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嬬恋村でのワーケーション

群馬県吾妻郡に嬬恋という村があります。僕達の世代だとキャベツの産地として子供の頃知った記憶があります。

今回、嬬恋村でワーケーションをする機会があったので簡単に感想をまとめておきます。

2022年2月と3月の2回訪れる機会がありました。
2月に訪れた際には極寒で白銀の世界でしたが、ちょうど1ヶ月後に再訪した際は雪もほとんど溶け、全く違った顔を見せてくれました。

昨年秋より宿泊施設を始めた知人の施設にお世話になりました。

嬬恋村といっても広く、今回滞在したのは鎌原(かんばら)という地区です。

この地域は天明の浅間山の噴火の際に土石流で飲み込まれたという過酷な歴史があります。現在でもその記憶を風化しないように郷土資料館やその周辺で当時の状況を学習することができます。「嬬恋郷土資料館」には発掘作業の際に見つかった品々も展示してあります。

2月に初めて嬬恋村を訪れた際には、まずここに足を運び、天明の飢饉に浅間山の噴火が与えた影響の大きさや、被害の甚大さを学びました。

また、有名なキャベツは夏秋に収穫されるため、冬の時期には畑が全く耕されていない様子を目にしたり、嬬恋や吾妻といった地名は日本書紀のヤマトタケルに由来する事なども知ることができました。


その後3月には、また少し離れた長野原の「やんば天明泥流ミュージアム」というところを訪れ、吾妻川沿いでどのような被害が出たのかを知ることができました。浅間山から離れた場所でも吾妻川に沿って泥流が流れ込んだため大きな被害が出ました。その爪痕は遠く離れた江戸や利根川河口の銚子でも見られたそうです。

このような噴火の恐ろしさを知った上で、「鬼押出し園」というところを訪れると、当時いかに大きな噴火があったのか、を最も直に体験することができます。

ここには噴火で浅間山から押し寄せた溶岩をそのまま見ることができます。

溶岩が織りなす光景はこの世のものとは思えないものです。当時の惨状に思いを馳せると心が痛みますが、その遺産を活用して観光資源としている様子に人の持つ逞しさも感じました。

ここから見渡す浅間山や白根山といった山々も絶景です。3月いっぱいは閉園しているのかと思っていましたが、雪が溶けたからか営業しており訪れることができたのはラッキーでした。

こうした地域の歴史を知っておくと、滞在中の活動に一気に深みが増すのでおすすめです。

同じ光景を見ても、体験をしても、その土地の歴史の文脈が頭にあるとまた一味違ったものになります。

嬬恋村の滞在先は森の中の別荘が集まる一画にありました。夏場に別荘として使用される方はいらっしゃると思いますが、冬場はほとんど人が居ないようで、まさに森の音がBGMでした。そして夜は完全な静寂を味わうことができます。これらは都会にいるとなかなか体験できるものではありません。

かつ滞在先ではWifi環境が非常にしっかりしていたのでオンラインでの仕事に一切ストレスがなく快適でした。窓の障子を開けると森の木々が目に入り、とても心地よく仕事に取り組むことができました。作業の合間に外に出て少し森の中を散歩して新鮮な空気を吸えるのも贅沢な環境です。

一区切りするタイミングでは買い物がてら車に乗って雄大な浅間山を眺めに行くこともできます。


こうした風景を目の当たりにすると、疲れが癒やされるだけでなく、大自然の前で自分は小さな存在だと体感でき、自ずと視座も上がります。結果として多くのインスピレーションを得ることができますのでクリエイティブな作業の助けにもなるのではないでしょうか。

そして嬬恋村に滞在するもう一つ大きな楽しみとして、草津温泉を忘れてはいけません。

嬬恋村から草津温泉までは車で30分ほどで訪れることができます。古くから温泉地として名を馳せただけあるお湯の素晴らしさを体感することができます。

パソコン作業が続いても熱い草津のお湯で疲労を取り去ることができ、またリフレッシュして仕事に向き合うことができます。

普段と違った環境に身を置くことで視点が変わり、いろいろなアイデアが湧いてきます。仕事目線で自然を眺めることで観光資源を活用するアイデアが生まれることもあります。そして疲れたら木々や温泉に癒されてまた次への活力を養うことができます。山は四季折々の風景を作り出してくれますので、各季節ごとに訪れてみるのも良いかもしれません。

ワーケーションは仕事と旅行を単にくっつけるだけでなく、うまく設計すると相乗効果も期待できるとても生産性の高い活動ですので、ぜひ一度取り組まれてみてはいかがでしょうか?

Tabinova|ダイスケ

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