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前川建築。弘前市役所

弘前市役所 19548昭和33年)竣工

弘前市民は前川建築とともに一生を共にするとよく言われています。
例えば、「市民病院」で生まれ、「市役所」に届け出を出し、中学校の合唱コンクールは「市民会館」、桜をはじめ季節を問わず弘前公園を散策しては「緑の相談所」で休息を取り、たまには「博物館」で芸術鑑賞、「中央高校」に進学、今なら「こぎん研究所(旧木村産業研究所)」でこぎんを買い求め、人生の最後は「斎場」で荼毘に付される。
前川建築8棟が今も市民生活と深く関わっているのがたいへん贅沢。

そんな風に市民の生活のベースになる弘前市との最初の仕事となった弘前市役所。お城の追手門の正面に場所を準備し、当時の弘前市長が前川さんに「津軽十万石の追手のご門に位負けしない庁舎を」とお願いした話は有名で、前川さんもその注文を大変嬉しく感じていらしたよう。

正面に追手門
桜や松の向こうにある御門、見えますか?

こうやって、弘前公園という自然を前面に置いて空間を欲しいままにしていることが、前川建築の美しさをより引き立てていて、いい場所を準備してくれた当時の弘前に感謝。

今では桜の季節には屋上に上がることもでき、
弘前公園の桜を楽しめます。

そして、桜に負けていない屋上。

前川さんはこの屋上にレストランを置く構想を持っていたそうですが、それは実現しなくてちょっと残念。でもこうやって屋上に上がった人が、屋上のどこからでも岩木山を大胆に眺められる景色を手に入れたのだから果報⁉︎

玄関は天井の前川ブルーが市民を出迎え。

前川本館 階段
議場前

市役所の中を歩いていると、あちらこちらで青や赤の色彩が静かに光るのが目に入り、横長に枠取られた窓、空間の切り取り、それぞれのデザインが心地よい。
こうして日々 前川建築に浸かることで、市民は知らぬ間に芸術の素地を養っている気がします。

仲邑さんをお迎えしての前川建築ツアー、お陰様で満席となっております。東京からも何件もお問い合わせいただき、前川さんや仲邑さんファンの多さを実感します。

仲邑さんと巡る前川建築ツアー4/30(日)14:00-17:15

行程 弘前市観光館集合→弘前市役所→弘前市民会館→弘前市立博物館→緑の相談所→弘前中央高校講堂(外観のみ)→木村産業研究所→弘前市斎場→弘前市観光館解散
参加費 5,500円
    (数回のタクシー移動料金含む)
定員  14名
問合せ、申込 旅する弘前(前田)
                  maedaita@gmail.com
                  080-1680-9387

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