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FIREした理由④FIREまでの足踏み


早期退職を夢想

パワハラ上司の下、軽度のメンタル疾患を発症し、その後も「プチうつ状態」に悩まされましたが、仕事の方はそれなりに順調にこなしていきました。
しかし、しばらくの間は、毎年冬になると「冬季うつ」の症状が現れ、その都度日光浴をするなどの対策をして、体調の回復に努めなければなりませんでした。
「冬季うつ」になると、仕事への意欲が低下し、会社の中での自分の存在意義が感じられなくなってしまうというネガティブな気分になります。
ちょうど年末年始の多忙な時期にそのような憂鬱な気分に見舞われるので、毎年クリスマスや正月を迎えるのが嫌でたまりませんでした。

そういった「抑うつ状態」が続くと、会社を退職したらどれだけ楽だろうなと思うのですが、主に2つの理由から退職を思いとどまっていました。

1つ目は経済的な理由です。
会社を辞めても食べていくほどの蓄えが無いため、他の仕事をしなければならならないのですが、職場環境や人間関係が大きく変わる「転職」という選択肢は、恐怖以外の何物でもありませんでした。

2つ目の理由は両親との関係です。
今から考えると、何故そのようなことで悩む必要があったのか不思議ですが、私が退職や転職をすれば、両親を深く悲しませるのではないかと真剣に考えていました。
30歳を過ぎた大人なので、自分の人生は自分で決めれば良いのですが、何故か両親が自分に対して過大な期待をかけていて、それを裏切ることは出来ないという焦燥感を持ち続けていました。

そのような状態なので、早期退職は夢見るものの、具体的な行動に移すことはありませんでした。
「冬季うつ」の症状が出るのは、ちょうど年末ジャンボ宝くじの季節なので、1等が当たったら何年暮らしていけるか夢想することはありましたが、実際に宝くじを買うことはありませんでした。
宝くじは、当せん金の還元率が40%程度で、「愚者の税金」と言われていることを知っていたからです。
毎年「冬季うつ」になる度に、宝くじで一等を当てて会社を辞めることを夢見るのですが、実際の行動に移すことはありませんでした。

中古マンションを購入

そういった生活をするうち、会社の寮へ入居出来る年齢制限の35歳を迎えました。
ちょうどその時、幸か不幸かリーマンショックに見舞われ、世間の景気が一気に悪くなっていた時期でした。
また、マンションの耐震強度偽装などの事件が重なり、住宅の価格が一気に低下していました。
寮を追い出される場合、普通は賃貸アパートに引っ越すことが多いですが、賃貸物件を調べている内に、中古のマンションがかなり手頃な値段で手に入ることが分かりました。

ちょうど寮を追い出されるタイミングで、別のオフィスへと転勤になったので、思い切って安い中古のマンションを購入することにしました。
その物件は、いわゆる「競売物件」というもので、住宅ローンを滞納するなどして金融機関に差し押さえられ、裁判所によって競売にかけられた物件です。
私はその物件を競売によって直接購入したのではなく、競売物件をリノベーションして転売する専門の業者から購入しました。
直接購入するよりも面倒な手間は無く、また業者が適度にリノベーションしてくれるため、比較的良好な物件を、通常よりも安い値段で買うことが出来ます。

その物件は広さが50平米なので、ファミリータイプとしては狭いですが、私はその時すでに結婚するつもりはなかったので、1人用として購入することに決めました。
ちょうど、不動産価格が下落していた時期だったので、信じられないくらい安い金額で購入することが出来たと思います。
しかし当然、現金一括では買えないためローンを組みました。
当時の収入では5年ローンくらいで良かったのですが、住宅ローン減税を利用するため、必要最低年数の10年ローンを組みました。
そのため、月々の返済額は、ワンルームマンションを借りた場合の家賃よりも、ずっと安く抑えられました。

知らず知らずのうちにFIREの準備

このような状態で、住居費はかなり安く抑えられ、また仕事の方ではそれなりに昇進して行ったため、毎月少しずつ余剰資金が生じてきました。
また、これといったお金を浪費する趣味も無く、その頃には同期や大学の友人も既に結婚していて、飲み会などの付き合いが減り、交遊費も以前よりだいぶ少なくなっていました。

私は中古マンションを購入する前から投資に興味があり、株式、投資信託、FX、純金・プラチナ積み立て、仮想通貨などいろいろな金融商品に手を出していました。
詳細は別に書こうと思いますが、大きく損を出したものもあれば、利益を出したものもあります。
紆余曲折を経て最終的にFIREすることになるのですが、中古マンションを購入した際に、住宅ローンの頭金を支払ったため、金融資産はほとんど無い状態でした。

その時点では、FIREという言葉はまだ世間一般では使われておらず、当然私も知りませんでした。
しかし、様々な金融資産に手を出し、またライフスタイルを変化させて行ったことが、その後のFIREのための資産形成につながっていくことになりました。

山つつじ。花言葉は「燃える思い」

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