114.シンガポールの向こう側
2004.4.20
【連載小説114/260】
アジア南方の島から飛んできた渡り鳥と、北方の島から飛んで来た渡り鳥。
別々のルートを旅する2羽の鳥が中継地の太平洋上の島で知り合う。
共に旅を人生の住処とする放浪者として意気投合した彼らは旧知の友のごとき仲となり、生まれた国と旅してきた先々のことを語り合い、暫し穏やかな時間を共有する。
2羽の渡り鳥のお国は、それぞれシンガポールと日本。
似て異なる国家でありながら、異質の中に共通点も多い。
そんな互いの祖国に対して親近