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#映画感想文

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映画の感想
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映画『THE FIRST SLAM DUNK』の復活上映。視点が変われば物語も変わる。

映画『THE FIRST SLAM DUNK』公開した2022年の年末。行くか悩んだ末に年を跨ぎ、2023年にスラムダンクの映画を観に行った。その時の葛藤はこちら。 悩んだ末に観に行き、結果、「大」がいくつ付いても足りない程の満足を得たのだが、その後にまた葛藤が繰り返された。 それは「もう一度観に行くか」ということ。 あの感動をもう一度味わいたい。 でも別の映画も見たい。 あの感動を。 別の映画も。 と、禅問答を繰り返し、気が付けば上映が終わってしまっていた。 まさ

映画「笑いのカイブツ」の感想。信念、妥協、仕事とは?

気になっている映画があった。映画「笑いのカイブツ」。 タイトルを見て最初に感じた印象は「芸人が主人公のよくある成長物語」…かなと思った。 全然違った。 あらすじを読むと「大喜利番組にネタを投稿する」とあった。しかも実話。 ん?実話? レジェンドを目指す大喜利番組? あれだ。知ってるぞ。その番組。よく見ていた。というか投稿もしたことある。何歳ごろの記憶か定かではないが、テレビに噛り付いてガラケーを片手に観ていた記憶がある。 これだ。 NHKだということに驚くが、こ

映画「PERFECT DAYS」の感想。空を見上げて木の写真を撮りたくなる。

観る前から「いい映画だ。」と確信していた映画があった。役所広司さん主演の「PERFECT DAYS」。 予告編を観て(映画館で観たのかYouTubeで観たのかは忘れたが)すぐに思った。この映画は「いい映画だ。」「絶対に観に行くべきだ。」と。 封が切られた3日後、12月25日クリスマスに観に行った。わかっている。クリスマスに観る映画ではないことは。でも、そんなことは関係ない。とにかく早くこの映画を観たかったのだ。 かなり大きな劇場だったが平日の昼間なので、お客さんは片手で

映画『THE FIRST SLAM DUNK』を観に行くか迷ってる人へ。#映画感想文

「スラムダンク映画化!」 いつ頃の事だったか、この言葉を見たとき、もの凄く喜んだのを覚えている。 ただ、心待ちにしていた「予告編」が解禁され、がっかりしたのも覚えている。 それは、今まで見てきたアニメではなく、CGとアニメの中間のような少し変わった映像だったからだ。 スラムダンクを観た最も古い記憶はテレビで放送されていたアニメだ。 たぶん小学生の時にリアルタイムで観ていたのだと思うが、記憶に残っているのは、ビデオに録画され、何度も何度も見た「シュート2万本」の回だ。

「すずめの戸締まり」を観て感じた不気味さの正体。※ネタバレあり

新海誠監督を知ったのは大学生の頃だ。 友達から勧められて何気なく観た作品、 映画「秒速5センチメートル」。 当時受けた衝撃は凄まじいものだった。 現実かと錯覚するほどの綺麗な映像。切ないメロディ。現実とは思えない綺麗な背景、そして映像とリンクする主題歌。 新海誠監督の過去の作品である「ほしのこえ」と「雲の向こう、約束の場所」もすぐに観た。 大学時代は時間もあったこともあり何度も何度も観たのを覚えている。 あれから約10年。 2022年。 新海誠監督の最新作「すず