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【一家に一台、柿内さんほしい】アラサー(ほぼ)ニートのnoteフェス報告②-2

こんにちは、おり子です。

note30dayチャレンジに取り組んでいます。今日で8日目。ネタ探しの一環もかねてnoteフェスに参加してみました。こういう機会がなかったら接することのない人たちの話を聞くって新鮮ですね。

きのうも【note CREATOR FESTIVAL Day1②『僕たちに「企画」はいらない』】について書いていたのですが、30dayチャレンジ中なので、日付が変わる前に投稿せねば、と途中まで書いて終わってしまいました。今日はその続きから。ちなみにきのうの記事はこちら⇓

https://note.com/tabisuru_shiori_/n/n20f3098e6b4a

note CREATOR FESTIVAL Day1②-⑵『僕たちに「企画」はいらない』

きのうの記事読んでってのもおこがましいと思うので、きのうの記事と被りますが、対談された方のご紹介から。

☆お話されたのはこの方☆

◎羽賀翔一さん:漫画家
ベストセラー『漫画 君たちはどう生きるか』の著者で、現在はcakesで『ハト部』を連載中
◎柿内芳文さん:編集者
『漫画 君たちはどう生きるか』『ハト部』の編集を担当するほか、『嫌われる勇気』や『インベスターZ』など数々のベストセラーを担当する
⇑noteフェスの動画紹介文を抜粋してちょっとつぎはぎしてます。

司会進行はnoteディレクターの志村優衣さんです。

YouTube noteイベントチャンネル『僕たちに「企画」はいらない note CREATOR FESTIVAL Day1』

今回の対談は、

「企画が大事」と言われることが多い中で、「企画はいらない」と話すおふたりに、どのように作品を作り上げているのか、その裏側を語っていただくトークセッションです。

今日のnoteは珍しく長くなっちゃったので、目次入れてみました。目次も長いな。

テーマなんてどうでもいい。ヒットしようがしまいが、そんなのただの結果。

前回の作品が、あの大ヒット作『君たちはどう生きるか』だった羽賀さん。そんな羽賀さんに、次の作品として「ハト部」を勧めた柿内さん。

そんなお二人に司会の志村さんからこんな質問が。

『君たちはどう生きるか』の次で、ハト部という誰も知らないような地味なテーマでいいのかと悩まなかったのですか?

何も。テーマとかどうでもいい。
キャッチ&リリースに近いところがあって、目の前に降っているものをちゃんとコンテンツにするということだけを考えている。
目の前のものをコンテンツにしたら認知が広がって、おもしろいと言われたり売れたりするけど、すべてはただの「結果」。やり始める前のテーマはどうでもいい。やり始めてからちょっと客観的に見たりはするけれど。

『ハト部』だって、おもしろくなるとか売れると思ってやっていない。三田さんが目の前に落としてくれてタイミングが合ったからやりましょって感じ。あとはそれをおもしろくしていくだけ。
結果としてハト部いいよねって言ってくれる人もいるかもしれないし、逆に全然売れないかもしれないし、描けなくて終わっちゃうかもしれない。それだけ。
自分たちはハト部をおもしろくしていくだけ。

この柿内さんの答えを聞いたとき、私の中にあった暗くて重い「悩み」が溶けて水になってミストみたいになってぱぁーっと晴れていくような感じがしました。

私の話になっちゃって申し訳ないのですが、私、これ聞いてた時けっこう悩んでたんですよね。悩みっていってもそんな高尚なものじゃなくて、働いてる人なら誰でも持つであろう「最近、仕事がうまくいかない」ってやつ。

きのうの記事にも書いたのですが、最近の私は人生で一番いろんなことに手を出しています。よく言えばフットワークが軽いということなのですが、ここのところ、「いろんなことに手を出す」の悪い面が強く出てしまって、時間の使い方が下手になったり(もともと下手なんですけど)、1コ1コの仕事の質が落ちたり。基本的にポジティブな性格なんですが、ちょっと自分のできなさ具合に落ち込んでたんです。

柿内さんは、他人からの評価とか上手にできるとか、そんなことは気にしていなくて、ただ、目の前にあるただのモノを「コンテンツ」にしていくという作業を、丁寧に丁寧にやっているだけ。やった結果どうなるかは、ただの結果であって、やってる最中ややる前に気になんかしていない。

私はどうだろう。駆け出しで、スキルもないくせに、そんな自分を雇ってくれて記事書かせてくれて毎回丁寧にフィードバックしてくれるクライアントさんに、なんて思っていただろう。

私はスキルアップのためにこんなに勉強していて、クラウドワークスとかランサーズの講座にも参加して課題こなして、目標のために市のプロジェクトに応募して、自分の描いたステップアップのための行動だってしていて、その中で仕事までしてるのに、なんでわかってくれないの?
ここまでやれば何書きたいのかわかるじゃん、十分じゃん。私はこれからこんな風になれるかな、あんな風になれるかなって考えることがいっぱいなのに!うるさい!

心のどこかで、そんな風に思っていたんじゃないのかな。

恥ずかしいな。

目の前にある1コ1コを「コンテンツ」にしていく作業を丁寧にやる。それを周りがどう評価するかは「結果」でしかない。

そういえば『嫌われる勇気』の中に、似たような言葉ある。あなたをどう思うかは、相手の課題である。私こんなに頑張ってるんだから認めてよ褒めてよって思っても、私を頑張っていると評価するか、認めるか、褒めるかは相手の課題であって、私がやることじゃない。私はただ自分のやりたいこと、やるべきことをこなすだけ。それをどう感じて評価するかは、相手の課題。

このとき、修正依頼が来ていたけどずっとモヤモヤして書けなかった記事を仕上げて提出できました。自分でも今まで一番丁寧に仕事したと思います。柿内さんありがとうございます。

企てる必要も画く必要もない。いきなり東大目指さない。できる「ベタ」から始める。

私が柿内さんを拝んでいる間にも話は進んでいきます。

羽賀さんはずっと『今日のコルク』って作品を描いていて。これは「コルク(羽賀さんが勤めていた会社)」でその日起きたことをマンガに描いたもので。羽賀さんはこれを修行としてやってて、ちょっとしたことを描いていたつもりなんだろうけど、人が気づかないような日常をちゃんと観察して、拾って、それを頭の中でマンガに変換して人を楽しませてるんですよ。

ちゃんとキャッチ&リリースできていたのに、マンガを連載するとなると構えちゃって、プライドもあるし、『君たちはどう生きるか』で変に成功しちゃってたから、それが羽賀さんにすごく悪影響を与えたんじゃないかって、僕は編集者として心配していて、だから、たまたますれ違ったあのときハト部を勧めたんですよ。

羽賀さんが描けなかったのは、大きなものを描こうとしちゃってたから。ファンタジー描きたいって言ってたよね。ファンタジーってジャンルから入っちゃってるし、スラムダンクすっとばしてバカボンド描こうとしてる感じなんですよ。「マンガ史に残るものを描くんだ」ってことじゃなくて、一歩一歩、目の前の人を楽しませるんだってところから描いた方がいいんじゃないかって。肩に力が入りすぎていたんですよね。

スラムダンクはめちゃくちゃベタ。かなりベタなヤンキーマンガとしてスタートして、だんだん独自色が出てきているんです。

それに比べて、最近の日本の漫画は偏差値70くらいになっちゃってて。王道ど真ん中がドーナツ化現象みたいにぽっかり空いちゃっているんですよ。

『巨人の星』みたいな、王道ど真ん中のストーリーは、昔だから通用したんじゃない。今でも普遍的に通用するんだけど、みんな「もう過去の先人がやったから」と隙間隙間を探しに行っちゃってる。そうじゃなくて、ど真ん中。ど真ん中は古びないんです。恋愛だったらボーイミーツガールだし、誰もが知ってるジャンルや展開から入っていかないと。いきなりでっかい絵図とか誰もやってない新しさとか、企画ってそういう発想になっちゃう。目の前のベタなものをやる。偏差値58を目指す。いきなり東大とか目指しちゃいけない。

企画会議とかクソですよ。企てて画くってそんなのいらない。企てる必要も、画く必要もないんです。

企てる必要も画く必要もない。なんだか肩がスッと軽くなる言葉だなぁ。フリーランス界隈って、意識高い人多くて、努力するのが当たり前で、みんな自分がいかに努力してどう成功してきたかを語っていて、成功するために必要な企てや画いたビジョンがたくさん流れてくる。ときどき、焦ります。私には私の目標があって、自分のペースだし、自分の中に幸せの尺度があったはずなのに、「成功」のために必要な「企て」と「画くべきビジョン」が土石流になって押し寄せてきて、私だけの大切な幸せの尺度なんて押し流して行っちゃう。

企てる必要も、画く必要もない。目の前のことを丁寧に。どう評価されるかは相手の課題。

もちろん努力は大切だし必要だと思っています。自分の目標を達成するためにも、私の幸せの尺度を使うにしても。

だけど、その「努力」や「目標」が、今の目の前の現実や自分から離れすぎていないか、企てていないか、画いていないか。1コ1コを丁寧に積み上げていった先に到達できるものか。いきなり偏差値70目指していないか。東大目指していないか。

ああ。一家に一台、柿内さんほしい。

自分の主観が強くなっていないか?読者を置いてきぼりににしていないか?

話題は移り変わり、「週刊連載のストーリーの作り方」のトピックへ。

他のマンガ家さんは知らないけど、ハト部に関しては何も決めてません。一年は連載するというのを目標にはしていて、目の前の一話一話に集中して、気づいたら一年間、振り返ったら毎週連載していたっていうのがいいのかな、と思ってます。

とは柿内さんの話。ここでもブレない、目の前の1コ1コ論。

ハト部をどういう話にするかを連載スタートする前にけっこう話していて。その中で「これならいけるかも」って思ったのは、柿内さんが「キャラクターが鼻をかむだけで一話が成り立つような感じでいいんだよ」って言ったとき。ハト部ってそういうマンガか、それならできそうって思えました。大きな物語を描くつもりはなくて、キャラクターたちが動いてきて、自然発生的に物語が動いていく。最初からこう展開していく、とは決めていないです。

とは羽賀さんの話。なんか羽賀さん、久々に登場した気がするんだけど。あれ、もしかしてこの記事の中で初登場?

そんなことはさておき、志村さんはどんどん話を進めます。トーク時間1時間しかないからね、テンポ大事!

志村さん「今週の展開はどうしようかというような、打ち合わせはどうのように行っているんですか?」

羽賀さん曰く、

打ち合わせは毎週行っています。「冒頭」「展開」「おもしろ」という3枚の紙に、こうなってこうなってこうなる、というのを文字で書いて柿内さんに送って、OKもらったらネーム描いて送って、今回○○ちゃん弱いねって言われたら直して、って感じです。

ときどき、自分の主観が強くて、「これ伝わっているだろう」と、前提をすっ飛ばして描いちゃうことがあって。柿内さんは、ここついていけないですとか、これを描く前にこういうことを描かないと伝わらないですとか、そういう確認をしてくれるんです。

とのこと。それに対し柿内さんは、

いい映画やいいマンガって、映画みてるとかマンガ読んでることに気づかないですよね、没入しちゃってて。ネームをチェックしたときに「自分は今ネームを見ている」って認識したらマンガとしておもしろくない。没入できていないから。映画でも、観客置いてきぼりでキャラクターが熱くなったりするとこっちはシラけて、スクリーンを認識しちゃう。その時点でその映画は死んでいるんですよ。マンガも同じです。

羽賀さん「どこでついていけなくなったのかというポイントを細かく伝えてもらう、それが僕にとっての柿内さんとの打ち合わせです」

ハト部は、ずっとこの場所に浸っていたい、ずっとこの場所にいたいという気持ちをいかにキープし続けるかが肝。だから、付いていけなくなっちゃったとなるのはハト部にとって致命的なんです。

なるほど。読者を置いてきぼりにしないこと。これはwebライターにとっても大切なこと。

webライターとして仕事をしていても「この単語の意味はわかるだろう」と説明を省いちゃったり、「A=B、C=B、だからA=C」ってことを自分の頭の中ではわかっているからいきなり「AはCです」とか書いちゃったり、そもそも「A=B、C=B」っていうのが私の中での常識でしかなかったり、主観が強くなること多々あります。

SEOスクールの添削してくれる方とか、クライアントのディレクターさんに「ここついていけないです」「因果関係がよくわかりません」「前後の整合性がないです」って言われます。

あああ、書いてたら悲しくなってきたよ。webライター失格なのはわかってます。精進します。軽蔑しないで。

ただ、羽賀さん柿内さんの話を聞いて思ったのは、「添削」って重要なんだ、「添削された」からといって、自分がものすごく文章がヘタでwebライター向いてなくてもうやめたほうがいいとか、そんな風に凹む必要ないんだな、と。

レギュレーションを守れてないとか、納期を相談もなくすっぽかすとか、そういうのはもちろん論外。そうじゃなくて、レギュレーション守ってて、納期も守ろうと努めてて、クライアントさんともちゃんとコミュニケーションとっていて、クライアントさんの意向に沿って一生懸命書いた結果、第三者が読んだときにここがちょっとわかりづらいっていうのは、発見として受け取っていいんじゃないか、良いコンテンツをつくるための栄養素じゃないかと。もちろん、指摘されたところは次回から同じ指摘されないように注意するべきだし、質の悪い記事を納品していいってことじゃなくてね。

羽賀さんは続けます。

読者がちゃんと付いてこれるように、親切に丁寧に伝えなきゃいけない。でもそれができていなくて、キャラクターの高まる感情に自分の感情がのったまま描いてしまった。まずは○○くんってこういうキャラだよねって読者に確認させて、そこから○○くんの感情が動いていく。柿内さんに指摘される前は、いきなり○○くんの感情が高まっていて、読者はあれ○○くんってこういうヤツだっけ?って思いながらずっと感情を追わなくちゃいけないから、ストレスになっちゃってるんだな、と直しました。

読者が置いてきぼりにならないように、親切に丁寧に。

それは、柿内さんの「目の前のことを1コ1コ」と噛み合っていて、読者に届けるコンテンツをつくる、という作業を、羽賀さんと柿内さんが丁寧に丁寧に行っている様子が、目に浮かびます。

描きたいものを描くよりも、描けるものを描きましょう。

ここからは、自分のためのただのメモ書きです。

ここ読むんじゃなくて、ぜひ動画見て、2人の話を聞いてほしいです。ステマじゃないです。

きっと柿内さんのどえす感にときめきますよ(ごめんなさい)。

YouTube noteイベントチャンネル『僕たちに「企画」はいらない note CREATOR FESTIVAL Day1』

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ガチで3話休載で打ち切る。僕はこれは鬼になろうと思っていて、どんなに素晴らしい展開になっていてどんなに次が描きたいとなっても次は描けない。別のプラットフォームで描きますとかそういう温情もなし。どんなに読者から復刊を頼んできてもなし。

だから、描き始める前にどうしたら描き続けられるかってことを打ち合わせした。

羽賀さんも描きたいものはない。伝えたいことがあってマンガを通してメッセージとして伝えるということじゃない。ハト部はそれがじゃまになっちゃう。自分の伝えたいものはあえて出さない。

柿内さんも伝えたいこともなにもない。たまたま編集者になっちゃったので仕事としてやるだけ。0から1を作り出す能力は自分にはないので、1を作り出す人のサポートとしてその人の能力を見て活かす。

人は自分のことが見えてない。だから編集者が必要

本人の伝えたいこと、描きたいことは、その人の能力に合ってないことがままある。それを伝えて、あなたの能力はこれですよって伝える。伝えたいことのポイントがあるならそれを拾って支える

自分のメッセージを伝えるためにハト部を描いているわけじゃなくて、読んだ人がキャラクターに会ったような疑似体験をしてほしい。読み終わったときに、仲間っていいな居場所っていいなと思うんじゃなくて、なんか、こういうやつと会ったという感触、生っぽさ、体験を届けたい。

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こんな乱文を、最後まで読んでくださって、本当にありがとうございました。