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シードライブラリーとは

こんにちは。宮崎県諸塚村の森です。
諸塚村ではシードライブラリー「旅するたね|プロジェクト」をスタートさせました。

そこで今日は、そもそもシードライブラリーとは何?について書こうと思います。


1. シードライブラリーとは?

貸し出すのは「本」ではなく「タネ」。
seed(種)+library(図書館)というわけです。そんな図書館が各地で増えています。

アメリカを中心に25ヶ国・500ヶ所にまで広がっていると言われ、日本国内でも少しずつですが、取組みが生まれています。


2. なぜシードライブラリーを行うのか

人類が農耕を開始した数千~1万年前、そこから世界中で様々な作物が生まれてきました。
タネはその栽培履歴を通して、土地や気候などの情報を全て遺伝情報として記憶していると言われます。

タネが人の手を介し、世界中を旅したことで土地の気候風土を記憶し、また順応し変化していくことで多様性が生まれてきました。

残念ながら、市場原理のなかで生産性の向上を目指してきた結果、生産作物や品種の集中、そして現在ではF1種(交雑種)と呼ばれる基本的にタネ継ぎをしない種が増え、地域独自に発展してきた在来種の作物は消えつつあります。

ところが地球温暖化をはじめとする気候変動やバイオメジャーと呼ばれる多国籍種苗企業の市場寡占などの課題から、多様な遺伝情報をもつ地域固有のタネを守ろうとする動きが世界中で盛んになりつつあります。(このあたりはまた改めて)

シードライブラリーやシードバンクは、そういった地域固有の作物のタネを守り伝えていくことで、その遺伝情報、地域の歴史文化や植物利用の伝統的知識などを未来に届けようとするものです。


3. 諸塚村のシードライブラリー

宮崎県の山間部に位置する諸塚村にも僅かに豆類や雑穀類の在来種が残されています。
しかし平地1%ほどの村では、畑面積は猫のひたいほど。また換金性の低いこれら在来作物の担い手は、80歳前後のおじいちゃんおばあちゃん達が殆どです。

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そこで諸塚村では、単にタネを貸し借りするだけではなく、タネを守り継いできた村人とタネの物語を発信する拠点として、シードライブラリーの運営をスタートさせました。

暮らす場所を超えて、村に受け継がれてきたタネと、そして人の物語の小さな担い手に多くの方になってもらいたく、諸塚村シードライブラリー「旅するたね|プロジェクト」では、在来雑穀粟(アワ)のプランター栽培を広めています。

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最後に

暮らしの中に、受け継がれてきた物語があること、自分がその担い手であること、そして小さくとも食を自給する場を持っていること。
それはとてもワクワクし感動的なことだと感じます。

そんなタネと人の織りなす物語の輪に、多くの方と一緒に加われたら嬉しいです。

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