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22歳が考える「健康」とうつ体験

21歳から22歳になるまでの1年間、外も中も全てが大きく変化した。
変化しすぎて、もう一度生まれたような感覚すらある。

うつ体験,リンパ整体との出会い,そして「健康」についての気づき。
人とその身体について深く考えさせられ,多くの学びを得た。

医療者になる身として,きちんと考えておいた方が良さそうなこのテーマ。
「健康」とはどういう状態を指すのか,私なりの答えを見つけた。

「うつ」は誰でもなり得る

10月ごろ,私は突然"うつ"になった。身体がだるくて,少し歩いただけですぐに疲れる。何をしても楽しくなくて,できることなら何もしたくない。そんな状態が2週間ほど続いた。最終的には自分なんてこの世からいなくなっても誰も困らないし,存在する意味あるのかな,なんて思い始めたのであーる。
これだけ聞くと病みやすいタイプなのかと思われるかもしれないけど,どちらかというと普段はむしろ何をしていても楽しくて,毎日幸せ!という根っからの陽キャ(自称)。
なぜこんな状態になってしまったのか,それにはいくつかの理由があるが,今回はこの経験から何を学んだのか,その点にフォーカスしていく。

単なる心の病気ではない

大きな発見が4つある。
まず第一の発見が,"うつ"は「自分ではどうしようもできない」ということ。
ポジティブシンキングは得意なはずなのに,それができない。自分の意思とは無関係に,勝手に気持ちが沈んでいくのだから恐ろしい。
何かに支配されているような感覚で,気がついたらなぜか悲しい。そう,なぜか悲しいのですよ……。
これが精神的な症状。

一方身体はというと,1日中だるくて重くて,力が全く入らない。すぐに疲れてしまうため,自然と省エネモードに突入する。
これは極限までお腹が空いた時と一緒で,会話が減り,小声になり,笑わなくなる。そして終いには食欲がなくなり,油物,甘いものなど,消化にエネルギーを要するものは基本的に受けつけなくなる。私の場合は,牛乳や卵すらもだめだった。
これが身体的な症状(個人差あり)。

ここまで書けばお気づきの方もいるはず。
第二の発見は,「うつは単なる心の病気ではない」ということ。これも個人差があって然りだが,うつには身体症状もあるんだと知って驚いた。以前は,うつはただ気持ちが落ち込んだりやる気がなくなるだけの心の病気だと思っていたから。

リンパ整体との出会い

さて,そんなうつ状態だった私だが,実はうつを自覚する少し前から「リンパ整体」に通い始めていた。理由は単純。母に勧められたから(笑)
基本的に私は“出会い“は必然であって偶然ではないと思っていて。自分が出会うべきタイミングで,必要な出会いがやってくる。リンパ整体を受けようと思ったのもその理由から。

治療を始めてからすぐにうつが悪化したのだが,通っているうちに少しずつ食べたいものが変わってきた。
避けるようになったのは,お肉,油もの,小麦粉,乳製品。好んで食べるようになったものは,お米,お味噌汁,魚,納豆,野菜などの和食。

この身体の欲求に忠実に行動していくと,まあ不思議。
心も晴れてきたのである。
「心身一体」とはこのことか…と深く納得させられた瞬間だった。良い方向へ変化する身体に引き上げられるようにして,気持ちも上がっていく。
この「心身一体」が第三の発見。

食べたいものが変わるというのは身体の内側から変わっていく感覚で,気がつくと体重も7kg落ち,知らぬ間にすっきりとしていた。
この「すっきり」に伴い,精神的にもすっきり現象が生じた。

陰極まれば陽に転ずる

以前までは活躍している人を見ては,何かを果たさねばという謎の焦燥感に駆られ,色んな活動に首を突っ込んでいた。でも身体が変わってからはそういった気持ちが一切失せた。
SNSで色んな活動をして注目を集めている人や人生を謳歌している成功者のような人を見ても,純粋にすごいなと思うだけで,それ以上何も思わなくなったのだ。これはかなり大きな変化で,今まで「私は私」と自分に言い聞かせてきたものが,自分の中で息をするようになった感じだ。
つまり本当の意味で「ありのまま」になれたということなのかもしれない。

「健康」とはどういう状態を指すのか

言葉にするのが難しいが,この「ありのまま」こそ「健康」ではないか?と思い始めた。
これが第四の発見で,私にとっては最大の気づきだった。師匠の言葉を借りると、

「健康」とは,自分の中の自然と調和した状態。

怪我をしていないとか,病気がないとか,障害がないとかいうことではなくて,自分が自分でいて居心地が良く,身体とその内側を流れるエネルギーとが調和した状態。この状態であれば,誰が何と言おうと「健康」なのではないか、と。

これはうつ体験を通して感覚的に捉えた健康の定義であるため,恐ろしく曖昧である。それはもちろん理解しているけど、これ以上説明しろと言われても私の言語化力ではちょっと厳しい…。
悲しい哉。

でもそもそも大抵のことは曖昧であり,なぜ曖昧ではいけないのか?と不思議に思う今日この頃である。

というのはうまく説明できないことの言い訳であります。歯歯歯。
こんな曖昧な結論でも,「何となく分かる」と思ってくだされば嬉しいや……

この実際にうつを患うという経験は、私にとってものすごく貴重なものとなった。そして医療者になる身として、僅かな期間でもうつを経験したということに、それなりの意味と必然性を感じている。

その人がその人らしく日々を過ごせるように、身体を"良い状態"に保つサポートをする。
というのが今のところの私の歯科医師像。
わあ、なんて曖昧。

長々とお付き合いいただきありがとうございました。

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