるということはご理解いただけると思います。

じゃあ具体的にどうすればいいのか。
まずは自分のヨガクラスの「強み軸」を把握する必要があります。



強み軸を把握する

先ほどの①~③の手順の前に
自分のヨガクラスの強み軸を明確にする必要があります。

言うならばここがエピソード⓪です。

強み軸には大きく分けて3種類あります。

A:手軽軸(例:ファストフード店)
B:技術軸(例:高級寿司店)
C:密着軸(例:街の定食屋さん)

Aの手軽軸は
(客単価:低)×(回転率:高)
というやり方で
これはその業界の最大手の企業にしか出来ない手法です。
ヨガ業界で言えば
テレビCMを打てるくらいの資金力と認知度がある「LAVA」くらいです。

Bの技術軸は
ブランドを売りにするやり方です。
ブランドをつくるためには
そもそもの実力が伴っていることは大前提で
しかもそれを世間に定着させるには時間がかかります。

Cの密着軸は
安さや技術を売りにしているのではなく
その人や商品や空間にファンがついている
という状態です。
「いつもので!」が伝わる街の定食屋さんが
まさしくその代表ですね。

もうお分かりかもしれませんが
個人のヨガインストラクターが
自分のヨガクラスという商品を販売するために
最も現実的なのは
Cの密着軸です。

ここを把握してから
もう一度ヨガクラスの価格設定の話に戻りましょう。



密着軸の価格設定

町の定食屋さんを思い浮かべるとわかりやすいです。
この密着軸が大切にしているのは新規の顧客ではなく
既存の顧客、つまり常連さんです。

常連さんを言い変えるなら
その店の店主や商品、空間についているファンです。

ファンは
ただ単にお金を払って商品を購入したりサービスを受けに来ているわけではありません。
むしろそれ以外の要素に付加価値を感じて
ファンになることが多かったりします。

例えば
僕は近所のベーグル屋さん(なみまちベーグル)が好きで
よく足を運んでいますが
「近所にある」
「落ち着いた店の雰囲気」
「店員さんが優しい」
「期間限定のベーグルが楽しみ」
などなど
ベーグルそのものを購入しているだけではなく
それ以外の付加価値の部分のセットで購入しているのです。

たぶん
ベーグルの値段がいきなり100円上がったとしても
僕は買いに行くと思います。

たかが100円ですが
ベーグルで言えば単価の約50%アップということになります。

何が言いたいのかというと
ファンはその商品やサービスの単価が50%アップしても
変わらずにお金を払いに来るということです。

そう考えると
1000円のヨガクラスも
1500円のヨガクラスも
そんなに変わらないということです。
ファンになればなるほど
2000円も3000円も変わらないということなのです。

ただ
これはあくまでも既存の顧客に対する価格設定のお話です。
新規顧客に向けて設定するならば
既存の顧客と同等の値段が
それよりも少し高い値段をつけるのがセオリーかなと思います。

密着軸はあくまでも
既存の顧客(ファン)を大切にするという軸なので
そこがブレないようにしながら
価格設定を行うと良いと思います。

以上
ヨガクラスの料金設定に悩んだ際は
参考になさってください!

おわり

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