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FIREした理由⑤FIREという言葉を知る前の歩み


FIREを知る前から、無意識に行っていたこと

FIRE(Financial Independence, Retire Early movement)という言葉は、2010年ころからアメリカで使われ始め、その後、日本やヨーロッパにも広まっていきました。
FIREでは、基本的に資産運用による不労所得を形成することで、労働収入だけに頼らない人生設計をするのが大きな特徴と言われています。

FIREを実現するためには、「年間支出総額の25倍の金額を投資元本として用意する」ことと、「生活費を投資元本の4%以内に抑える」ことの2点が必要とされています。
要するに、お金を貯め、増やして、支出を減らすということなのですが、結構な我慢や忍耐が必要になってくるため、実行するには、相当強い「動機付け」が必要になると思われます。

私の場合、このFIREという言葉を知ったのは2010年代の後半に入ってからでした。
FIREに関する書籍を何冊か読んでみたり、FIREの体験談を紹介しているYoutubeやブログを見たのですが、その時の感想は「ここで紹介されているほとんどのことは、もう既に自分もやっていることじゃないか?」ということでした。
多くのFIRE達成者が紹介していたことは、無意識のうち自分でも実践していたことばかりだったので、あと一息頑張れば、自分も数年以内にFIRE出来るのではないかという希望が目の前に開けました。

動機付け

まず、そもそもFIREするにあたっては、何のためにFIREするのかという動機付けが必要になります。
FIREを目指す方には様々な動機がありますが、ほとんどの方は「経済的、時間的な自由を手に入れて自己実現を図る」というものではないでしょうか。

私の場合、それに比べるとかなりネガティブ思考なように思われるかもしれません。
既に書いてきた通り、学生の頃から「プチうつ状態」に陥ることが多く、会社に入ってからも度々ぶり返したため、「ストレスから解放されたい」というのが一番の動機でした。
会社員に向いていないのではないかという違和感は、入社早々からありましたが、責任がある立場に上るにつれて、早めに会社を辞めたいという思いがだんだんと強くなっていきました。

しかし私は、「会社を辞める=仕事を辞める」とは考えていません。
経済的に自立し、お金を稼ぐ必要が無くなってからも、会社員や組織の一員としてではなく、別の形で社会に貢献していきたいと思っています。

支出の抑制

FIREを実現するための条件として、「年間支出総額の25倍の金額を投資元本として用意する」というものがあります。
年間支出は個人差が大きいですが、私の場合は以下の理由によって、もともと他の人に比べると低い傾向にありました。

・独身で、将来も結婚するつもりが無いこと
 これは、扶養する家族がいない、子供の教育費がかからないなど、様々な面で支出を抑制することにつながります。
 もちろん、独身の場合は、税制面で扶養控除が受けられないことや、家事労働を全て自分でやるか、お金を払って誰かにやってもらう必要があるなど、費用や労力が増える面はありますが、総合的に見れば支出は少ないと思います。

・もともと倹約家であったこと
 もともとそれほど裕福ではない家庭に生まれ、3人兄弟でしたが3人とも大学に進学させてもらいました。
 その時の両親の苦労を見ていたので、自然と倹約をする癖が身に付いたと思います。

・交友関係が狭いこと
 「プチうつ状態」が続いたため、友達との交際も少なくなってしまいました。
 また、仕事が営業などのように社交性が求められる職種ではないため、精神的に苦痛に感じる飲み会などは断るようにしていました。
 そのため、普通のサラリーマンに比べれば、交友関係は狭いのではないかと思います。

・格安な住宅を手に入れたこと
 「FIREした理由④」で書きましたが、独身寮を追い出されるタイミングで、たまたま格安な中古マンションを良い条件で購入することが出来ました。
 そのため、賃貸住宅よりも、かなり住居費を低く抑えることが出来ています。

・高額な生命保険に入る必要が無いこと
 生命保険は、人生の中で住宅に次いで「2番目に高い買い物」と言われています。
 私の場合、独身でいると決めたため、生命保険に入る必要がなくなりました。
 保険は医療保障だけにし、死亡保障は受け取る人がいないため削りました。

投資と貯蓄

FIREを実現するための、必要年数と貯蓄率の関係というものがあります。
それによれば、「貯蓄率が50%以上になると、運用益によらず大体10年〜20年程度でFIRE達成可能」ということが言われています。
私の場合、株式投資などを貯蓄とカウントするならば、30歳を過ぎたころから、貯蓄率は大体50%くらいになっていたと思います。
以下は、私が20代のころから実施してきた投資です。

・株式投資
 株は入社直後の2000年前後から投資していました。
 国内株、米国株への直接投資が中心でしたが、今から考えると明らかに勉強不足で、イメージ先行で投資していたと思います。
 そのため、大きく損失を被ることがあり、アベノミクスが始まる2010年代前半までは、ITバブルの崩壊、リーマンショックなどで、狼狽売りすることが多かったです。
 また、最近は流行っている株主優待ですが、私はかなり昔から、吉野家やビッグカメラなどを長期保有し、だいぶ恩恵にあずかりました。

・投資信託
 投資信託も、かなり以前から積み立てをしています。
 ただし、初期のころは「毎月分配型」に偏って投資していたため、振り返ってみると、大きく損を出していました。
 米国株のインデックス投資や、運用報酬が低いファンドに切り替えてからは、順調に利益が出ています。

・FX
 2000年代半ばから少しずつ手を出していましたが、リーマンショックでかなりの損失を出してしまい、しばらくは嫌悪感のためFXをやるのをやめていました。
 最近は、米ドルの利率の高さを利用して、長期的にスワップポイント稼ぐ戦略を実施し、円安ドル高傾向のため含み益も出るようになりました。
 FXではほぼ毎年赤字でしたが、最近は解消しつつあります。

・仮想通貨
 割と初期の段階から興味があり投資していました。
 ただ、少し高くなると売ってしまっていたため、「億り人」になるのは夢のまた夢です。
 最近は、暴落の際に売り時を見逃し、放置していた仮想通貨が、知らず知らずのうちに高騰していて驚いています。

・純金積み立て
 2000年代の早い時期から、毎月少額ずつ金とプラチナを積み立て投資していました。
 何度か高騰した時に売却しましたが、今でも大きな含み益を残しています。
 金価格は始めた当時の5倍以上になっていますが、プラチナの伸びがいまいちなのが残念です。

以上のように、20代から様々な金融商品に興味を持ち、投資を経験していたため、FIREを実現するために必要な金融面の知識は、特に新たに勉強する必要はありませんでした。

FIREを決意

このように、FIREをするための条件は、以前から無自覚のうちに揃っていたため、2010年台の半ばにFIREという言葉を知ってからは、それまで「夢想」するしかなかった早期退職が、現実の物として目の前にはっきりと現れた思いでした。
そして、その後、本格的にFIREの実現に向けて動き出すのですが、そのきっかけとなったのが、会社の構造改革(いわゆるリストラ)と、コロナショックです。

牡丹の花ことばは色々あります。「王者の風格」、「高貴」、「恥じらい」、「人見知り」

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